懐かしいブログが見つかりました〜松原工房見学

2015年掲載のブログ。灯屋2のスタッフが松原工房見学を報告しています。

今回、江戸川区にある松原染色工房にお邪魔させていただきました。
松原工房は、大正13年より続く、長板中形の染色工房で昭和30年に、故・松原定吉氏が、国の重要無形文化財指定を受け、ご子息である福与、八光さん、現在も、与七さんを中心として続く長板中形の伝統ある工房です。

長板中形は、三間半(約6.4メートル)の長い貼り板に木綿生地を貼り、型紙を送りつなぎ、防染糊で型付けして、本藍につけ染めることにより出来上がる日本の伝統染織工芸のひとつです。
もちろん、この緻密な手仕事には、長年の経験と技術が裏付けされている事は言うまでもありません。
写真は、

型紙拝見

 

貼り板の上に柿渋で手彫りされた型紙をおく作業を
スタッフ全員が覗きこんでいるところ

 

 

伝統の美しさを生み出す数々の道具藍の入った壺

 

大切な道具類、驚くべきたくさんの藍壺
(木の蓋をしてあるのも全部、藍の壺です!)

染めあがった布は空気に触れることで…緑から藍色に

 

実際に藍に白生地をつけて染め上がった布がまさしく碧から藍色に変化して行く様子など…
(藍は、空気にふれる事により、神秘的に変化してゆきます)

 

それにしても、美しい長板中形染です。

その美しさにはいくつかの要因がかくれていますが、藍の美しさはもちろんの事、民芸運動・柳宗悦氏の「手仕事こそ、品物に美しい性質を与える原因・心の仕事」という言葉が、しっくりくるような感じがします。

長板中形は、主に浴衣に用いられてきましたので、浴衣のあり方が変わってきた現在、昔のような需要はなくなりましたが、灯屋2では小紋や付下、訪問着など、松原工房作のお着物のお取り扱いございます。
ぜひ、ごらんください。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その2>

1枚の着物に2本の帯で、趣の違うふた通りの楽しみ方をしてみませんか?

前回に続いて、単衣の着物の5月と6月のコーディネートをご紹介します。

●木版染め葉っぱ文の単衣
白地に木版で葉っぱの文様を描いた個性的な着物は、白とやさしい藍のシンプルな柄がモダンな雰囲気を醸し出します。

5月には…
白地に一本独鈷の博多帯を合わせてみました。
柄に合わせて焦茶の帯揚げを当て、グリーンと茶色がはいったトンボ玉の帯留でまとめたら、粋な着こなしになります。
木版染め葉っぱ文の単衣 25-04-03   66,000円
博多帯 15,000円
帯留 30,800円

6月には…

白地に水辺の花を描いた、涼しげで可憐な綴れの名古屋帯です。
やわらかな黄色の帯揚げとグリーン系の丸ぐけでまとめてみたら、上品な雰囲気になりました。
花の文様の綴れ帯 15,000円

初夏から夏は、その日のお天気や気温に合わせて帯や小物を選ぶのも楽しみのひとつです。
この季節ならではの着こなしを楽しみましょう。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その1>

東京は夏日の予想も出で、すっかり初夏の陽気です。
そろそろ単衣の用意をしませんか?
本来は6月からとされる単衣ですが、年々気温が高くなる最近では5月からお召しになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1枚の着物でも、帯を変えれば5月と6月にイメージの違う着こなしができます。
コーディネートを2回に分けてご紹介します。
はじめは、格子柄の紬です。

●飯田紬格子柄単衣
藍色系の飯田紬の単衣。
爽やかな色合いが初夏らしい着物です。

5月には…

青紫色の花と薄いグリーンの葉が、5月の清々しい風を思わせるコーディネートです。
葉っぱ柄のブロックプリントの丸ぐけに白い帯揚で、さっぱりと可愛らしい雰囲気になりました。
飯田紬単衣 44,000円
名古屋帯 66,000円

6月には…
6月も半ばになったら、そろそろ夏帯に変えてみましょう。
ベージュに細い縞が入った地に、横段の色が入った紗の帯。絶妙な色の加減が着物とリンクして素敵な組み合わせです。
帯の中から1色取って赤系の帯揚げを合わせ、アクセントに翡翠の帯留をつけて。
名古屋帯 15,000円
帯留 13,200円

気温が安定せず、何を着ようか迷いがちな季節ですが、自分らしい着こなしを楽しんでください。

 

季節の刺繍半衿ご紹介

日中あたたかになってきましたね。

着物を選ぶにも悩める今日この頃。

半衿で季節感を出してみてはいかがでしょう。

今がねらいめ藤の刺繍半衿

 

重厚な刺繍が襟元を華やかにしてくれるでしょう。

半衿を広めに出して楽しんでください。

 

柳にカエルと、薇の刺繍です。

 

カエルが柳に飛びつく様が可愛らしいですね。

春の子花とこちらも薇でしょうか。

ピンク地に可憐なアクセント。

 

最後は牡丹に唐獅子。

春牡丹がそろそろですね。唐獅子牡丹でクールに決めてみては。。

 

藤の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

薇の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

柳にカエル刺繍半衿 ¥11,000(税込)

子花の刺繍半衿 ¥8,800(税込)

牡丹と唐獅子刺繍半衿 ¥6,600(税込)

衿元にも季節感を出して着物で街に繰り出してください!

ご来店お待ちしております。

松原工房長板中形販売会のお知らせ

荒川の流れのたもと、江戸川区で、3代に渡り創業してきた中形染めの松原工房が閉業しました。


故人となった2代目のおひとり、松原与七さんとは、我が連れ合いと共に、35年前、原宿の東郷神社で、店主、客人の関係からお付き合いが始まりました。
ウズベキスタンへの旅を共にしたり、布談義に明け暮れたり、セントバーナードのいるお宅へお邪魔したりの楽しい仲でした。

そして今回、閉業整理のお手伝いをして、松原工房の最後の作品を託されました。今、手元には、無形文化財としての定吉さんの着尺6枚をはじめ、2代目たちの着尺や帯、見本反物など約50店余りが、雪晒しなどを経て出番を待っています。中には、定吉さんの奥様がお召しになっていた木綿の訪問着もあり、解いて雪晒しに回しています。
そのほとんどが木綿であるというのが嬉しくて、たくさんの反物を整理していると、素朴であたたかく、長板中形の原点に立ち返る思いがします。
風薫る5月の連休から販売会を下記のようにはじめます。

【 5月3日土曜日より  開店11時 】
電話も受けたまわります

◇メールやご注文フォームでのご注文は、商品入荷日の店頭・電話でのご注文受付後、順次対応

名残りの花、4月の桜に酔いたい!

名残りの月、名残りの雪、名残りの空・・・名残りの花はやはり桜。

季節の区切りが昨今はだいぶ怪しくなっていますが、美しい言葉を“季語”の世界に閉じ込めるのでなく、身近に置いて楽しんでみたいですね。

風ひと吹きで舞い散り、舞い上がる桜吹雪、水面に落ちれば、花筏(はないかだ)、末は芥(あくた)になっても心惹かれるのは、やはり桜の力。

桜は3月というだけでなく、4月終わりの名残りの花・・あえて桜色をさけた衣装に心を映して、2025年の花を惜しむ宴を楽しむのはいかがでしょうか。

偲ぶこと語れば吹雪く残花かな (稲畑汀子)

青紫の桜の染めの小紋。縦縞に麻の葉紋様が敷きつめられたシンプルで華やかなお着物。寸法もたっぷりです。

99,000円 身丈:4尺4寸 裄:1尺8寸2分 20-04-01

薄紫のぼかし地に紫濃淡の枝垂れ桜を表した錦紗の長羽織。なんとも優雅でしなやかな羽織です。

77,000円 身丈:2尺7寸 裄:1尺7寸8分  25-02-18

(左)は金銀糸に葵を刺繍した中に控えめな桜を散りばめた格調高い帯。縦に蔓帯を配し花菱の紋を織り込んでいます。

80,000円  9尺8寸 24-05-27

(右)源氏車に桜の花びらを散らした可愛い織り帯。

10,000円 9尺

 

春の装い

桜がちらほらと散りはじめました。

少しずつ季節がうつろいでいきます。

春の陽気につられて華やかに装ってお出かけしてみませんか?

ご紹介の着物は若草色の地色に遠山や春霞が暈しで施された上に大小の花々がダイナミックに描かれたお着物に、藤の花を帯で添えてコーディネートしてみました。

春らしい色合いで優しい雰囲気を演出してくれます。

この季節を美しい着物で楽しんでみてはいかがでしょうか。

四季の植物文様訪問着 66,000円(税込) (着物25-02-13)

身丈:4尺(約152cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸9分(約33.8cm)
前巾:5寸8分(約22cm)
後巾:7寸7分(約29.3cm)

鼓に藤の花文様名古屋帯 60,500円(税込) (帯21-04-26)

長さ:9尺3寸(約353㎝)

帯巾:8寸2分(約31㎝)

 

 

こちらの着物は、全体に筆で描き込まれた着物地に大輪の牡丹に可憐な野菊が描かれた付下です。

アンティークらしい色でふわりと描かれた大輪の牡丹が雰囲気を出しています。

着物の雰囲気を壊さないように合わせた帯は、抑えめな色目ながら丸帯崩しの刺繍が豪華な帯です。

現代にはない色合いの組み合わせで、ひと味違った装いを楽めるのもアンティーク着物の楽しみのひとつです。

ぜひ、店頭で美しい着物や帯をご覧ください。

 

瑠璃紺地牡丹に野菊の付下  154,000円(税込) (着物23-12-35)

身丈:4尺1寸(約155.8cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸8分(約33.4cm)
前巾:6寸3分(約23.9cm)
後巾:8寸(約30.4cm)

 

菱に花鳥風月文様名古屋帯  77,000円(税込) (帯25-01-25)

長さ:9尺8寸(約372.4cm)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)

 

 

欣喜雀躍! スズメ尽くし

鳥好きの中でもスズメは人気の図柄です。お着物、帯、襦袢にもたくさん登場します。

  • 陽だまりでぷっくりお腹を膨らませたスズメの集団はなんとも可愛いものです。
  • ご紹介する着物や帯に描かれたスズメ柄は様々、顔や姿、表情をお楽しみください。黄色の縮緬地に緑の濃淡、レンガ色で竹を描いた中を飛ぶスズメ。元気です!

44,000円 24−11−08  長さ:10尺

赤いグミにふっくりスズメが宙返り、茶色の縮緬地にコックリした色合いの名古屋帯。

鳥は赤い実が大好き

66,000円 25−04−26  長さ:9尺6寸

まさに群雀! グレーのシックな織り帯、幅広く使い勝手の良い帯です。

33,000円 25-04-31  長さ:9尺9寸

豪華な江戸裂、紫地に金糸の網干にスズメが舞っています。素敵なお出掛けの時にぜひ

154,000円 長さ:9尺7寸

ふくら雀の可愛い羽織。明るい茶色地に大きめのカラフルなふくらスズメがいっぱい。

88,000円 24-10-33  身丈:2尺6寸 裄:1尺6寸5分

最後は素敵なアンティーク訪問着。裾の染めに刺繍の部分のみのご紹介ですが、落ち着いたベージュ地に地紋も素晴らしく、笹を染目で、スズメは刺繍であらわしています

154,000円 24-12-42  身丈:3尺9寸5分 裄:1尺6寸5分 袖丈:1尺3寸

さりげなく軽やかに・・サリーの替袖

全国から桜の便り、春本番の4月です。新緑の5月を前に、すべりよく、軽いサリーの替袖はいかがでしょうか。単衣のお着物にも重宝します。

幅広いお着物に合う落ち着いたベージュ地に、インドらしい模様がチラリ!振りからのぞきます。

袖巾は8寸8分、8寸5分、8寸3分をご用意しております。

袖丈は1尺2寸8分。16,500円(税込)