スタッフの休日」カテゴリーアーカイブ

「壽新春大歌舞伎」

「壽新春大歌舞伎」先日のお休みに、新橋演舞場に「新春歌舞伎」を観に行ってきました。
一月の見どころは、三代目市川右團次襲名披露と息子の二代目市川右近(6歳)の初舞台です。

「壽新春大歌舞伎」昼の部の「雙生隅田川(ふたごすみだがわ」の通し狂言では、市川右近(なんと6歳!)の独り二役の「早変わり」や「宙乗り」「立ち廻り」など初舞台とは思えない演技に驚嘆しました。

通し狂言の演目の面白さもあり、あっという間の4時間で、久しぶりにすばらしいエンターテイメントを見た思いでした。
千秋楽は27日(金)ですので、お時間のある方は是非楽しまれて下さい。

田中

「俺たちの国芳 わたしの国貞」展

先日、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されているボストン美術館所蔵・浮世絵展「俺たちの国芳、わたしの国貞」を観てきました。
幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品はまさに江戸の世界を体感できます。
二人は兄弟弟子でありながら作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵を得意とし、一方国貞は粋な美人画で一世を風靡しました。
二人が描いた活き活きとした人物達にも目を奪われますが、この頃最盛期を向かえた多色刷りの錦絵の美しさにも魅了されます。
当時西洋から輸入された「べロ藍」(プルシャンブルー)の濃淡とほんの少しの紅などで表現された作品は、さぞや当時の人の心を掴んだことでしょう。
また、歌舞伎役者やヒーロー達の趣向を凝らした着物の柄を見るのも楽しみの一つです。

ボストン美術館は浮世絵コレクションで有名ですが、1876年のボストン美術館開館以来初の、大規模な歌川国芳・歌川国貞展なります。
展示された作品は一度貸し出されると5年間は公開されなくなるため、今回の展示会が大変貴重な機会とのことです。

ボストン美術館所蔵
「俺たちの国芳 わたしの国貞」
Bunkamuraザ・ミュージアム 2016 3月19日(土)~6月5日(日)

「俺たちの国芳 わたしの国貞」展ホームページ

雪晒し

雪晒し「古い上布を雪晒しに出してみたら、真っ白になって帰ってきたの!」と、驚き喜ぶ店主の話を聞いたのは、2年か3年ほど前でした。
「雪に布を晒して自然の力で漂白する」
言葉ではわかっていましたが、実際に反物を出して、仕上がり具合の実感を得た話を直に聞くと、普段都会で生活していると忘れがちな自然の力の底知れなさに、不思議な感動を覚えたのを思い出します。

この3月、そんな神秘の雪晒しの現場を皆で見に行こうと、灯屋2の越後上布を三反抱え、新潟へ行かせて頂くことが叶いました。
ほぼ一日かけて、中田屋織物の社長で伝統工芸士の中島清志氏とそのご家族に案内していただいた今回は、雪晒しの他に、一番重要とされる苧績み(おうみ)と呼ばれる手績みの糸づくり、そしてそれをいざり機で織る姿を拝見させていただき、最後は時間の許す限り店主から中島さんへの質問攻め…という行程で締めくくりました。

暖冬は新潟も例外ではなく、いつもはまだ白いという山も、低い部分は茶色い肌を見せていました。
持ちこんだ反物をお湯でもんで、水に色がつかなくなるまで汚れを落とした後、車で向かった雪山。
山の平らに、雪晒しのための真っ白い世界がありました。

雪晒し

雪晒しは2月から3月の雪解けの頃の作業で、化学的に説明すると、雪から蒸発した水分に強い紫外線が当ることでオゾンが発生し、このオゾンの酸化作用で生地が漂白されるそうです。
そしてこの作業は布の汚れが落ちるまで、何日かかけて行うとのことでした。
この作用は、植物繊維だけに効果を発し、絹などの動物繊維には適用できないそうです。

白の眩しさに目を細めながら、スタッフも皆でお手伝いさせてもらって、布の両端を持ち、雪の上に置いていきました。
置かれた布は、日をうけて発光するようにきらめく雪の上で、みるみる力を取り戻していくように、雪とともに輝きはじめていました。
その美しさを見ているだけで、私自身も、背中の重さがすっと抜けて、身体が軽くなるような気持ちの良さに満たされていきます。

雪晒しのために越後に戻ってきた布たちは、「里帰り」というそうです。
生まれた場所に戻って英気を養い、また、きものとしてお勤めするため奉公に送り出す。

そんな呼び方で布の世話をしている、と、最初に湯で上布を足踏みでもみながら、中島さんが話して下さいました。
実際に、雪に晒した布がぐんぐんエネルギーを吸収して糸に生気をみなぎらせていく様子を見た後は、まさにその通りの言葉だと思いました。

家計の貴重な現金収入であり、地元の人々はほぼ着ることはなかったという越後上布。

長い長い手間をかけて作りあげた布が里帰りをして、充分に休息させてまた送りだす雪晒しという作業は、職人さん達にとっても、尊く嬉しいことなのではないでしょうか。
丁寧に、時間をかけて案内して下さった、雪山の清い雰囲気を纏った中島さんご一家に、心から感謝を申し上げます。

松田

日本民芸館 「芹沢銈介展」

日本民芸館先日、日本民芸館で開催されている「生誕120年記念 芹沢銈介展」を観に行きました。
日本民芸館は井の頭線の駒場東大前駅の、緑豊かな閑静な住宅街にあります。
建物も和風意匠を基調としながらも随所に洋風をとりいれた美しい建物で、設計に関わった柳宗悦の美意識が垣間見えます。
通りを挟んで栃木から移築した旧柳宗悦邸があります。

今回の展示は、生誕120年を迎える染織家・芹沢銈介の初期から晩年までの作品が展示され、彼の創造の世界を紹介するもの。
芹沢の布を中心とした作品と生涯で収集した工芸品などが展示されています。
芹沢は静岡の呉服卸商の家に生まれ、作家活動の中で民芸運動をけん引した柳宗悦に影響を受け、手仕事で作られた何気ない日用品の持つ美しさに惹かれていきます。
また、沖縄伝統の紅型に出会い強い感動を受け、型染を生涯の仕事と志します。
展示された作品は文字や何気ない日常のモノがオリジナリティ豊かに、美しく表現されています。
それは芹沢のモノの美しさを的確に捉える鋭いまなざしから生まれているのでしょう。
こんな時期なので、デザインの本質やオリジナリティってなんだうと考えさせられる展示会でした。
彼の収集した古い紅型の布や外国布も美しく、彼のモノに対する愛情を感じずにはいられません。

「ル・ソール」展示が変わる度に民芸館を訪れますが、もうひとつの楽しみがあります。
駒場東大前の駅と民芸館の間に「ル・ソール」というおいしいパン屋さんがあります。
何をたべても絶品ですが特にバンド・ショコラがおいしい。
まわりのクロワッサン生地がさくさく。
できれば買ってすぐ歩きながらでも食べたい…味です。

生誕120年記念 芹沢銈介展
生誕120年記念 芹沢銈介展
会期:2015年9月1日(火)~11月23日(月・祝)

田中

愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館

愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館秋になったとはいえ、まだ蝉の声も聞こえます。

お彼岸までは夏の名残を感じて、ふらり遠出の猪熊弦一郎現代美術館の猫達展を見に行ってみるなんていかがでしょう。
少年時代から様々な物に興味を持ち、画家になろうか発明家になろうかと迷ったという、明治35年生まれの猪熊弦一郎。

70年に及ぶ画業のなかで、画風を何度か変えていますが、具象から抽象表現への過渡期ともいえる1940年代後半から1950年代前半にかけて、猫をモチーフに多くの作品をあらわしています。
戦時中も、二匹の猫をつれて疎開するほどで、沢山の猫との暮らしの中で描かれた猫達の様子。
今回出品作の猫たちは、900匹を超えているそうです!

猪熊弦一郎といえば、ひとつ前の三越デパートの包装紙「華ひらく」の抽象的でモダンなイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、その一方、小説新潮の表紙を何回も大病をしながら40年間1度も穴を開けず、ご自分でもよく続けてこられたと不思議になるとおっしゃられてますが、不屈の真面目さというか、正直さは、讃岐の方なのだなぁという印象です。

「美は私たちの周りのなにげないところにも静かに存在しています。それに気づくかどうかということが問題なのでしょう。美は実体のあるものだけとは、限りません。」この言葉が大好きで、故郷へ帰ると楽しみにここへ訪れます。

私の実家の目の前にあるこの猪熊弦一郎美術館は、ゆっくりご覧になれるのもおすすめポイント☆

なんと今回は、フラッシュなしなら作品撮影可の楽しみもあります♪
美味しい手打ちうどんも楽しめる香川・丸亀駅徒歩1分の猪熊弦一郎現代美術館
詩的でユーモア溢れる椅子マルティーノ・ガンパー100日で100脚の椅子展も開催中です!

機会があれば、ぜひお出かけ下さい。

猪熊弦一郎現代美術館
香川県丸亀市浜町80-1 
Tel:0877-24-7755
http://www.mimoca.org/ja/

愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館愛らしい猫達、猪熊弦一郎現代美術館

白井

スタッフの休日「暫く~」

スタッフの休日「暫く~」先日、松田も歌舞伎のお話をさせていただいておりましたが、お店にいらっしゃるお客様にも本当に歌舞伎が大好きでお詳しい方がたくさんいらっしゃいます。
歌舞伎座からの行き帰りにお立ち寄りになるお客様達の活き活きとした笑顔には、ついお話をうかがいたくなります。
それぞれ、どの役者さんもご贔屓が、いらっしゃると思いますが、年末、新春と玉三郎さんのお舞台を楽しみ行かれた方も多かったのではないでしょうか。
玉三郎さんのファンと言っても、私は、まだまだで…どなたかぜひおしえて下さい!

有難い事に大歌舞伎ファンさんからチケットをとっていただき、よろこんでお出かけしてまいりました。
今の時代でもこんなに胸が躍るのに娯楽のなかった昔は、どれほど楽しみに歌舞伎座へ向かったのだろう…と想像するだけで、ジーンときます。

スタッフの休日「暫く~」夢のようなひとときの後、あいにくの雨模様で地下に向かうと外国からいらした学生さん達とお会いしました。
みなさん歌舞伎を楽しまれた後の元気な笑顔が印象的。
こんな風に日本に触れて下さるのは、やっぱりうれしいものですね!
今年引退を表明した、シルヴィー・ギエムは、「来日したダンサー達は、TDRへ行く時間があれば、ぜひ、歌舞伎を観に行くべきよ。学ぶ事がたくさんあるわ」とメッセージしています。

類をみない衣装と演出で「かぶく」舞台は、ここでしか観ることの出来ないエンターテイメント!
日本を代表する伝統芸能だからこそ、観客側もどんな風におしゃれして出掛けようか…と装う事もまた楽しみです。

そういえば、若いお客様が、「歌舞伎座でお着物の組み合わせに注意を受けてから、なんとなく着ていけなくて…」と仰ってました。
相手を思っての先輩からのお気持ちかと思いますが、そんな時には「暫~く~」どうぞ、あたたかく見守って下さいませ。
もし、何か言われても「着て行けない」なんておっしゃらずに、どうぞお着物をお楽しみくださるよう心から願う、今日このごろです。

白井

スタッフの休日…ではなく銀座の休日

銀座の休日先週末、山王祭りが銀座でありました。
山王祭りは、日本三大祭りのひとつに数えられるほどの大きなお祭り。
赤坂と銀座での1年交代で、今年は銀座の番。
赤阪:日枝神社のお神輿さんが、銀座にいらしてお練りを行い、銀座界隈を清めて下さいます。
中央通りの一車線が通行止めになり、日本橋から新橋に向かって長いお練りが続きます。
江戸時代から続いたお祭りらしく、着物の文様で目にするような姿が見られました。
銀座の休日隠れ傘を付けた年配女性達、裃を付けた男達、葵のご紋の目隠し布、さんばそうの鈴を鳴らす若い女性達、そして天狗さん。
列の最後には、子供達のわっしょい!の声が銀座通りに響き、沿道の笑顔をさそいます。
おごそかで和やかな…まるで銀座の休日のようでした。
8月には、浴衣でお楽しみいただけるイベントもございます。
ぜひ、夏のお着物でお出かけ下さい!

白井

残暑お見舞い申し上げます。

この時期、代々木は夏休みを頂いています。
渋谷はこの5年、新潟村上市の北の山懐、街道の終わる所の小さな集落の中の古民家で避暑。
愛犬のラブラドルレトリバーも一緒、草取りの邪魔をしながら田舎を味わっています。
彼女は涼を求め、1日中家の前の沢に浸かりきり…

田舎家を管理して行く苦労(五行苦と呼んでます)を楽しみに替えて、美味しいビールを飲みながら夏を過ごしています。
銀座から届く、皆様のご来店の様子の連絡もとても楽しみ。

まだまだ続く極暑の中、ご自愛くださいね。

残暑お見舞い申し上げます。 残暑お見舞い申し上げます。

渋谷

6月のバスハイク

梅雨とは思えない暑い日が続いている地域もあるようですが、雨の季節、降らないとそれも心配です。
雪の降る地域は梅雨がなく、すでに30℃近いとお聞きします。
今年も暑い季節がはじまっているのですね。

先日、町会のバスハイクに参加しました。
朝、9時に銀座1丁目交番前をスタートして茨城の笠間稲荷神社、日動美術館、春風萬里荘をまわり夕方には銀座に戻るコース。
どこの町にも町内会って存在するし、よく何々銀座って名前もあるけど、灯屋2の町内は本物の銀座2丁目町会です。(笑)

最初の友部パーキングエリアではたくさんの燕が出迎えてくれ、今、灯屋2の入口にも燕の付下が飾ってありますが、本当に燕尾服を着ているようにまっすぐに飛ぶ姿にしばし見とれます。
写真が、上手く撮れなかったのでお見せ出来ないのが残念ですが、お母さんを待つ巣から覗く丸い顔が可愛かった~(あのおチビさんが、渡りの時期までに立派に育っているのだろうか・・と生命の神秘。)

笠間稲荷神社2時間ほどで笠間稲荷神社に到着。大鳥居をくぐり、たくさんのお狐さんが迎え並ぶ参道を歩きます。
東日本大震災で被災した場所は、だいぶ修復されていて、少しほっとしましたが、まだまだ大変な地域もあるとお聞きしします。
少しでも早く、復興する事を祈ります。
境内には、樹齢400年という、天然記念物に指定された藤樹、花の盛りは、想像を超える華やかさでしょう。
緑だけのこの時期もとても立派でした。
ご祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、正一位という最高の位を持つ神様とお聞きしました。
お狐さんは、狐の姿をした神様のお使いだそうです。

丘陵地に位置する日動美術館には、企画展示館(シンガーソングライター長淵剛展8月18日まで)フランス館、日本館と3つの展示館があります。
竹林を抜けた中心部には緑豊かな彫刻庭園があり、自然に包まれた、空を近くに感じられる美術館。
少し時間が足りず全部をゆっくりまわれなかったのですが、最後に見たパレット館は、世界中、たくさんの画家達の使ったパレットが展示されていて、重ねられた色の中にそれぞれの大切にしている色の世界がみられる珍しい展示で、夢の気分に浸ります。

春風萬里荘3つ目に行く所は、春風萬里荘。
古くから稲荷と焼き物の町として広く知られてきた笠間に昭和40年、北大路魯山人が住居としていた約300平方メートルの茅葺き民家を北鎌倉より移築し、「春風萬里荘」と名付け「芸術の村」が開設されたそうです。
江戸時代の豪農屋敷の長屋門、魯山人自らが、設計した茶室「無境庵」、京都・龍安寺を模してつくられた枯山水による石庭、水連の池にかかる太鼓橋、どれも感嘆するばかりでした。お風呂場の腰壁、竹の形をした織部の陶板、特に目地の色に大よろこびしてしまいました!
「ここまで凝る・目地は大事です!」そして、お風呂場の窓から見える静かな景色。
なにもかもさらけ出す、お風呂はとっても大事です(笑)

お家番の方に「あの陶板は、ご自身の作ですよ」とおしえてもらったので、「目地の色は、何を混ぜているのですか?」とたずねたら、「何かはわからないけど、お湯をかけるともっと色があざやかになって、きれいになるそうですよ」と。
お湯をかけた所、拝見したいですね~。庭にある、動物の形をした石、異空間に続いているような細い道、蓮池、竹林、どれもが、心をのびのびと癒し楽しませてくれました。

ご一緒したご町内の方と「もう少し時間がほしいわね・・」顔を見合わせ、春風萬里荘を後にのどかな小道を歩きながら魯山人の美意識にふれ、なんだか元気になっちゃった!と感じる。

灯屋2にご来店いただいて、「楽しかった~、元気になった!」といってくださるお客様の声をききます。
もしかしたら、こんな気持ちなのかもしれません。
だったら、うれしいな。

バスに揺られ、無事銀座に到着。
みなさん笑顔でお別れ、大人達の遠足は終了しました。
たまには、こんな日があるのもいいものですね。
今度は、皆様でご一緒いたしませんか~

白井

たまには礼装で!

単衣の一つ紋
 
知人のお嬢様のご婚礼の招待を受けました。
当日はお天気にも恵まれ、単衣の一つ紋でお出かけ。

昭和初期の錦紗には透かし紋が入り、波間に千鳥が優しく飛んでいます。
いまどき、礼装となりますと定型で固い文様となりますが、昔の着物ならではの意匠と優しい着心地を満喫した1日でした。

店主 渋谷