灯屋2 夏の感謝セール2024 店内商品20〜30%OFF
お待ちかねのセールのお知らせです。欲しかった着物や帯がお求めやすくなっているかも知れません!ぜひ、皆さまのご来店をお待ち申し上げます。
2024年7月13日(土)〜21日(日)11時〜19時 17日(水)は定休日
・HP紹介商品は冬物も含め、4月までに掲載の商品が対象となります。
・セール商品はお客様の都合での返品はできません
・通信販売も13日11時よりお電話にて承ります。
今回は志村ふくみの作品が下記のように8枚集まりました。
志村ふくみ作
志村-1 「織部」
志村-2「藍すじ白十字」
志村-3「さふらん」
志村-4「夕霧」
志村-5「白地茶格子志」
志村-6「蓬生-よもぎう-」
志村-7「華雪」
志村-8「水十字」
10月21日(土)の講座では、郡山市立美術館館長時代に志村ふくみさんの仕事を時代を追って紹介する展覧会を企画した学芸員佐治ゆかりさんが、志村さんの仕事の神髄とは何かをお話しされます。
今回出展する8点の作品についての解説、技法などもお伺いする予定です。
当店にて志村ふくみさんの着物をお買い上げになられた方は、是非当日お召しになられてご来場ください。
皆様からのご質問もお受けいたします。
楽しいトークショーとなりますので、ぜひご参加ください。
こちらの講座は満席となりました。
佐治 ゆかり(さじ ゆかり)さんプロフィール
1982年 東北大学文学部東洋日本美術史学科卒業
2002年 東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻・前期課程修了
2006年 同 後期課程修了 2010年 博士号(文学)取得
1983年4月~2012年3月 福島県立美術館 学芸員として勤務
2012年4月~2020年3月 郡山市立美術館館長
2021年10月~ 秋田公立美術大学 美術学部美術学科 教授
志村ふくみさんの作品については、ホームページをご覧下さい。
「こうげいを探る」展作品紹介
「蓬生 -よもぎう-」
インドネシア スマトラ島ランプン ビーズワーク名古屋帯
先にご案内しましたが、このワークショップも何回目かを迎えて、
浦野ファミリーも増えてまいりました。
今回は、六通で、前柄も両面お使い頂けるということなので贅沢な悩みが増えますね。
シーチングの布を帯の長さ用意して、上に貼っていく、というスタイルでいきます。
広い会場の奥で作業を進めていきますので、集中してまいりましょう。
第1回 10月21日土曜日 10時30分〜12時30分
第2回 22日日曜日 10時30分〜12時30分
場所 銀座洋協ホール6F
企画展「こうげいを探る」会場
内容 六通名古屋帯の型紙に合わせて裂を選んで頂き、後日当店で仕上げます。
浦野理一の裂は、主に5寸角の大きさで、ダンボール4箱をご用意します。
参加費その他のお問合せ、参加お申し込みについては
銀座店までお電話ください。
裂の画像や、過去のお客様の作品集もご覧いただけます。
5月19日〜29日、代々木の灯屋で「古籠展」が開催されました。足をお運びいただいたお客様も多いことと感謝いたします。
“唐物写し”という少し難しげな響きのある古籠たち、その繊細で超絶な技巧に驚きましたが、いくつかの籠には、圷奈保美さんによる野の花のなげいれがなされ、重厚な空間を、穏やかなものにやさしく変えていました。
茶室や大きな空間にしか置けない籠かと思いましたが、日常の暮らしの中に、小さな宇宙を感じる籠と野の花のコラボ、とても素敵でした。
その中に「定家葛」が可憐な、どちらかといえば地味な白い花を咲かせていました。これが定家葛?ほんとうに定家葛ってあるんだ! 植物にうとく、「定家葛」は能『定家』の中に象徴的に存在するものと長く思っていました。本当に恥ずかしい‥‥能『定家』が先にあって、そこから名付けられたという定家葛、数あるツタカズラの中でこの小さな十字の花を咲かす蔓性植物を「定家葛」とどうして名付けたのか? 式子と定家の恋が、それほど人口に流布していたのか?
能『定家』は百人一首の選者で名高い歌人・藤原定家(1162〜1241。公家・歌人、権中納言。『源氏物語』をはじめとする古典の注釈、書写にも携さわる。その流れをくむというのが京都の冷泉家)と後白河上皇第三皇女式子内親王(1149〜1201。歌人としての評価も高く、歌の師は定家の父・藤原俊成。京都賀茂社「葵祭」を主祭する賀茂斎院の職にもあった)の身分違いの禁忌の恋とその果ての、定家の執心が内親王の死後もその塚(墓)に“定家葛”となって絡まりつき式子を苦しめるという、かなり重い内容の能です。作者は世阿弥の娘婿・金春禅竹、世阿弥後の当時の時代を映した多くの能の作者で、現代でも上演されることが多い人気曲を書いています。
歴史的には式子と定家の二人の関係を明らかにする資料はありませんが、二人の交流は確かにありましたし、定家の日記『明月記』の思わせぶりな書きぶりが後世の人々の空想を掻立て、高貴な身分の女性へのあこがれ、ともなったものかもしれません。「忍ぶ恋」を代表するような内親王の和歌、恋の歌に巧みであった定家。平安末から鎌倉時代にかけて、源平の戦いあり、やがて武家に政治が移っていく激動の時代を生きた二人です。
玉の緒よ絶えなば絶えねながらえば忍ぶることの弱りもぞする 式子内親王
来ぬ人をまつほの浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ 藤原定家
杉のような大木に絡みついててっぺんまで突き抜けると青空の下、十字形の白い花をわっと咲かす、それは見事な風景、であると圷奈保美さんにうかがいました。みかけの可愛らしさ、可憐さに隠れて、実はたいへん粘り強く力強い植物なのかもしれません。やはり“定家”らしい。
定家葛はジャスミンに似た甘い香りを持っています。式子内親王は「香」にも長けていて、式子邸に伺候した定家はその香りに陶然とした、と「明月記」にもあります。でも‥‥うっかりその花びらを口にすると‥‥たいへんな毒性があるそうです。
街中でも、家の塀からひょっと伸びているのを見かけることがあるとのこと、目をしっかり開けて初夏の街を歩いてみようと思っています。