慶びの日に華やかさを添えて

慶びのお席に付け下げや訪問着でのお出かけが多くなるシーズン、素敵なアンティークの装いで、日常を離れた一日をお楽しみになってはいかがでしょうか。

美術鑑賞やお芝居、お食事会などの華やかなお席にもお召しいただけるお着物です。

現代にはないアンティークの深みのあるやさしい色合い、質感は、装って心踊り、まわりの皆様の視線を集めること必定です!

花ネズ色文芸文様の付下げと古鏡文様刺繍の名古屋帯

付下げは「能 熊野(湯谷)」の一場面。上前には作り物の車と中啓、下前に桜の花びらと熊野の姿を描いています。上前の文字は「山の名の音羽嵐の花の雪 深き情けを人や知る」の一部。下前に美女を配する奥ゆかしい逸品。

66,000円 24−10−12 身丈4尺1寸 裄1尺6寸8分 袖丈1尺3寸 前巾6寸5分 後巾8寸

帯は鈍い金色の地模様が気品高く、豪華な古鏡の刺繍が華やか!

66,000円 25−03−22 長さ9尺8寸 巾7寸8分

青藤色風景紋様の色留袖 龍村平蔵製玉洞夕照文袋帯

きれいな、状態の良い縮緬の五つ紋付色留袖。婚礼などのお祝い事にお召しになったものかと思います。

遠山を背景に野辺に草木花咲き乱れ、働く人々が生き生きと描かれたモダンな意匠です。現代の街々に新鮮に映る色留めです。

88,000円 25−04−13 身丈4尺5分 裄1尺7寸 袖巾8寸6分 袖丈1尺3寸

さすが龍村!金銀糸と赤みをおさえた色糸を織り込んだ豪華さと品の良さ、締め映えのする素敵な帯です。

100,000円 23−09−31 長さ11尺3寸 巾7寸9分

松原工房長板中形販売会〜アトリエだより〜

松原工房長板中形販売会いよいよ始まります。

商品は5月1日木曜日から、店内でご覧いただけます。
なお3日の初日は、5時ころより、松原工房で長く修行された与七さんのお弟子さんたちに染めの解説をお聞きする機会を頂けそうです。

販売会、お電話でのご注文は3日土曜日の11時から、メール販売は12時からとなります。

画像は定吉さんの「日本三景」 です。
この作品は、奥さまがお召しになっていたものだそうです。
安芸の宮島に天橋立、裾に松島、と、雄大な光景が、華麗に緻密に格調高く展開していきます。
新たに雪晒しをして、透き通るような白が目に眩しいです。

風薫る5月の連休にお出かけください。

売約済みの商品も、6日の祭日までなるべくお取り置きして、多くのお客さまにご覧頂けるよう配慮するつもりです。

単衣1枚、帯2本<その3>初夏にも初秋にも大活躍の紬

まだ4月というのに、汗ばむくらいの日が続きます。
銀座店のスタッフの装いも、そろそろ単衣が主流になってきました。

左て、今回はこちらの「メガネ織り」の単衣のコーディネートを2つご紹介します。
合わせたのは、外国帯2本。
ひとつは初夏に、ひとつは、ちょっと気が早いけれど9月頃におすすめの組み合わせです。

24-04-08 24-04-08 白茶色メガネ織り紬単衣  60,500円(税込)

まずは初夏、インドのチカンカリワークの名古屋帯です。

象やラクダが刺繍で描かれた帯が、アクティブで元気な雰囲気を添えてくれます。
初夏のお出かけにいかがですか?
24-04-07 インド チカンカリワークの名古屋帯    35,000円(税込)

もうひとつはウールの系で織ったラオスの帯を、秋に向けて。
浅蘇芳色の地に精緻な柄が織り込まれた帯が、メガネ織のリズムに不思議とよく合います。
小物も赤系でまとめて、かわいい雰囲気にしてみました。
ラオス浮織の名古屋帯 88,000円(税込)

単衣着物と帯で、2つの季節を自分らしく遊びましょう!

 

懐かしいブログが見つかりました〜松原工房見学

2015年掲載のブログ。灯屋2のスタッフが松原工房見学を報告しています。

今回、江戸川区にある松原染色工房にお邪魔させていただきました。
松原工房は、大正13年より続く、長板中形の染色工房で昭和30年に、故・松原定吉氏が、国の重要無形文化財指定を受け、ご子息である福与、八光さん、現在も、与七さんを中心として続く長板中形の伝統ある工房です。

長板中形は、三間半(約6.4メートル)の長い貼り板に木綿生地を貼り、型紙を送りつなぎ、防染糊で型付けして、本藍につけ染めることにより出来上がる日本の伝統染織工芸のひとつです。
もちろん、この緻密な手仕事には、長年の経験と技術が裏付けされている事は言うまでもありません。
写真は、

型紙拝見

 

貼り板の上に柿渋で手彫りされた型紙をおく作業を
スタッフ全員が覗きこんでいるところ

 

 

伝統の美しさを生み出す数々の道具藍の入った壺

 

大切な道具類、驚くべきたくさんの藍壺
(木の蓋をしてあるのも全部、藍の壺です!)

染めあがった布は空気に触れることで…緑から藍色に

 

実際に藍に白生地をつけて染め上がった布がまさしく碧から藍色に変化して行く様子など…
(藍は、空気にふれる事により、神秘的に変化してゆきます)

 

それにしても、美しい長板中形染です。

その美しさにはいくつかの要因がかくれていますが、藍の美しさはもちろんの事、民芸運動・柳宗悦氏の「手仕事こそ、品物に美しい性質を与える原因・心の仕事」という言葉が、しっくりくるような感じがします。

長板中形は、主に浴衣に用いられてきましたので、浴衣のあり方が変わってきた現在、昔のような需要はなくなりましたが、灯屋2では小紋や付下、訪問着など、松原工房作のお着物のお取り扱いございます。
ぜひ、ごらんください。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その2>

1枚の着物に2本の帯で、趣の違うふた通りの楽しみ方をしてみませんか?

前回に続いて、単衣の着物の5月と6月のコーディネートをご紹介します。

●木版染め葉っぱ文の単衣
白地に木版で葉っぱの文様を描いた個性的な着物は、白とやさしい藍のシンプルな柄がモダンな雰囲気を醸し出します。

5月には…
白地に一本独鈷の博多帯を合わせてみました。
柄に合わせて焦茶の帯揚げを当て、グリーンと茶色がはいったトンボ玉の帯留でまとめたら、粋な着こなしになります。
木版染め葉っぱ文の単衣 25-04-03   66,000円
博多帯 15,000円
帯留 30,800円

6月には…

白地に水辺の花を描いた、涼しげで可憐な綴れの名古屋帯です。
やわらかな黄色の帯揚げとグリーン系の丸ぐけでまとめてみたら、上品な雰囲気になりました。
花の文様の綴れ帯 15,000円

初夏から夏は、その日のお天気や気温に合わせて帯や小物を選ぶのも楽しみのひとつです。
この季節ならではの着こなしを楽しみましょう。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その1>

東京は夏日の予想も出で、すっかり初夏の陽気です。
そろそろ単衣の用意をしませんか?
本来は6月からとされる単衣ですが、年々気温が高くなる最近では5月からお召しになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1枚の着物でも、帯を変えれば5月と6月にイメージの違う着こなしができます。
コーディネートを2回に分けてご紹介します。
はじめは、格子柄の紬です。

●飯田紬格子柄単衣
藍色系の飯田紬の単衣。
爽やかな色合いが初夏らしい着物です。

5月には…

青紫色の花と薄いグリーンの葉が、5月の清々しい風を思わせるコーディネートです。
葉っぱ柄のブロックプリントの丸ぐけに白い帯揚で、さっぱりと可愛らしい雰囲気になりました。
飯田紬単衣 44,000円
名古屋帯 66,000円

6月には…
6月も半ばになったら、そろそろ夏帯に変えてみましょう。
ベージュに細い縞が入った地に、横段の色が入った紗の帯。絶妙な色の加減が着物とリンクして素敵な組み合わせです。
帯の中から1色取って赤系の帯揚げを合わせ、アクセントに翡翠の帯留をつけて。
名古屋帯 15,000円
帯留 13,200円

気温が安定せず、何を着ようか迷いがちな季節ですが、自分らしい着こなしを楽しんでください。

 

季節の刺繍半衿ご紹介

日中あたたかになってきましたね。

着物を選ぶにも悩める今日この頃。

半衿で季節感を出してみてはいかがでしょう。

今がねらいめ藤の刺繍半衿

 

重厚な刺繍が襟元を華やかにしてくれるでしょう。

半衿を広めに出して楽しんでください。

 

柳にカエルと、薇の刺繍です。

 

カエルが柳に飛びつく様が可愛らしいですね。

春の子花とこちらも薇でしょうか。

ピンク地に可憐なアクセント。

 

最後は牡丹に唐獅子。

春牡丹がそろそろですね。唐獅子牡丹でクールに決めてみては。。

 

藤の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

薇の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

柳にカエル刺繍半衿 ¥11,000(税込)

子花の刺繍半衿 ¥8,800(税込)

牡丹と唐獅子刺繍半衿 ¥6,600(税込)

衿元にも季節感を出して着物で街に繰り出してください!

ご来店お待ちしております。

松原工房長板中形販売会のお知らせ

荒川の流れのたもと、江戸川区で、3代に渡り創業してきた中形染めの松原工房が閉業しました。


故人となった2代目のおひとり、松原与七さんとは、我が連れ合いと共に、35年前、原宿の東郷神社で、店主、客人の関係からお付き合いが始まりました。
ウズベキスタンへの旅を共にしたり、布談義に明け暮れたり、セントバーナードのいるお宅へお邪魔したりの楽しい仲でした。

そして今回、閉業整理のお手伝いをして、松原工房の最後の作品を託されました。今、手元には、無形文化財としての定吉さんの着尺6枚をはじめ、2代目たちの着尺や帯、見本反物など約50店余りが、雪晒しなどを経て出番を待っています。中には、定吉さんの奥様がお召しになっていた木綿の訪問着もあり、解いて雪晒しに回しています。
そのほとんどが木綿であるというのが嬉しくて、たくさんの反物を整理していると、素朴であたたかく、長板中形の原点に立ち返る思いがします。
風薫る5月の連休から販売会を下記のようにはじめます。

【 5月3日土曜日より  開店11時 】
電話も受けたまわります

◇メールやご注文フォームでのご注文は、商品入荷日の店頭・電話でのご注文受付後、順次対応

名残りの花、4月の桜に酔いたい!

名残りの月、名残りの雪、名残りの空・・・名残りの花はやはり桜。

季節の区切りが昨今はだいぶ怪しくなっていますが、美しい言葉を“季語”の世界に閉じ込めるのでなく、身近に置いて楽しんでみたいですね。

風ひと吹きで舞い散り、舞い上がる桜吹雪、水面に落ちれば、花筏(はないかだ)、末は芥(あくた)になっても心惹かれるのは、やはり桜の力。

桜は3月というだけでなく、4月終わりの名残りの花・・あえて桜色をさけた衣装に心を映して、2025年の花を惜しむ宴を楽しむのはいかがでしょうか。

偲ぶこと語れば吹雪く残花かな (稲畑汀子)

青紫の桜の染めの小紋。縦縞に麻の葉紋様が敷きつめられたシンプルで華やかなお着物。寸法もたっぷりです。

99,000円 身丈:4尺4寸 裄:1尺8寸2分 20-04-01

薄紫のぼかし地に紫濃淡の枝垂れ桜を表した錦紗の長羽織。なんとも優雅でしなやかな羽織です。

77,000円 身丈:2尺7寸 裄:1尺7寸8分  25-02-18

(左)は金銀糸に葵を刺繍した中に控えめな桜を散りばめた格調高い帯。縦に蔓帯を配し花菱の紋を織り込んでいます。

80,000円  9尺8寸 24-05-27

(右)源氏車に桜の花びらを散らした可愛い織り帯。

10,000円 9尺

 

春の装い

桜がちらほらと散りはじめました。

少しずつ季節がうつろいでいきます。

春の陽気につられて華やかに装ってお出かけしてみませんか?

ご紹介の着物は若草色の地色に遠山や春霞が暈しで施された上に大小の花々がダイナミックに描かれたお着物に、藤の花を帯で添えてコーディネートしてみました。

春らしい色合いで優しい雰囲気を演出してくれます。

この季節を美しい着物で楽しんでみてはいかがでしょうか。

四季の植物文様訪問着 66,000円(税込) (着物25-02-13)

身丈:4尺(約152cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸9分(約33.8cm)
前巾:5寸8分(約22cm)
後巾:7寸7分(約29.3cm)

鼓に藤の花文様名古屋帯 60,500円(税込) (帯21-04-26)

長さ:9尺3寸(約353㎝)

帯巾:8寸2分(約31㎝)

 

 

こちらの着物は、全体に筆で描き込まれた着物地に大輪の牡丹に可憐な野菊が描かれた付下です。

アンティークらしい色でふわりと描かれた大輪の牡丹が雰囲気を出しています。

着物の雰囲気を壊さないように合わせた帯は、抑えめな色目ながら丸帯崩しの刺繍が豪華な帯です。

現代にはない色合いの組み合わせで、ひと味違った装いを楽めるのもアンティーク着物の楽しみのひとつです。

ぜひ、店頭で美しい着物や帯をご覧ください。

 

瑠璃紺地牡丹に野菊の付下  154,000円(税込) (着物23-12-35)

身丈:4尺1寸(約155.8cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸8分(約33.4cm)
前巾:6寸3分(約23.9cm)
後巾:8寸(約30.4cm)

 

菱に花鳥風月文様名古屋帯  77,000円(税込) (帯25-01-25)

長さ:9尺8寸(約372.4cm)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)