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あなたの“指ぬき”は誰ですか? 裁縫箱の中から

縫い物はどうも苦手、という方も、こんな可愛いお裁縫箱をご覧になったら、針を手にとってみようと思われませんか?

韓国ドラマでおなじみの朝鮮王朝の女性たちのお裁縫箱です。

布・物差し・ハサミ・糸・針・コテ・ヒノシ(アイロン)を裁縫の七つ道具というそうです。朝鮮の民話にこれらのうち何が一番裁縫の役に立つかを言い争う、というのがあります。結論はみんなそれぞれなくてはならないもの、仲良くしましょう、めでたし・・・となるようです。

7つ道具の中に「指ぬき」「針刺し」は含まれていません。なぜ? お裁縫箱の中にはちゃんと・・・

韓国、欧米では、指ぬきは、人差し指の先に爪型のものを付けます。日本では中指にリング型のものをはめますね。運針の仕方もだいぶ違います。真似しようと思いましたがなかなかうまくいきませんでした。

NHKで放映中の、フランスの人気ミステリードラマ『アストリッドとラファエル』のなかで、「私はあなたの羅針盤、あなたは私の指ぬき」と二人の関係を例えています。指ぬきー針の怖さ、痛みから守ってくれるもの、この場合は、針は世の中、外の世界ですが、確かに指ぬきはお裁縫には必需品ですね。

針刺し、ピンクッションは針を保存しておくのに欠かせないアイテム。朝鮮王朝の女性たちの携帯用お針セットはノリゲ(チョゴリの飾り)のようなふっくらした丸い形。その中には髪の毛が入っていて、針を入れ保護していたようです。日本でも昔ピンクッションの中には髪の毛をいれていました。

灯屋2銀座店では、「ピンクッション募金」として浦野理一の貴重な布で作ったピンクッションをたくさんご用意しています。皆様の温かいお心をお寄せいただければ幸いです。

日々の着物

夏が少しずつ近づいてきます。

単衣の季節を目前におすすめのコーディネートのご紹介です。

ご紹介の着物は、よくよく着込まれた柔らかい縞の単衣紬です。


紬のハリ感はなく体に沿って着心地の良い着物に、爽やかな色めの和更紗の帯を合わせました。

藍の色めが鮮やかに出ていて、美しい帯でこの季節に颯爽とした雰囲気でお召しいただけそうです。

変わり縞単衣着物  33,000円(税込)

身丈:4尺5分(約153.9㎝)

裄 :1尺7寸5分(約66.5㎝)

 

2色唐草文の和更紗名古屋帯.        88,000円(税込)   (帯24-11-32)

長さ:9尺8寸(約372.4cm)

帯巾:8寸(約30.4cm)

 

もう一つのコーディネートは、少し早めの夏大島の着物です。

襦袢を色付きのものにして先取りで夏大島を着るのも、暑さの厳しい昨今には便利で過ごしやすいです。

 

 

合わせた帯は、松原工房の作品の「のし」の型染めです。

木綿地の帯なので、寛容な季節に使えそうです。

100亀甲の夏大島.      66,000円(税込).   (着物24-08-05)

身丈:4尺(約152cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸8分(約33.4cm)
前巾:6寸(約22.8cm)
後巾:7寸5分(約28.5cm)

 

木綿地 熨斗文様  110,000円(税込)      (松原名古屋帯-14)

長さ:9尺8寸(約372.4cm)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)

 

松原工房の染めワザをお聞きする会

長年工房で研さんされていた三人のお弟子さんによる、トークイベントが開かれました。

中形の型紙や糊べら、彫刻刀などの制作用具をお持ちになり、店にある作品を参考に、具体的に「地白型」や「おっかけ」「縞」「格子」の染法を伺いました。

小紋で40回位の型置きを両面に、訪問着は70枚位の違う型を使う、など詳しく具体的な解説が続きました。

糊を敷く入門に始まり、空調のない仕事場の低い長板での長時間作業や天候との戦いなど、長編ドラマを見ているような勉強会でした。

 

続編は、江戸川区から工房の記録フィルムをお借りしての上映会を6月末に予定しています。

ご期待ください。

ご来場は仕立て上がりのお召し物でいらしてください。

お待ちしております。

慶びの日に華やかさを添えて

慶びのお席に付け下げや訪問着でのお出かけが多くなるシーズン、素敵なアンティークの装いで、日常を離れた一日をお楽しみになってはいかがでしょうか。

美術鑑賞やお芝居、お食事会などの華やかなお席にもお召しいただけるお着物です。

現代にはないアンティークの深みのあるやさしい色合い、質感は、装って心踊り、まわりの皆様の視線を集めること必定です!

花ネズ色文芸文様の付下げと古鏡文様刺繍の名古屋帯

付下げは「能 熊野(湯谷)」の一場面。上前には作り物の車と中啓、下前に桜の花びらと熊野の姿を描いています。上前の文字は「山の名の音羽嵐の花の雪 深き情けを人や知る」の一部。下前に美女を配する奥ゆかしい逸品。

66,000円 24−10−12 身丈4尺1寸 裄1尺6寸8分 袖丈1尺3寸 前巾6寸5分 後巾8寸

帯は鈍い金色の地模様が気品高く、豪華な古鏡の刺繍が華やか!

66,000円 25−03−22 長さ9尺8寸 巾7寸8分

青藤色風景紋様の色留袖 龍村平蔵製玉洞夕照文袋帯

きれいな、状態の良い縮緬の五つ紋付色留袖。婚礼などのお祝い事にお召しになったものかと思います。

遠山を背景に野辺に草木花咲き乱れ、働く人々が生き生きと描かれたモダンな意匠です。現代の街々に新鮮に映る色留めです。

88,000円 25−04−13 身丈4尺5分 裄1尺7寸 袖巾8寸6分 袖丈1尺3寸

さすが龍村!金銀糸と赤みをおさえた色糸を織り込んだ豪華さと品の良さ、締め映えのする素敵な帯です。

100,000円 23−09−31 長さ11尺3寸 巾7寸9分

松原工房長板中形販売会〜アトリエだより〜

松原工房長板中形販売会いよいよ始まります。

商品は5月1日木曜日から、店内でご覧いただけます。
なお3日の初日は、5時ころより、松原工房で長く修行された与七さんのお弟子さんたちに染めの解説をお聞きする機会を頂けそうです。

販売会、お電話でのご注文は3日土曜日の11時から、メール販売は12時からとなります。

画像は定吉さんの「日本三景」 です。
この作品は、奥さまがお召しになっていたものだそうです。
安芸の宮島に天橋立、裾に松島、と、雄大な光景が、華麗に緻密に格調高く展開していきます。
新たに雪晒しをして、透き通るような白が目に眩しいです。

風薫る5月の連休にお出かけください。

売約済みの商品も、6日の祭日までなるべくお取り置きして、多くのお客さまにご覧頂けるよう配慮するつもりです。

単衣1枚、帯2本<その3>初夏にも初秋にも大活躍の紬

まだ4月というのに、汗ばむくらいの日が続きます。
銀座店のスタッフの装いも、そろそろ単衣が主流になってきました。

左て、今回はこちらの「メガネ織り」の単衣のコーディネートを2つご紹介します。
合わせたのは、外国帯2本。
ひとつは初夏に、ひとつは、ちょっと気が早いけれど9月頃におすすめの組み合わせです。

24-04-08 24-04-08 白茶色メガネ織り紬単衣  60,500円(税込)

まずは初夏、インドのチカンカリワークの名古屋帯です。

象やラクダが刺繍で描かれた帯が、アクティブで元気な雰囲気を添えてくれます。
初夏のお出かけにいかがですか?
24-04-07 インド チカンカリワークの名古屋帯    35,000円(税込)

もうひとつはウールの系で織ったラオスの帯を、秋に向けて。
浅蘇芳色の地に精緻な柄が織り込まれた帯が、メガネ織のリズムに不思議とよく合います。
小物も赤系でまとめて、かわいい雰囲気にしてみました。
ラオス浮織の名古屋帯 88,000円(税込)

単衣着物と帯で、2つの季節を自分らしく遊びましょう!

 

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その2>

1枚の着物に2本の帯で、趣の違うふた通りの楽しみ方をしてみませんか?

前回に続いて、単衣の着物の5月と6月のコーディネートをご紹介します。

●木版染め葉っぱ文の単衣
白地に木版で葉っぱの文様を描いた個性的な着物は、白とやさしい藍のシンプルな柄がモダンな雰囲気を醸し出します。

5月には…
白地に一本独鈷の博多帯を合わせてみました。
柄に合わせて焦茶の帯揚げを当て、グリーンと茶色がはいったトンボ玉の帯留でまとめたら、粋な着こなしになります。
木版染め葉っぱ文の単衣 25-04-03   66,000円
博多帯 15,000円
帯留 30,800円

6月には…

白地に水辺の花を描いた、涼しげで可憐な綴れの名古屋帯です。
やわらかな黄色の帯揚げとグリーン系の丸ぐけでまとめてみたら、上品な雰囲気になりました。
花の文様の綴れ帯 15,000円

初夏から夏は、その日のお天気や気温に合わせて帯や小物を選ぶのも楽しみのひとつです。
この季節ならではの着こなしを楽しみましょう。

単衣1枚、帯2本〜初夏のおしゃれ<その1>

東京は夏日の予想も出で、すっかり初夏の陽気です。
そろそろ単衣の用意をしませんか?
本来は6月からとされる単衣ですが、年々気温が高くなる最近では5月からお召しになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1枚の着物でも、帯を変えれば5月と6月にイメージの違う着こなしができます。
コーディネートを2回に分けてご紹介します。
はじめは、格子柄の紬です。

●飯田紬格子柄単衣
藍色系の飯田紬の単衣。
爽やかな色合いが初夏らしい着物です。

5月には…

青紫色の花と薄いグリーンの葉が、5月の清々しい風を思わせるコーディネートです。
葉っぱ柄のブロックプリントの丸ぐけに白い帯揚で、さっぱりと可愛らしい雰囲気になりました。
飯田紬単衣 44,000円
名古屋帯 66,000円

6月には…
6月も半ばになったら、そろそろ夏帯に変えてみましょう。
ベージュに細い縞が入った地に、横段の色が入った紗の帯。絶妙な色の加減が着物とリンクして素敵な組み合わせです。
帯の中から1色取って赤系の帯揚げを合わせ、アクセントに翡翠の帯留をつけて。
名古屋帯 15,000円
帯留 13,200円

気温が安定せず、何を着ようか迷いがちな季節ですが、自分らしい着こなしを楽しんでください。

 

季節の刺繍半衿ご紹介

日中あたたかになってきましたね。

着物を選ぶにも悩める今日この頃。

半衿で季節感を出してみてはいかがでしょう。

今がねらいめ藤の刺繍半衿

 

重厚な刺繍が襟元を華やかにしてくれるでしょう。

半衿を広めに出して楽しんでください。

 

柳にカエルと、薇の刺繍です。

 

カエルが柳に飛びつく様が可愛らしいですね。

春の子花とこちらも薇でしょうか。

ピンク地に可憐なアクセント。

 

最後は牡丹に唐獅子。

春牡丹がそろそろですね。唐獅子牡丹でクールに決めてみては。。

 

藤の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

薇の刺繍半衿 ¥11,000(税込)

柳にカエル刺繍半衿 ¥11,000(税込)

子花の刺繍半衿 ¥8,800(税込)

牡丹と唐獅子刺繍半衿 ¥6,600(税込)

衿元にも季節感を出して着物で街に繰り出してください!

ご来店お待ちしております。

松原工房長板中形販売会のお知らせ

荒川の流れのたもと、江戸川区で、3代に渡り創業してきた中形染めの松原工房が閉業しました。


故人となった2代目のおひとり、松原与七さんとは、我が連れ合いと共に、35年前、原宿の東郷神社で、店主、客人の関係からお付き合いが始まりました。
ウズベキスタンへの旅を共にしたり、布談義に明け暮れたり、セントバーナードのいるお宅へお邪魔したりの楽しい仲でした。

そして今回、閉業整理のお手伝いをして、松原工房の最後の作品を託されました。今、手元には、無形文化財としての定吉さんの着尺6枚をはじめ、2代目たちの着尺や帯、見本反物など約50店余りが、雪晒しなどを経て出番を待っています。中には、定吉さんの奥様がお召しになっていた木綿の訪問着もあり、解いて雪晒しに回しています。
そのほとんどが木綿であるというのが嬉しくて、たくさんの反物を整理していると、素朴であたたかく、長板中形の原点に立ち返る思いがします。
風薫る5月の連休から販売会を下記のようにはじめます。

【 5月3日土曜日より  開店11時 】
電話も受けたまわります

◇メールやご注文フォームでのご注文は、商品入荷日の店頭・電話でのご注文受付後、順次対応