あんずの付下
着物22-05-01
ご売約済
身丈:4尺1寸(約155.8cm)
裄:1尺6寸5分(約62.7cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸5分(約32.2cm)
前巾:7寸(約26.6cm)
後巾:8寸(約30.4cm)
「あんずの花は、気まぐれで、花咲く時期がわからない」という歌にもあるように、手にいれるのは、たやすくないあんずの実。
上前には、丸い実をつけたあんずの樹、下前には、常葉樹であるつわぶきが、可愛い黄色の花を咲かせた姿が、友禅と刺繍あしらいで裾模様に描かれているなんとも、洒落た素敵なお着物です。
「可愛いあんずの地色が、灰色なんだろう?」と幼稚で野暮な疑問が、浮かびましたが、抑えた色が、品よく美しい明治時代から、モダンを上手に着こなし、表現した大正時代。
灰色の現代では、渋いといわれる色は、着る人を美しく照らしていたのでしょう。
ちなみに大正2年1月に掲載されている、高浜虚子の「あんずの落ちる音」という短編があるそうです。
あんずは、現代より、もっと身近な存在だったのは確かですね。