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衣替え

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日々、気温も上がり始める5月後半。そろそろ単衣の着物を着る方も増えてきました。

「衣替え」は、平安時代の朝廷に始まった習慣だといわれています。
当時は夏装束と冬装束が定められ、中国の風習に習い年に2回、4月1日と10月1日に着替えをすることが決められていました。
当時は「更衣」と呼ばれていたそうです。

その後、衣類以外の小物類にも及び、一般庶民もこれに従うことになりましたが、「更衣」の呼び名が天皇の着替えの野間の職名と同じ事から、民間では「衣替え」と呼ぶようになったそうです。

変化に富んだ四季を持つ日本。
その四季を快適に過ごすための知恵。
温暖化が叫ばれる今、この古来からの習慣が変わらずにあり続けて欲しいものです。

早速箪笥を開け、これからの季節のキモノたちに新しい空気を…。

この夏もヨロシクね。

 首里木綿単衣 25200円
 インドサリー名古屋帯 39900円 → 5月18日更新の帯のページにて紹介しています。

代々木本店 斎藤

少しずつですが単衣の着物を紹介していきます。
単衣の着物はアンティーク着物のページをご覧ください。

よい語らい

黄八丈にラフィアの帯
-黄八丈-

伊豆七島の一つ、瓢箪の形をした八丈島の産。
猫が爪を磨くほど丈夫と言われたその織物は、それぞれの自宅で繭から紡いで糸を作り、
そして近所同士で集まって共同作業の中で色付けをするのがかつての習わし。
(現在は色づけ専門の業者の手によるそうですが…)

黄八丈の黄・樺・黒という色は、植物の命が糸への「移し替え」。そして「染め」とはその儀式。
人はほんの少し天の恵みの分け前に預かる。
真の魅力はそこにあるように思える…とある人は言う。

今回はそんな本場綾織黄八丈と、インドの布地にアフリカクバ族のラフィア織裂を縫い止めた名古屋帯を合わせてみました。

本場綾織黄八丈 168000円
ラフィアの名古屋帯 54600円

かつて黄八丈をご近所で集まって色付けする人たちの安息に満ちた、はるか遠く離れた八丈、インド、アフリカの大地の融和とも言うべき、
そしてこの着物をお召しになられる方がこれから刻んでいく未来への、「よい語らい」が聞こえてきそうです。

着物と並んで横に写っている花たち、いつも花を生ける度に自然の色の豊富さに感嘆し、そしてそのものにしかない「磁力」を感じずにはいられません。

代々木本店2階 斎藤

今週の花
トルコキキョウ
花言葉 … 希望、よい語らい