灯屋2旅行記」カテゴリーアーカイブ

インド仕入日記

インド仕入1年ぶりにインドへ出かけました。
インドでは9月に新しい布がギャラリーに並び始めるため、いつもこの時期になってしまうのですが、最近の湿度の高い日本の暑さに慣れてきたせいでしょうか、むしろインドのほうが過ごしやすく感じられるほど。

まずはインドの西の玄関口コルコタから。
コルコタ着は深夜になってしまうことが多く、数年前までは薄暗く清潔感の感じられない大都市の空港として及第していないような恐ろしげな空港でしたが、今ではすっかり姿を変え国際空港としての面目が整いつつあります。
ここでは東インドを中心に織られた、カンタワークの技術を現代にアレンジした布が手に入ります。

インド仕入続いては雑多な感のあるオールドデリーと違い、緑の多い近代都市ニューデリーへ。
ニューデリーのへそともいうべき中心地に宿を定め、シルクの紋織りや金・銀のモールを使ったザリ織、刺繍や色鮮やかな糸で織られたカシミール織などを求めます。

毎晩インドビールを片手に、チキンマサラと香ばしいナンでエネルギーを補充しつつ、たくさんの布を集めてきました。
今回仕入れた布は11月15日(水)からの「外国布と羽織りもの展 2」にてご覧いただける予定です。

パリの骨董屋

「麻の半幅帯」6月中旬に灯屋2スタッフで社員旅行に出かけた時の写真です。
パリのクリ二アンクールでお店番をしていた男性が、まるで自分の部屋でくつろいでいるかのように見え、思わず撮らせてもらいました。
正方形くぎられたそれぞれのショップは、店主の選ぶ品物でしつらわれ、お店というよりオブジェで飾られたボックスのようで、見て回るだけで愉しくなります。
もちろん買い求める事ができます。

よく食べ、笑う、楽しい旅を満喫しながら、私達にとって布との出会いも、また心躍るひとときです。
いつもとちがう場所で今度もまたちがう顔をした布と出会う事ができました。
銀座店にいらしていただけば、旅の写真やお土産話もございます。
お立ち寄りになられたら、お気軽におっしゃってみてください。

パリの街並みパリには2日間の滞在でしたが、はじめてパリに行った私は、オペラ座周辺の建物に圧倒されてしまいました。
歴史ある建物が、同じ高さでずう~と並んだオペラ座の通りに言葉がでないまま・・すっご~い としばし感動です。
遠く時を距てた場所に心は、一瞬にしてワープしてしまいました。
日本も古き良き建物を後の人達にもっと残していければよいのにな・・という思いも胸に込み上げます。

今回は、着物を持っていきました。
パリで?と思った時に迷わず選んだのは、明治時代の薄い藍・江戸小紋と小袖くずしの開き名古屋帯。
いつもより衣紋を抜き、衿元はすっきりと華やかにしたくなり、そうなると胴前もかなり広めにして、と着こなしました。この着方、心地よくて、はまりそうです(笑)
晴天ののみの市をゆっくりと着物で歩きました。
日本の染色の美しさをよろこんでいるのは、彼らの笑顔で感じ、メトロで出かけたオランジェリー美術館では、フランスのお嬢さんから「あなたの、着物は、美しい」と日本語で言ってもらいました。

そう日本の着物は、美しい。 
私も、胸をはって、そう思いました。 

銀座店 白井

外国布を求めて

ウズベキスタンの民族衣装「ハラト」

トルコとウズベキスタンの布を求めて、イスタンブール、ウスキュダルへはるばる行ってきました。

トルコの7月は湿気が少なく、陽気な暑さの中をトラム(路面電車)に乗り、どんどん歩きまわりました。

もちろんガラタ橋下の鯖サンドも食べてきましたが、イスラム教国のためビールを気軽にあおるというのがなかなか容易ではなく、熱いチャイで気合を入れるという毎日でした。

絣と刺繍、カシミール織りのアンティークから現代のものまで、思い描いていた布たちを9割がた見つけることができたかなとなかなかに満足しています。


今回のウズベキスタンで仕入れた布たちこれらの色やデザインは本当にダイナミックで美しく、いつも目を奪われてしまいます。

9月にはインド、ラオス、タイの3カ国5都市を廻って、また布集めの旅に出る予定です。

これらの布たちは11月に開催予定の「外国布展」にて、皆さまにご覧にいれる予定でおります。
どうぞ楽しみにお待ちください。

灯屋2店主 渋谷

インド、タイ仕入れ日記 その1

灯屋2と十五人の趣作展には、たくさんのお客さまにご来場いただき本当にありがとうございました。
スタッフ一同心より御礼申し上げます。

展示会の商品紹介などが間に入りましたため、時期を置いての掲載となりましたが10月に店主渋谷とインド・タイに行ってきた仕入れ日記をご覧ください。

「灯屋2の外国布の帯はこんな風にして日本に来るのね~」と面白おかしくお読みいただけると幸いです。

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10月13日 初日

今年は銀座店の移転などもあり、インドへの仕入れ旅行は丸1年ぶり。
空港にいる時から、気持ちはすでに布との出会いに心を躍らせていました。

16時55分ほぼ定刻に成田を出発!

まずはバンコクまで6時間半、いつもは朝便なので夕方便はちょっと新鮮です。
今回はタイ航空を利用しているので、いつも利用する唯一の直行便エアインディアにはついていない設備があり(笑)、好きな映画を見ることができるのでちょっと得した気分。

21時25分バンコク着成田から6時間半(日本との時差は2時間)

いよいよ1年ぶりのインドへ23時45分バンコク発コルカタ行きの搭乗口に行くと「ほら、もうインドにかわったよ]と渋谷が笑いながら言います。
ふと見た私の頭の中に「チャラララ~ン♪」とインドの弦楽器が鳴り、思わずアテンダントに「ナマステ~」。
視覚、嗅覚は、一瞬に場面をかえる力がありますね(笑)。

14日AM00時45分コルカタ着(日本との時差は4時間)
ちょうど1年前の昨年9月ここに降りた時はインフルエンザが大流行で白衣を着た人に体温を検査されました。
今日は静かな空港でチェックを受け入国します。
プリペイドタクシーでチケットを購入し真夜中のコルカタ空港でタクシーを探します。

油断したつもりはないが、「OK!OK!」と言われタクシードライバーの後について行きました。
んっ? ちがう~!!「NO!NO!NO!」とスーツケースを引きながら明るい方へ戻ります。

実は、私まだこの街がカルカッタと呼ばれていたころ、はじめて空港に着いた時に魔法にかかったようにタクシー運転手について行き、10倍くらいの運賃を払わされた経験があります。
今は改築されてきれいになりましたが、14年前のあのシーンは鮮明に憶えています。
このやりとりでインドに着いた事を実感。

そうこうしながら無事ホテルへ到着したのはAM2時20分。
すみやかに就寝です。

明日はどんな布達に出逢えるでしょう楽しみです。

銀座店 白井

インド、タイ仕入れ日記 その2

羽織になるかな

10月14日 仕入初日

コルカタでの一日目昨晩は到着が真夜中、今日は、1軒に行くだけなのでスタートは11時からとゆっくりです。
以前にもお話しましたが、今日向かう所は、インドの美術工芸を志す者達を支援し手工芸で作られる美しい布達を生み出しているお店です。
ここに行く為だけに貴重な時間を使います。

1年ぶりの来店にスタッフが本当にうれしそうに迎えてくれ私達もリラックスして布との出会いを楽しみます。
ちょうどよいところにボディーがありました。羽織になるか・・・と創作中!

コルカタの町にあるこの部屋だけは、まるで別世界。
しずかに流れていく時間の中で没頭しているとランチはどうする?と普通に聞いてくれます。以前もおいしいお手製ランチをいただきましたが、空港まで余裕を持って
行きたいのでチャイをいただきながら仕事をすすめます。
そうこうしている間に迎えのタクシーがくる時間です。安心してタクシーに乗りスムーズに飛行機に乗り込むはずだった・・・

カルカッタの交通事情

外に出るとお祭りでサリーを着た人達で町は溢れていました。
タクシードライバーは、インドでは会った事のないとてもおとなしいタイプの人でクラクションの飛び交う中を消極的に走ります。
何度もブレーキを踏み、進んでは止まりもちろんスピードは出しません。
急いでください!と頼もうとしましたが、幅せまくハンドルを持つ手はぎゅーと緊張しています。
隣に乗った私は何もいえず・・・エンストした車を横で見ながら間にあうかな・・・とひとりごと。

なんとか空港に着きチェックを受けるカウンターまでたどり着くとずらりと並んだ列は止まったまま進みません。
・・・もう定刻の出発15分前です。

空港にて

この写真のあともう待ってはいられない!とインド女性達は自分のバックを高々と上げ私が先よ!!と抗議をはじめました。
まるでモーレツなバーゲン会場のように小柄な私は、もみくちゃになりました。
・・・もう笑うしかない。

無事に飛び立ち1時間近く遅れてデリー空港に到着。

明日から、2日間はニューデリーで過ごします。

インド、タイ仕入れ日記 その3

10月15日 2日目

今日から2日間デリーでの仕入れです。
今回のホテルは初めての所ですが、いつもと同じでとても便利な所。
ニューデリーのホテルは料金がとても高く、東京で宿泊するのと同じくらい・・・1泊2万円とかは意外と普通の値段です。

ビーズを売る少女朝10時にはお店が開いているので一番乗りで馴染みの店へ何件かのお店を歩く途中、ビーズのネックレスを売っている7歳くらいの少女に出会いました。
いつもなら笑顔で通りすぎるところですが、ふと友人の娘に届けたくなりじゃあ、3つね。と言うとあなたには5人友達がいるでしょう!と積極的に販売(笑)されたところです。
細い腕にビーズをいっぱいかけてもう片方の手を精一杯大人の私の肩に伸ばしています。
ちなみにひとつ20ルピー日本円で40円です。
切なくなるような私の気持ちとは逆に少女は胸を張って笑顔です。
さあ、では私達もがんばるぞ!

この日は、その後8軒ほどまわりました。
実は去年代金を払って品物を忘れてきてしまうという大失敗を私はしてしまいました。
たくさんのお店をまわる為、品物は後でとりに来るから用意しておいて~とそのまま日本に帰ってしまったのです。(お恥ずかしい)

さて1年ぶりの今日お店の人は私達を見るなり「あ~っ!!」やっと来たと大喜びしてくれました。
あの日彼はホテルにまで電話してくれたそうです。
すみません・・そして本当にありがとう!!

暗くなってからお楽しみのカレー屋さんに行きました。

ひとつ食べたいカレーがあるのよと今日1日何事もなかったかのように軽やかな声で渋谷が言います。
毎回驚かされる渋谷の方向感覚。
お店のあかりしかないデリーの町をこっちだと思うなあともう歩きだしました。

お楽しみのビールをめざして・・
デリー1日目おつかれさまでした!

インド、タイ仕入れ日記 その4

10月16日 3日目

デリー2日目の今日は車を利用してお店をまわります。

毎回新しいお店を探しますがなかなか見つからないものです。
かといってお客様のリクエストで前に買ったのと同じ物をと思っても、前買ったお店にもう置いていないので本当にその日その時の出会いです。
デリーでの仕入2日目写真のお店は今回がはじめての所、青年が2人のベテランさんから指示を出され棚から出しそれを広げてみせるという段取りです。
約50枚くらいのサリーを次々にどうだ!と見せてもらうので、こちらも集中して選びます。
誇らしげに、とてもいい品物だよ!という彼らの笑顔につられていいかなあ?と思う時もありますが、
よくよく考えてその中で3、4枚買いました。
商談の後は、おいしいチャイをいただきます。
ひと仕事後でなんだかみんなほっとしています。

余談ですが、渋谷の後ろにあるのはマネキンです。なんだかなつかしい(笑)

タクシードライバーには、時々リクエストしていないお店に連れて行かれます。
ここちがうじゃない!と言いつつも布があるとまあ、見てみようかと入ってみるのが私達。
今回はそんな風で思いがけず買えた物もあり羽織やコートがつくれました。
昨日と同じく9軒くらい行った所で、羽織に使う足りない布を探しにドライバーのタイムリミットまでの30分を急ぎます。
デリーに来るとかならず走ってます。デリーの空港にて
スーツケースを預けてあるホテルに戻ったのが、20時。
今日はバンコクまで23時30分の便なので最後にカレー屋さんによって出発です。

夜になったデリーの町をリクシャーで駆け抜けいつものようにおつかれさまでした~

タイからインディアンエアーに乗り換えた時とは逆に今度はお坊さんがいらっしゃいます。
小雨のバンコクに着いたのは、朝5時25分、軽く仮眠を取っていよいよ最後の仕入にでかけます。

インド、タイ仕入れ日記 その5

仕入の前に腹ごしらえ10月17日 最終日
今日はタイでの仕入れです。

実はタイの屋台で食べるのをインドへ行くトランジットの時から楽しみにしていました。
魚のすり身とパクチーが入ったさっぱり麺に辛味を効かせて、なんとも楽しくなるおいしさです!!
午前中ですが、並んで待つ人がいつもいる・・という事はおいしい店というのは万国共通ですね。
インドの食事も捨てがたいですが、やはり私にはタイ料理のほうがあっているのを実感します。

この中から好みの生地を探します バンコクでの移動は、BTS(通称スカイトレインというモノレール)を使います。
今日は、ジムトンプソンに行きます。

ロールになったたくさんの布を前にインドとはまた違ったスタイル。

この後有名なバンコクの渋滞にまきこまれながら、辿りついたお店で、ラオスの80年くらい前の布が買えました。
アンティークのよい物がなかなかみつからないのは、日本、外国も同じです。うれしい~!!

インドほどまわるお店はないのでこの日は3軒で終了!
楽しみにしていた大好きなタイ料理をいただきます。

ホテルの出発は、午前5時。さりげなくおいしいパンとお茶が用意されていました。
お客様への心使い私達もこうありたいと常々思っています。

タイスワンナプーム国際空港より無事成田空港に到着。
こうして現地4泊、機内1泊の弾丸仕入は終了しました。

こうして外国布の帯は日本にやって来るのだと思いながら銀座店に並ぶ商品を見ていただければ、また違った愛しさも感じられるのではないでしょうか。
まだまだ書ききれないことがたくさんありますので、お店にいらしたときにはもっとお話しさせてください。
どうぞうるさがらずにお願いします。(笑)

ご来店心よりお待ち申し上げます。

銀座店白井葉子

インド仕入れ旅行 その4

デリー2日目

今日は車を利用してまわります。
ドライバーはいつも笑顔の小柄なシャシィ。 
「デリーは遠い」という言いまわしがあるほど、今もインドの田舎に住む人達の中には豊かで進んだ生活を夢見て中央都市デリーにやって来る人達がたくさんいます。
彼もはじめて会った時は、結婚したばかりで花嫁は遠い故郷で離れて待っていると言っていましたが、再会の挨拶代わりの嬉しい知らせに「赤ちゃんが生まれ、奥さんも一緒にくらしている」とのこと。
頑張って夢を少しずつかなえていく彼の姿を感じ、私たちも元気をたくさんもらうことができました。

昨日回ったお店は10軒ほどでしたが、今日はこれから夕方までに6軒の予定。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、デリーの交通事情は日本とはずいぶん違い、時には公道でのレースさながら…
タクシーの後部座席とは言え、手に汗握る場面もしばしば。

広いインドでつくられている布には、各地方でのさまざまな技術、種類があり、店によってそれぞれ得意な布が異なります。
インド更紗、カシミール、ベナレスシルク、カンタワーク、カッチのミラーワーク、サンガネールの型染め、絞り…
まだまだあるでしょう。
それを1軒1軒回って布を集めていくのですから、2日で16軒のお店めぐりというのもお分かりいただけるはず。

今日見るお店は少し離れた所にあるので大きなビルが多く、その中にはインド最新の洋服、アクセサリーを扱うお店もあります。
4年くらい前までは、インドにいる間に洋服姿のインド女性に会うのはほんの数人で(女性はほとんどサリーを着ていました)が、ここ何年かは若い世代にサリー姿のほうが少ないようにさえ感じます。

布を捜索中の渋谷


寒い国へ来たのかしらと思うほどのエアコンが効いた大きな建物の中を何軒かまわりますが、1日目と同じように納得いく布にはなかなか巡り合えず、仕事は思うようには進みません。
タクシーも渋滞に巻き込まれ、遅々として進まず…
デリーでは時間だけが進んでいるような錯覚にとらわれることもしばしば。

そこで、予定を変更する事に。
シャシィに渡していたリストにはない所に行くことにしたので突然の事に驚いていましたが、「OK!」といつもの笑顔で車を走らせます。ルート変更のおかげで(前回の仕入れ日記のランチ)の店に通りがかり、おいしいサモサを買いました。
私達もランチは食べていないけれど、シャシィもお腹がすいたでしょう。サモサに大喜びです。
やっと昼食のサモサを購入


残り時間はあと2時間、なんとか目的の店に到着。駆け足で階段を上ります。
のんびりチャイを飲んでいた店員さん達もみんな店から飛び出してきました。
予定変更の甲斐ありでした!
最後の店で

 
実はこの後に もう一度ホテルに戻り、昨日行った店に寄らねばなりません。

時計をチラリと見ながら シャシィが車をとばします。

一番最後の店で渋谷が会計をしている間、待ち合わせを過ぎてしまう事をシャシィに知らせにひとり外に出た時たくさんの車が並ぶボンネットにお猿さんを見ました。
私は足がとまってしまい、見つめあいました。
次の瞬間、高い屋根に飛び上がり姿が見えなくなりましたが、後で聞くと少し離れた場所にたくさん生息しているそうです。

店に戻ると、今度は店員さんが私よりびっくりした顔をしています。
笑っている渋谷にどうしたのと聞くと、年齢を聞かれたので答えたらしいのですが、あまりに予想と違った様子。
驚いている彼に、予想を聞くと「38歳」とのこと。
本当にそうだとしたら、それは驚くことでしょう。
まあ、多少のお世辞もあったにしても、インドの男性もなかなか言うもんです…

笑いながら店を出て、今度はデリー国際空港に向かいます。
ちょうどラッシュアワー。カーレースの再開です。
インドのカーレース


少しほっとして ランチに買ったサモサを食べました。
もう暗くなった窓から見える延々と続く車。
バイクに三人乗りをして家路に向かう家族。
横を過ぎるバスは埃まみれでボロボロです。
なかでも、小さな子供が大きなお父さんの背中にしがみついていバイクに乗ってる姿が今も目に焼き付いています。

みんながんばって生きているんだなあ、日本も昔はこうだったのかな、なんて…
その中から生まれる物だからこそ(もちろんマハラジャもいますが)、私達の心に何かを感じさせてくれるのかもしれません。

インドの女性に纏われるサリーが海を渡り、日本の女性が着物として纏い、帯として身に付ける。
なんとなく不思議にも感じるけれど いつの時代も美しくいたいと願うかわらない女性の心が生む神秘かもしれません。

翌朝 成田空港に無事到着。
日本は心地よい秋晴れです。

渋谷は着いたその日から、創作漬けの日々に入りました。

3日後の26日からの展示会で、インドの布から仕立てた帯も会場に並びます。
皆様のご来場、心よりお待ちしております。

             

                               銀座店 白井 葉子

インド仕入れ旅行 その3

デリーの朝


いよいよ デリーでの仕入れです。
よし 行こう!とホテルを出たもののまだ午前10時前。もう開いてる店はないかと歩いてさがします。
交通量の多いデリーですが、この時間は少し穏やかです。

開いてる店を見つけて、まだ静かな店内に入るとずらりと布が並んでいます。
たくさんあっても気に入るものはなかなかありません。

朝でもデリーは日射しが強く、渋谷は日傘、私は大きめの帽子をかぶって早足で先を急ぎます。
どの店でも渋谷の顔をみると久しぶりの来店に歓迎を受けます。
何か良いものがあればと探しますが、私達の要求を満たすものにはそう簡単に出会えず…根気よく探して回るうちあっという間に3時半。すでに5時間以上もデリーの街を歩き回っていることになります。
なんかお腹が空いてきたような気もしましたが、今日中に必ず行きたい2軒を目指します。

残り1軒になった所で時間があまりなくなってしまいました。
デリーの町を(荷物を入れる為の小さなキャリーバックを持っているので) からからという音とともに20分近く小走りで駆け抜けます。
道を熟知している渋谷は背中が小さくなっていくほどの速度です。
空腹と暑さの中、走りながら思わず笑い出していました。
デリーでの仕入れ風景

店に着くと、他のお客さまには許可されないスタッフエリアにいつものように どうぞ とカウンターを開けて通してくれます。
この店にあるサリーは デザイン、布ともに洗練され高品質。
実は閉店時間を30分間違っていて、急いだおかげで ゆっくり選ぶ事も出来ました 。
出来上がりを想像するとうれしくてうれしくてまたひとり笑いです。
お腹がすいたわね! と最後に目指すは カレーの美味しいあの店。

今日はじめてのリクシャーで風を浴びながら明日でインドを離れるんだなぁと…
ふと淋しいようなデリー1日目の終了です 。