タイ・インド仕入旅行 その2

カルカッタの人の波

チェンマイからバンコクを経由して、インド東部の町カルカッタに着いたのは夜2時。
とりあえず眠い目をこすりながら、何とかホテルにチェックインしたのはすでに3時を回ったころ…
もうほとんど早朝と言っても良い時間です。

やっとベッドにもぐりこんだのも束の間、7時には起きて朝食を取ってカルカッタの街に出発。
カルカッタでの目的のお店はたった1軒。
その1軒を目指して行くものの…


渋滞でなかなか動かない車いたるところ人、ひと、ヒトだらけ、そして長い長い車の列。
ホテルからそう遠くないはずのお店まで、日本では想像もつかないような時間がかかります。
この強烈な人と車の多さに、何よりインドに来たことを実感させられます。

インドで一番体力を使うのがこの移動。
外を歩けば40℃を超える暑さと陽ざしに、タクシーに乗っても壊れているのか、エアコンらしきものから吐き出される熱風に体力をどんどん奪われます。


至福の時間 カルカッタでの仕入1時間余りの移動ののち、やっと目的のお店に到着。
いざ仕入れが始まってしまえば、エアコンも効いているし、チャイも出してくれるし、何より素敵な布を探すことができる至福の時間。
さらに、もう何年もこの店に通っている渋谷は、カウンターの中に入って好きなように布を出してみることが許されています。
現地の人ですらカウンターの外側から店員に布を取ってもらわなければならないので、他のインド人からは不思議そうな目で見られていますが、そんなことはもちろんお構いなし。時間の許す限り布を探します。

このお店は時代の流れの中で失われつつあるインドの伝統的産業を復興させるべく、優れた職人達を集め伝統の技術を現代に調和するように教え、良いモノを作らせて正当な値段で売ることで大勢の職人達の生活を支えている女性活動家が経営するお店です。

織物、染め物、数々の布を広げ、眺めていたらその美しいさにため息が出ます。
国内はもちろん世界の有名なデザイナー達のニーズに応える製品を作り上げるまでの道のりは平凡ではなかったでしょう。
現在は布だけでなく音楽、演劇、踊り等文化全般に力を入れているそうです。

どの国も自国の伝統文化を愛し、守り、育てていくための運動が行われていることを頼もしく思い、そしてその恩恵にあずかれることはとても幸せなことだとつくづく感じます。

カルカッタでの滞在時間は約20時間。再び機上の人となり、インドの首都デリーを目指します。
 
アトリエ担当 森

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