三月大歌舞伎座第三部出演 坂東玉三郎

三月大歌舞伎も、二月に続き人気の玉三郎丈、仁左衛門丈が出演、満員が続くお客様の入りとなりました。

玉三郎丈は三部で、Aプロ「隅田川」とBプロ「雪」と「鐘ケ岬」に出演しますが、メインはAプロです。

「隅田川」は、能を基にした梅若伝説の清元の舞踏劇。 

さらわれた子を求めさまよい、そして、その子が亡くなったことを、隅田川で知ります。

埋葬されている塚を、打ち掛けで覆い、抱きかかえ、嘆き悲しむ様子には、思わず涙が・・・。

全身白といっていい着物姿で、呆然と立ちすくむ斑女の前(玉三郎)。

鳥の声を子供の声だと思い、子の姿を求めてさまよう姿。玉三郎の美しさが、悲しみをより深いものにしています。

全編、悲哀に包まれた物語ですが、舟長(鴈治郎)の暖かいまなざし、清元のせつない音楽で、幽玄美に溢れた舞台となっています。

27,28日はBプロ、千秋楽の29日が、隅田川になります。

 

歌舞伎でもお衣装で美しい織が、取り入れてられていますが、お写真の付け帯は、江戸末期の金蘭。

その品格と美しさに、心まで華やかになる綺麗なお色です。

おさえた江戸小紋に、よく似合います。

四月の歌舞伎座第三部は、「桜姫東文章」で人気の「元孝玉コンビ」復活です。まさか、また観られる日が来るとは、夢のようです。

今、歌舞伎座は三部制で、観劇前後にお時間があります。是非、灯屋2銀座店にもお立ち寄りください。

21-03-25 金蘭付け帯132,000円(税込)