月別アーカイブ: 2025年10月

ブロックプリントーカラフル、ラブリー“ cotton”World

インドサリー受注会の熱気冷めやらぬ銀座店から、超ラブリーなブロックプリントのご紹介です。

カラフル!ラブリー!インドからやって来た愛すべきcottonで、襦袢の替え袖をお作りします。

あまりの可愛さにチョッと袖口からのぞかせたいくらい、わたしだけのオシャレ、アレコレ着物との取り合わせをイメージすると時間の経つのも忘れます。

綺麗な色目、お着物としっくり溶け込む色合い、きっぱり目に立つ取り合わせ、色々さまざまお楽しみいただけるブロックプリントがナント19種類! 豊富に揃えて皆様をお待ちしております。

おそろいの、帯あげ、半襟もご用意しております。

単衣替え袖:13200円 無双替え袖:18000円 帯揚げ:5000円 半襟:1800円

日々の着物

遅ればせながら………秋めいてまいりました。

風が秋らしくなると、柔らかものに袖を通すのも良いものです。

ご紹介の着物は、地紋に竹が織り出されていて裾に愛らしい雀達が描かれた付下げです。

竹に雀の意匠は吉祥柄なので、一つ紋がついておめでたい場面でも使えそうです。

清く青い着物が澄んだ秋空に映えそうな一枚!

付下げに合わせたのは、松原工房作の型染めの帯です。

丹殻で染められた絶妙なベージュの色目と、モダンな菊と琴の図柄が季節感を演出してくれます。

秋のイベントやお食事会へ、オシャレにお出かけしてはいかがでしょうか。

 

瑠璃色群れ雀文様付下 198,000円(税込)   (着物25-10-10)

身丈:4尺1寸5分(約157.7cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:9寸(約34.2cm)
前巾:5寸7分(約21.7cm)
後巾:7寸5分(約28.5cm)

 

松原工房 琴菊文様の名古屋帯 110,000円(税込) (帯25-09-17)

長さ:9尺2寸(約349.6cm)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)

個性派帯で秋のコーディネイト遊び

10月も半ば、秋本番です。

今週登場したバティック帯は、個性的で大胆な色と柄が印象的です。

ペカロンガン バティック名古屋帯 25-10-24
66,000円(税込)

どんな着物を合わせようか、考えるのが楽しみなこの帯で、秋らしいコーディネートアイデアをご紹介します。

まずは単衣の紬に。
墨色に緑の蚊絣とからし色の横段が入った紬を合わせてみたら、ちょっと粋な感じになりました。
黄色系の丸ぐけでポップに仕上げて。
単衣紬 24-05-40  110,000円(税込)

格子の柄にもマッチします。
格子柄の紬に当ててみると、可愛らしい雰囲気に。
オレンジ系の挿し色で元気な雰囲気です。
格子柄袷紬 132,000円(税込)

最後は、シックに無地の結城を。
秋が深まる頃には、深い茶色の結城紬でぐっとシックにまとめてみてはいかがでしょう。
一つ紋付本場結城紬  24-12-36   88,000円(税込)

着物1枚に帯3本、とはよく聞きますが、帯1本でも色々と楽しめます。
秋の心地よい季節に、着物のおしゃれを楽しんでください。

 

銀座スタッフ“インド布愛”紀行 3

デリーへ−−宝探しの旅は続く

首都デリーに近づくと、日本でも見慣れた風景、高層ビル、マンション群、大都会はどこでも似た顔なのでしょうか?

それが夜になると一変、人と物に溢れた活気ある姿に変貌します。

路面のshop以外に、道の両側に所狭しと並ぶ露店、屋台・・・食べ物、衣類、アクセサリー、よくわからない不思議なお店。スタバやマック、ケンタもあり。

カップル、家族、友達、大勢の日旅とが行き交うエネルギーとパワーに圧倒されました。このエネルギーはどこに向かうのだろう!

交通ルール(あるのかなぁ?)を無視して自己主張する車、バイクを避けて通りを渡るのはたいへん! 旅行者はインドの人々の背後について必死で渡る・・・

オシャレな布を求めてshopを回ります。

サリー、ブロックプリント、カシミールショール、デリーで仕入れた布の一部です。

可愛いものがたくさん見つかりました。

「何メートル?」

「あるだけ」

店に人もついに「あるだけ」という日本語を理解、楽しい会話がはずみました。

インドで見なかったもの、見つからなかったもの

乳母車を押す女性

女性ドライバー

郵便ポスト

コンビニ

マスクをした人

女性の労働力率は25%という数字がありますが、実態がよくつかめません。都市部の働く女性は中間層以上がほとんどで、家庭ではメイドを雇って家事を任せているようです。(ただし料理だけは自分で)

世界第2位の食料生産国であり、国土の半数を占める農用地、農業従事者は労働人口の半数。こんな農業大国で、農家の多くは貧困を抱えている、ここにもカーストの名残が大きく弊害となっているのかもしれません。

統計数字だけを見れば大変な経済大国ですが、国民所得はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア、サウジ、エジプト、アラブ首長国、エチオピア、インドネシア、イラン)11カ国中下から2番目!

近年のIT産業の発展はカーストを打ち破るのに役立っているとの見方もあります。大きな矛盾と大きな夢を抱えて、この大国の未来が良い方向に向かうように祈らずにいられません。素敵布がなくならないことも。

銀座スタッフ“インド布愛”紀行 2

ジャイプルの栄光−−マハーラージャの遺産

9月18日コルカタを離れジャイプルへ。ジャイプル藩王国の藩王(マハーラージャ=マハラジャ)はインドがイギリスの植民地化したイギリス領インド帝国時代にも、イギリスに対し税を納めるなどする代わりにある程度の自治が保障されていた、ということで、インド的(ヒンドウ的)なものが色濃く残っている、のだそうです。

ジャイプルの旧市街は“ピンクシテイ”と呼ばれるように町中がローズピンクに塗られたおっとりした趣です。

1876年ィクトリア女王の息アルバート王子の訪問を歓迎して街をピンクに染めたのが今現在の街の景観を形作っています。

ジャイプル藩王はヒンドウ教を信奉し、ムガール帝国の直轄領を経て植民地となったイスラムの都市と比べて古いインドを残しているようです。

王族一家は1947年のインド独立後も旧市街の「シテイ・パレス」にお住まい、博物館も併設し公開されています→インスタご覧ください。

アグラでタージ・マハルを堪能しましたが、これはムガール帝国時代のイスラムの遺産。

ヒンドウー教とイスラム教、この二つの宗教は現代のインドの政治、経済、暮らしに大きな影を投げているようです。

ヒンドウー教は紀元前300年頃にはカースト制度とともにインド社会に存在したようです。そのカーストに生まれた現世を生きることによって輪廻からの解放を求めるその教えは深く深くインド社会に浸透していったようです。

イスラム教は8世紀にはインドに入り、13世紀初頭からムガール帝国時代に全インドに広がり、ヒンドウーとの融和と対立を繰り返し、イギリス支配に対する反英闘争にも様々に関与、最終的には1947年のイギリスからインド連邦とパキスタン・イスラム共和国に分かれて独立し、その後もカシミール地方の帰属をめぐり現在も紛争中であることは度々報じられています。

インド国内のヒンドウーは約80%、イスラムは15%。インドには「少子高齢化」は存在しないようですが、今後人口構成がどうなるか、カースト制度との関係もあり、予断は許せない状況と思われます。

銀座スタッフ“インド布愛”紀行 1

麗しのサリー、優しいカシミール、可愛いブロッックプリントを求めて

インド? 古代日本人が憧れた仏陀の国天竺? かつてバッグパッカーが自分探しに旅立った瞑想の国? 0(ゼロ)の発見の国?インドの数学者が0の概念を発見した7世紀は、玄奘三蔵が仏典を求めてインドに渡った、その頃日本は聖徳太子の時代・・・バラバラな情報、ワクワクと不安を抱えたまま、10月17日、1984年暗殺された首相の名を冠したデリー、インデイラ・ガンジー空港着。その広さに驚く。国内航空に乗り換えコルカタへ深夜着。

ここから“インド布愛”旅が始まりました。

コルカタの街を車の中から見ながら、お馴染みのshopへ。

街は人の熱気にあふれ、牛、ヤギ、犬も歩くパワーに圧倒されました。

ここでサリーの仕入れめくるめく、は決してオーバーな表現ではなく、美しいサリーの渦。色も質も刺繍、カンタワーク!目が回りそう!

早速心奪われ、時間も忘れ・・・(→インスタをご覧ください)

これらの布はどこから生まれるのでしょう?

インドは世界第7位の国土、第1位の人口、GDPは4位(日本=5位)、第6番目の核保有国

繊維産業は世界第2位、世界の繊維生産量の10%を占め、綿花生産、伝統的な手工芸、近代的産業インフラをバックに、インド経済の重要なハシラになっているようです。

シルク生産量は世界第2位。家蚕、野蚕どちらもあり。

綿花は世界第3位、14%、綿糸、綿布の紡織品生産量は中国に次いで2位。

繊維輸出額は世界6位、350億米ドル、2030年までに1000億ドルを目指しているとか!

繊維産業はインドGDP23%、工業生産高の7%、4,500万人の雇用をうむ基幹産業で、まだ発展の余地があるようです。

手工業で布を織る業者から大資本の先進的工場まで、生産形態は多様で、紡績、織物、染織、プリント、衣料製造に至っています。

街の中で、サリーを着た女性を見かけました。日本の和服着用率よりだいぶ高いのでは?と思います。

インドサリーは世界でもっとも古くから着られた民族衣装の一つで、今でもインドの75%以上の女性たちは、晴れの日だけでなく様々な場面でサリーを楽しんでいるそうです。

布にハサミを入れることを嫌う宗教的理由からと言いますが、5〜6mくらいの1枚の布を体に巻きつける着方もいろいろで何十通りもあるそうです。

都市部では“パンジャードレス”というカジュアルなサリーが日常の暮らしでは愛用されているようです。

灯屋2銀座店では今回仕入れたサリーから、個性あふれる素敵な着物、羽織などをお作りする予定です。ご期待ください。