月別アーカイブ: 2018年9月

収穫の季節

稲の刈入れ風景染名古屋帯この時期になると出てくるのが、稲文。
実った稲は豊穣の秋の喜びです。

こちらの名古屋帯は、里の秋。
一家総出で、稲を刈り束ねて干したり、豆を打ったりと大忙し。

稲の刈入れ風景染名古屋帯
懐かしい情景が繰り広げられています。
あたたかみのある絵の所々に刺繍も加えられ、細やかな描写。
おもわず目が離せなくなる、瑞穂の国の原風景です。

稲の刈入れ風景染名古屋帯 (帯15-9-46) 40,000円+税

久留米絣単衣に茶地稲穂に雀名古屋帯実った稲に喜ぶ雀たち。
鳥おどしの鳴子も、まるで一緒に楽しんでいるよう。
紫の野菊が美しさを添える縮緬の染名古屋帯。
素朴な久留米絣の単衣と合わせてみました。
これから便利に活躍します。
まずは肩の力を抜いて、秋をお楽しみくださいね。

茶地稲穂に雀名古屋帯 (帯13-10-25) 58,000円+税
久留米絣単衣 60,000円+税
身丈:4尺(約152㎝) 裄:1尺7寸(約64.6㎝)

海老沢

インド布の旅2018 再びバナーラシーへ

バラナシサリーを選ぶ昨年のインド仕入れで出会ったマハラジャの黒いサリーが、我々を再びバナーラシーへと誘いました。

しかし現実はなかなかに厳しいもので、ホテルから続く、すばらしい(?)小径を数百メートル歩かなければ車に乗ることもできません。
車に乗っても人や動物優先でなかなか進まず、やっとのことでお店にたどり着いても、心ときめく出会いがそうそうあるわけではありません。

そこで翌日、去年マハラジャのサリーに出会った、あのファクトリーへと向かいました。
今回は、昨年いた当主の叔父さんが対応。

色々見て判った事は、我々の好みは店頭にあるような最近の物ではなく、屋敷の奥に長く眠っている宝物のような布だということ。
所が困った事に、この叔父さん、それらのサリーに対する愛惜の念が深すぎるのです。
虫食いあり、色焼けありの布なのですが、そこは売る者と買う者、両者ガップリ四つに組んで、長い戦いが始まりました。

選ばれたサリーお互いに物の価値が判っている、どちらもいい商売につなげたい。
相手の手中が判っている中での、10倍も違う希望価格を調整していかなくてはなりません。
こんな場合は、だんだん詰めて行ってお互いの真ん中を取るのですが、余りにも離れていて到達すべき金額が予想できない。

水を飲んだり、トイレに行ったり、庭に出たり。
最後に、お互いいくらだったら商売できるかで決めようと言われて、はっとしました。
なるべく安く買おうというのでなく、本当に欲しいのならいくらまでなら買えるのか、正直に口にした価格は、向こうの希望価格とはまだ相当違っていたのですが、それで良し、となりました。
1枚の布を手に入れるために、ほぼ2時間あまり…
そんな事が楽しくて面白いのです。

ホテルの宮廷舞踏家最後の夜は、少し気張って、リバーサイドのヘリテージパレスホテルという、260年前のマハラジャの邸宅跡のホテルに泊まりました。
4階まで吹き抜けの中庭の天井に、ドーム型のガラスの屋根が付いていて、ライトアップの中、音楽が響いてインドの古典舞踊が始まりました。

美しいサリーたちが舞っていました。

インド布の旅2018 コルカタ あのギャラリーへ

コルコタで布探しインドの首都デリーから飛行機で3時間コルカタへ移動しました。
デリーでの予想以上の収穫に、高揚した気分でのフライト。
昨年は乗り遅れて散々だった事を思い出しながら…

コルカタに来るのは、一軒のお店で木版ブロックの染め、カンタワーク、オリジナルデザインのサリーを探す為。
空港も快適になり、市中の動物たちもいなくなり、ハイウェイも一部できていましたが、街路の混沌は相変わらず。
しかし、一歩店に入るとさっきまでの熱と音に包まれたコルカタの街からは、別世界が広がります。

いつも用意してくれるランチ穏やか空気と彩りの中、昔ながらに手間をかけてつくられた布達の中で着物にどうか…羽織に…と丸1日の布探しです。
フレンドリーなスタッフが、ランチを用意して、笑顔いっぱいで迎えてくれました。

広いフロアーで時を忘れて布と戯れる、という楽しい1日。
これって、灯屋2にお出かけになるお客様のお気持ちを体験しているのかな、と、不遜ながら思っていました。

帯だけでなく、着物や羽織になるものも探しますが、これが実は一苦労。
サリーを着物にするのには無理があるのを承知で、それでも作ってみたい我々がいるのです。
そしてお店で、皆様の歓声の声を聞きたいのです。
そんな着物や羽織をお買い上げ頂く、素敵なお客様のために、素敵な布を探し続けます。

秋らしい帯と帯留め

ザクロと葡萄の刺繍名古屋帯暑かった夏は既に過去のこと。
身体に残る疲れも、きれいさっぱり忘れてしまいたい頃。
収穫の季節に元気をもらいましょう。
こっくりとした紫に、白抜きの雲。
見上げると、ザクロや葡萄がたわわに実っています。
秋の喜びが刺繍された名古屋帯です。
美味しいものをお腹の中に納めるだけでなく、締めてよくご覧になれるように!
帯留めも、紅葉したものを選びました。
大きめがうれしい存在感です。
頬が染まるような、良い秋をお迎えくださいね。

帯留め各種ザクロと葡萄の刺繍名古屋帯
100,000円+税

帯留めの写真、上から
やきもの 紅葉の帯留 6,000円+税
木彫り ツタの葉帯留 (ご売約済)
やきもの ぼかし葉っぱの帯留 5,000円+税

海老沢

インド布の旅2018 デリーにて

デリーに到着した直後からもうはじまりました。
何度も訪れたお店ですが、来る度にパターン、色が、工夫された新しいデザインにおどろかされます。
インドの深い歴史と商人達の誇りを感じます。
翌日は、朝から10件のお店をまわり、本当にいっぱいある布の中から日本へ連れて帰るサリーをしっかり探します。
サリーを着る女性は、年々少なくなっているようですが、サリーを愛すインドの女性は、身も心もふくよかなようで、装う物を選んでいる時は、万国共通で皆さん本当に楽しそうです。

デリー、コルカタ、ヴァラナシへの布の旅2018。
インスタグラムでもご紹介していきますのでどうぞご覧ください。

仕入れに伴いまして、店頭の外国布帯の一部を半額にさせていただきます!
半額と言うことで、お値打ちの帯も多数ございますので、ぜひ、お立ち寄りください。


インド布の旅2018 インド布の旅2018

インド布の旅2018 インド布の旅2018

菊尽くし

半襟各種いつの間にか、秋・・・。
着物の暦はどんどん進んで行きます。
とくに袷の着物に完全に移行するまでの、今にご注目。
暑いと言っていても、昨日と明日では確実に変化しています
二十四節気でいうと、この時期は「白露」から「秋分」。
その次は「寒露」「霜降」「立冬」と続きます。
そう思うと、俄然やる気が出てきませんか?
さあ、あの着物や、あの帯の出番ですよ!
店内でも毎日、溢れんばかりの着物や帯を微妙に入れ替えしながら、皆様をお待ちしております。
ブログでも、これから次々と魅力的な商品をご案内致します。

まずは、菊。
代表的な秋の花の文様。
小菊から厚物まで、たくさんの種類があります。
奈良時代に薬草として中国から伝来したとききます。
菊に浸した水を飲むと長生きするそうです。

陰暦九月九日は重陽の節句。
菊の花を観賞し菊酒を飲み、延命長寿を願う風習が古くからあります。
是非、銀座灯屋2で満開の菊をご覧になってくださいませ。

珊瑚小菊の帯留 銀細工の帯留

青地に野菊の染名古屋帯

半襟各種 3,000円+税~
珊瑚小菊の帯留 28,000円+税
銀細工の帯留 18,000円+税
青地に野菊の染名古屋帯 40,000円+税

海老沢

「七緒」 vol.55に「浦野理一の布物語」が掲載されます。

紫撫子の単衣に万寿菊透かし織名古屋帯明日 9月7日(金)発売の「七緒」 vol.55にて「浦野理一の布物語」と題し、スタイリスト原由美子さんと灯屋2店主渋谷公子の対談が掲載されました。

スタイリストの草分けと呼ばれる原由美子さんには、雑誌スタイリングのお仕事でご来店の度、選んで頂く着物や帯はもちろんの事、長年のキャリアを持たれている今でも仕事に向かう真摯な姿勢を拝見、学ばせて頂く、スタッフ皆にとってあこがれの大先輩!

渋谷が、浦野染織工房より灯屋2が譲り受けた「うらのの布たち」をご紹介しながら、原さんと浦野の布の素晴らしさを語り合ったこの対談は、P54からP59の6ページに渡り掲載されています。

灯屋2にとっても本当に夢のような特集になりました。
まさしく、永久保存版!

特集でも紹介されました「うらの」帯ワークショップの開催は、2018年11月3日(土)、4日(日)を予定しております。
参加費用は、お一人さま86,400円(税込)。
浦野理一の布と帯仕立て代金が含まれます。

詳細は灯屋2ホームページの「お知らせ」をご覧ください。
参加ご希望のお客様は、(03-3564-1191)白井までお電話にてお申し込みください。

では、9月7日(金)発売の「七緒」をお楽しみに!

白井

お客様のご紹介をさせて頂きます。

桜沢エリカさん人気漫画家桜沢エリカさんです。

「きものsalon2018-19秋冬号」では、志村ふくみさんのお着物「藍すじ白十字」をお召しになられています。
合わせた帯は、幕末の熨斗目を帯にお仕立て直した物、時代のある大きな丸紋を帯の垂れ先入れたおもしろいデザイン。

静かな中に力のある志村さんのお着物とすらっとした桜沢さんに美しく添った着姿になりました。
魅力の後ろ姿は灯屋2銀座店インスタグラムよりご覧ください。


桜沢エリカさん2枚目にご紹介させて頂くのは、朝日新聞ボンマルシェに掲載されたお姿。
極上の絣、光沢ある宮古上布には、すっきりとした対馬麻の縞を合わせました。
素朴な風合いの自然から取り出された、今ではもう織られてない対馬麻をお仕立てした名古屋帯です。
道明さんの帯締めもしっくりとおさまりました。

桜沢さんのインタビューはボンマルシェオンラインでご覧頂けます。

どちらも灯屋2にてお求め頂いたお着物です。

漫画家デビュー30年余「メイキン・ハッピィ」、「天使」などの代表作を持ち多岐に活躍する桜沢エリカさん。
Kバレエカンパニーを主催する熊川哲也さんとの対談も話題を呼びました。

この7月に東京バレエ団の代表であり、バレエ界の偉人”故、佐々木忠次”の生涯を描いた最新刊「バレエで世界に挑んだ男」を出版したばかりです。

白井