灯屋2秋の企画展「神無月のきもの展」連日たくさんのお客様にご来場いただきありがとうございます。
秋空と心地よい風に思わずお出かけしたくなる季節です。
十五夜を過ぎ、今朝は、まさしく美しい秋の光に心が、ほっとさせられましたね!
今回の秋の着物展では、100年を越えた友禅や、大正期のお散歩着、昭和初期の刺繍帯など、確かな技と美しい感覚をお楽しみいただける着物や帯がたくさんご用意出来ました。
ぜひ、ご来店の上ご覧ください。
皆様のお越しお待ち申し上げます。
灯屋2
先日少し早目に電車に乗って、日本橋から歩いてみました。
かつての江戸の街並みを想像しながらです。
ビルが林立していますが、気をつけてみると、かつての屋号のような名称が残っています。
少し中に入った通りには、懐かしいような店も残っています。
幻のようではありますが、そこかしこに江戸の気配を感じ、嬉しかったです。
人が集まる賑やかな地ほど、目まぐるしく変化するものです。
同じように着る物の流行も時代を反映します。
そんな帯をご紹介しましょう。
帯の中央にくっきりと「三浦屋」の文字。
張見世にはらはらと舞う桜の花びら。
まさに歌舞伎の「助六由縁江戸桜」の世界です。
縮緬地に抑えた色調で染められた、いきな艶っぽさ。
今にも助六と揚巻が現れるような帯です。
助六由縁江戸桜縮緬名古屋帯 帯15-9-47 64,000円
※こちらは展示会商品となり、明日26日より店頭にて展示販売致します。
つぎに、さまざまに織られた黄八丈に、更に鮮やかなイエロー。
モダンな切継ぎ帯です。
お洒落なパッケージの煙草やマッチ、歯車などが流行っていたのでしょう。
よく見ると、日めくりカレンダーは11月3日。
明治節の文字もあります。
明治節は昭和前期における祝祭日で、明治天皇の誕生日です。
そのころに作られた布なのでしょう。
黄八丈切継ぎ名古屋帯 48,600円
まるでお洒落に形だけでなく、感情までも込められているような気がしませんか?
どうぞ、今の心で、かつての時代を受けとめていただきたく思います。
海老沢
シルバーウィークは久々の秋晴れに恵まれましたが、また雨の日がやってくるようです。
先日の集中豪雨では、たくさんの被害が出てしまいました。
今も復旧活動が続いていると思います。
被災された皆さまが、一日も早く落ち着いた日常を取り戻せますよう、心よりお祈り申し上げます。
ときに非情な姿をみせる自然ですが
雨も川の流れも、古くから人の生活に欠かすことのできないものでした。
銀座界隈にも、たくさんの川が流れていたと聞いております。
江戸時代、物資の輸送や流通のためにに多くの運河が作られたのです。
たとえば、銀座店のすぐそばに残っている京橋。
今は埋め立てられてしまいましたが、かつては京橋川が流れ、日本橋から東海道を通って京へとむかう、最初の橋として名前が付けられたそうです。
河岸としても賑わいを見せ、大根の入荷が多かったことから、大根河岸とも呼ばれたそうです。
そんなかつての京橋に思いをはせて、今日は野菜の帯を集めてみました。
個性的ですが、私達にとって身近な安らぎのある柄ばかりです。
結城の切継ぎ着物には、小さくてかわいらしい蕪の帯。
江戸のおかみさんのイメージで選んでみました。
結城切継ぎ着物 147,000円 身丈:4尺3寸(約162.8cm) 裄:1尺8寸(約68.2センチ)
小蕪の名古屋帯 32,400円
(左から)
野菜の図名古屋帯 帯11-9-40 47,250円
秋の味覚染名古屋帯 帯13-10-7 68,000円
茄子と蓮根、ピーナッツなど色々野菜名古屋帯 75,600円
海老沢
まだ、蒸し暑いような日もありますが、季節は秋に向かって一直線。
美しい秋空に変わるのもあっ、という間です。
単衣のお着物をお探しでしたら、ぜひ綿薩摩をおすすめします!
綿薩摩・薩摩絣、あるいは薩摩木綿と呼ばれ、糸一本一本が丁寧に作られ、絣一つ一つが精密に織られた「すべての人のあこがれとなる織物」とまで言われた綿薩摩です。
綿と言えば柔らかく自然な肌触りですが、綿薩摩という織り物はしっとりと軽く、少しひんやりするような…
その上、さらりとした感触に何度纏っても、なんとも良い心持ちにさせてもらう事に、通称・めんさつファンは、いつも感謝するほど、単衣のこの時期は綿薩摩の一番良いところを体感できるシーズンです。
藍には、すっきりと唐䙁で色あそび。
裏の大正更紗が、また素敵!
袷前、季節のお着物を愉しんでみませんか。
160亀甲綿薩摩単衣 お仕立て直し 280,800円
身丈:4尺4寸(約167.2cm) 裄:1尺8寸2分(約69.2cm)
唐䙁接ぎ名古屋帯 172,800円
白井
今年は秋が早いですね。
そうはいってもまだ蒸し暑さが残ったり、着る物にまようこの頃です。
あまり細かい事にこだわると、体調を崩されることもあるでしょう。
季節の変わり目は、おおらかな気持ちでよそおいを楽しんでもらいたいと思います。
この季節を江戸時代の人々は、どんな格好で過ごしていたのでしょうか。
ここ銀座はかつてお江戸のど真ん中、皆さんもタイムスリップして覗いてみたいと思う事がありませんか?
杉浦日向子さんという、江戸研究家で漫画家でもあった女性の本を読んでいます。
最近、アニメ映画で、葛飾北斎と娘お栄をモデルにした作品「百日紅」が公開されました。
その原作となる漫画もとても面白く、江戸文化を楽しめました。
江戸の女性ファッションは、上方のはんなりとした着こなしとは違い、無地や縞が好まれたそうです。
色もどちらかというと、頭からつま先までモノトーンで揃えた中に、さし色を効かせました。
江戸を思い、このような組み合わせを選んでみました。
いかがでしょうか。
今年の秋はこんな「いき」なよそおいで、銀座に江戸を探してみたいとおもっています。

結城縮単着物 129,600円
身丈:3尺9寸5分(約149.6㎝) 裄:1尺7寸(約64.4cm)
黄八丈切継ぎ名古屋帯 54,000円
丸ぐけ 3,990円

結城切継ぎ着物 189,000円
身丈:4尺(約151.5㎝) 裄:1尺7寸(約64.5㎝)
竹と菊縮緬染名古屋帯 59,400円
丸ぐけ 3,990円
海老沢
芸術、読書の秋になりました。
先日、雑誌掲載蘭でお知らせしました、「松浦弥太郎の男の一流品カタログ」(マガジンハウスより8月18日発売)に灯屋2でお仕立てした浦野理一の角帯が掲載されました。
暮らしの手帳、前編集長でもある松浦弥太郎さんからも逸品に選ばれる浦野理一作品。
すでに浦野染織工房は閉じられましたが、良きご縁があり、浦野氏のご子息である範雄氏より、弊社が直接、貴重な在庫や資料を譲り受けた次第です。
銀座店内には、浦野理一作の紬や染色の着物や帯を取り揃えております。
(HPでも、ご紹介させていただいておりますので、ぜひ、ご覧ください)
浦野理一といえば、思い浮かぶのが、小津安二郎映画の衣装と経節紬という方が多いのではないでしょうか。
もちろんミセスも一世を風靡しましたね。
そして、それらももはや、写真でしか見る事が出来ないと思ってらっしゃる方も多いのではありませんか。
灯屋2銀座店では、昭和後期の紬着物全盛期の手技の美がほとばしる力強い紬から、独自の作風を持つ浦野の紅型や形染めをご覧いただけます。
もちろん、見て、手に触れて、良さを感じてみてください。
それらの布からは、10代の頃より呉服の仕事に携わり、勉強を重ねてきた、着物への深い知識とこの仕事への思いを込めた妥協のないこだわりの姿勢を続け、物作りをしてきた浦野氏の仕事力が感じられます。
今回は、先日、浦野邸へお伺いした際に撮らせていただいた写真も掲載させていただきました。
この素晴らしい佇まいのなかで、浦野作品が作られて来たと思うと感慨もひとしおです。
これから深まりゆく秋に向け、ひとつの時代を魅了してきた浦野理一というお着物もご自身の着物まわりに揃えて楽しんでみませんか。
みなさまのお越しを心よりお待ちしています。
白井
風は爽やかですが、まだまだ雨の後などは特に、蒸し暑いですね。
濃紺に、紫の小さな絞りが入った縮緬の経絽など、この季節にとてもおしゃれ。
秋の実り、ぶどうの図の染帯は、水彩画のような葉の濃淡の翠色が美しく、深みがあります。
雨や曇りの日が続く中、長雨のあとの晴れ間の空はとても澄んでいて、この間の月は、とても綺麗でした。
白金色の月に雲が少しかかると、その部分だけ、群青のような、少し発光した青色になります。
そんな青に似た色の帯留が目にとまったので、あわせてみました。
経絽縮緬絞り小紋 64800円
身丈:4尺(約152㎝) 裄:1尺6寸4分(約62.7㎝)
葡萄の図染名古屋帯 43200円
青色練り物の帯留 5000円
松田
9月に入ってほぼ毎日雨が降っているような気がします。
本来なら着物で出掛ける良い季節なのに。
こんな時には綿の着物はいかがでしょうか。
不意な雨でも安心ですし、お家でメンテナンスもできます。
写真の縞の単衣は、遠目ではほとんど無地に見えるような細縞。
綿のさらりとした風合いが肌に気持ちが良いです。合わせたのはバティック帯。
同じ綿素材なので相性も良く、全通柄でとても締め易いです。
こっくりとした色合いが秋らしい雰囲気を醸し出します。
実りの秋を感じる姫りんごの帯留を合わせてみました。
バティックは灯屋オリジナルで色々な柄をお作りしていますので、是非お店でご覧下さい。
綿縞単衣 48600円
身丈:4尺3寸(163.4cm) 裄:1尺8寸(68.4cm)
バティック名古屋帯 37800円
姫林檎べっ甲帯留 34560円
田中
ようやく秋の気配を感じられるようになりました。
ご紹介の着物は、夏から秋の草花が華やかに描かれた大正ロマンのお散歩着です。
地紋に、波文様や沙綾型文・業平文が織りこまれたこったお着物です。
柄付けが小物ですが、上前の花に刺繍が施されお散歩着として仕立てられています。
帯は、単衣用の刺繍帯です。
前帯の地とお太鼓の地の部分では違う染が施され、そのうえに糸をふんだんにつかった刺繍が刺されています。
お太鼓の、大胆な鈴に萩や桔梗の柄で、秋に締めていただきたい帯です。
夏秋花模様単衣中振袖 (着物15-4-13) 64800円
身丈:3尺9寸2分(約150cm) 裄:1尺6寸5分(約62.7cm)
鈴に秋草刺繍単衣帯 21600円
帯揚げ 3200円
丸ぐけ 3990円
徳永
先日、日本民芸館で開催されている「生誕120年記念 芹沢銈介展」を観に行きました。
日本民芸館は井の頭線の駒場東大前駅の、緑豊かな閑静な住宅街にあります。
建物も和風意匠を基調としながらも随所に洋風をとりいれた美しい建物で、設計に関わった柳宗悦の美意識が垣間見えます。
通りを挟んで栃木から移築した旧柳宗悦邸があります。
今回の展示は、生誕120年を迎える染織家・芹沢銈介の初期から晩年までの作品が展示され、彼の創造の世界を紹介するもの。
芹沢の布を中心とした作品と生涯で収集した工芸品などが展示されています。
芹沢は静岡の呉服卸商の家に生まれ、作家活動の中で民芸運動をけん引した柳宗悦に影響を受け、手仕事で作られた何気ない日用品の持つ美しさに惹かれていきます。
また、沖縄伝統の紅型に出会い強い感動を受け、型染を生涯の仕事と志します。
展示された作品は文字や何気ない日常のモノがオリジナリティ豊かに、美しく表現されています。
それは芹沢のモノの美しさを的確に捉える鋭いまなざしから生まれているのでしょう。
こんな時期なので、デザインの本質やオリジナリティってなんだうと考えさせられる展示会でした。
彼の収集した古い紅型の布や外国布も美しく、彼のモノに対する愛情を感じずにはいられません。
展示が変わる度に民芸館を訪れますが、もうひとつの楽しみがあります。
駒場東大前の駅と民芸館の間に「ル・ソール」というおいしいパン屋さんがあります。
何をたべても絶品ですが特にバンド・ショコラがおいしい。
まわりのクロワッサン生地がさくさく。
できれば買ってすぐ歩きながらでも食べたい…味です。

生誕120年記念 芹沢銈介展
会期:2015年9月1日(火)~11月23日(月・祝)
田中