日別アーカイブ: 2015年8月15日

帷子の江戸裂

市松絣越後上布に礒浜に塩汲みの図 帷子江戸裂名古屋帯小袖が着用されていた時代の麻の単衣物を、帷子(かたびら)と言います。

灰色に、波に葦、潮汲み桶など、海原の風景が描かれた江戸後期帷子は、波頭は金糸の駒、白い葦は橙、緑などとりどりに、そして波を砕く岩は、紫で刺繍されていて、その色彩の感覚がとても面白いです。

市松絣越後上布に礒浜に塩汲みの図 帷子江戸裂名古屋帯江戸後期、およそ150年以上前に生きた人々がつくり上げた美しい布。

細かな市松の絣柄がとてもお洒落な越後上布を合わせると、なんとも渋い組み合わせですが、格調高い江戸帷子に隠された粋が、浮き上がってくるように思えます。

礒浜に塩汲みの図 帷子江戸裂名古屋帯 (帯14-6-25) 
194400円
市松絣越後上布(苧麻) 151200円
身丈:3尺9寸6分(約150cm) 裄:1尺7寸(約64.6cm)

松田

灯屋2で社員研修の為、臨時でお休みをいただいている事があります。
その時は、染色や織り物の工房へお願いして、お話を聞きに伺い、見学させていただいております。
実際に拝見すると工程もよくわかり、お客様へお伝えする事も出来きる有難い体験。
臨時休業の際、ご来店下さったらと申し訳ない気持ちにもなりますが、スタッフとしては毎回楽しみにしているのも正直な気持ちです。
どうぞ、ご了承ください。

今回、江戸川区にある松原染色工房にお邪魔させていただきました。
松原工房は、大正13年より続く、長板中形の染色工房で昭和30年に、故・松原定吉氏が、国の重要無形文化財指定を受け、ご子息である福与、八光さん、現在も、与七さんを中心として続く長板中形の伝統ある工房です。

長板中形は、三間半(約6.4メートル)の長い貼り板に木綿生地を貼り、型紙を送りつなぎ、防染糊で型付けして、本藍につけ染めることにより出来上がる日本の伝統染織工芸のひとつです。
もちろん、この緻密な手仕事には、長年の経験と技術が裏付けされている事は言うまでもありません。
写真は、

型紙拝見

 

貼り板の上に柿渋で手彫りされた型紙をおく作業を
スタッフ全員が覗きこんでいるところ

伝統の美しさを生み出す数々の道具藍の入った壺

 

大切な道具類、驚くべきたくさんの藍壺
(木の蓋をしてあるのも全部、藍の壺です!)

染めあがった布は空気に触れることで…緑から藍色に

 

実際に藍に白生地をつけて染め上がった布がまさしく碧から藍色に変化して行く様子など…
(藍は、空気にふれる事により、神秘的に変化してゆきます)

それにしても、美しい長板中形染です。

その美しさにはいくつかの要因がかくれていますが、藍の美しさはもちろんの事、民芸運動・柳宗悦氏の「手仕事こそ、品物に美しい性質を与える原因・心の仕事」という言葉が、しっくりくるような感じがします。

長板中形は、主に浴衣に用いられてきましたので、浴衣のあり方が変わってきた現在、昔のような需要はなくなりましたが、灯屋2では小紋や付下、訪問着など、松原工房作のお着物のお取り扱いございます。
ぜひ、ごらんください。
 
松原工房作の絹紅梅の中形染先日もお客様が、当店でお買上の松原工房作の絹紅梅の中形染をお召しになってご来店くださいましたので、お写真を撮らせていただきました。

ありがとうございました!

白井