「蘭(あららぎ)」解き着尺
ご売約済
アララギとは、木の実が成る針葉樹の「イチイ」の別名です。
アララギ派とは、明治期終わりにできた短歌の結社の名前で、写実的、生活密着的歌風を得意とし、近代的人間の深層心理にせまり、知性的で分析的な解釈をした、とあります。
志村さんの事ですから、アララギという響きにまず耳を傾け、アララギ派の解釈に心を移し、それからアララギ、つまりイチイという樹木に目をつけた、と、流れを読んでみました。
そうすると、謎解きのようにこの織物への理解と共鳴と感動が湧き出てきました。
愛らしい木の実、針葉樹の持つ几帳面な葉っぱの波、そして知的で近代的な意志を孕んだ織物が誕生しました。