京都徒然 その5

460年の歴史を持つ京友禅の老舗、「千總」のギャラリーに立ち寄りました。
千總資料館に保管されている、江戸時代~昭和にかけての美術品、染織品、古文書などの膨大なコレクション、資料は約2万点にも上り、450年以上の歴史を物語るその所蔵品を、随時入れ替えて一般に公開しているそうです。

入口は併設されているカフェ「伊右衛門サロン京都」から入り、2階に上がります。
こじんまりとしたギャラリーの入口には、千總の技術を駆使して修復された、江戸時代の小袖が1点展示されていました。
背面の向かって右肩から甕が返され、そこから一筋の滝のように、左下に向かって水が流れている意匠は大胆で、近くで見るとその一筋の流れがいくつかに分けられ、細かな染めがそれぞれに細かく施されていました。
実物の傍らには、千總の技術を集結して修復された部分が写真付で記され、貴重な江戸小袖を心をこめて補修した様子を感じることができました。

3月初旬の展示は、雛祭りにちなんだもので、骨董品のような雛人形、三人官女から従者まで一式が並べられ、数々の小さなお道具のひとつひとつにまで蒔絵が。
着物の展示は、三歳の祝着から、七歳、十三参り、そして振袖…と、女の子の節目を祝う現代京友禅の華やかな衣装が飾られていて、年代の古いきものと対峙してあると、もっと面白そう…などと思いながら、京友禅とはどういうものかを、ゆっくりと見る事ができました。

京都研修を通して、必死に昔ながらの技術を守っていることと、その難しさ伝えてくださる方々の熱い熱い想いを感じました。
技術革新により時の流れは速さを増し、一度進んでしまえば、元に戻すことは困難です。

より早く、と、スピードが求められる時代の中で、手間も時間もかかる技術を守るには、それぞれの伝統工芸に充てられる国からの助成金に頼る現状も垣間見えました。
為す術も見つかりませんが、それを知ることでひとつ持つ事ができた「意識」を、いつも頭の片隅においておきたいと思います。

松田

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