藍への愛

明治初めに来日したイギリス人化学者が、町のあちこちに見られる藍色を「ジャパンブルー」と呼んで称賛した藍。

素朴であたたかな紺色は、後にも様々なシーンで日本の色として登場しています。

世界中でも最古の藍は、紀元前3000年頃のインダス文明からと気の遠くなる長い歴史です。

藍と言えば、安土桃山時代から藩の殖産事業となった、徳島の蓼藍思い出される方も多いのではないでしょうか。

その徳島でも戦時中は、食糧増産の為、藍の栽培は禁止作物になりました。

藍は、一年草で毎年種を採り続けないと途絶えてしまう為、憲兵の目を逃れ命がけで、藍の栽培を6年間続けた方が、いらっしゃいました。

徳島で藍の母と呼ばれる岩田ツヤ子(明治39年~平成9年)という勇気ある女性です。

山の林の中で人知れず守られた「白花小上粉(しろばなこじょうこ)」は、今も本藍染め佐藤家で作り続けられています。

岩田さんの石碑は、藍が育てられた場所、美しい緑と澄んだ空の元にひっそりと建っています。

あたたかい木綿に藍染めの絞りは、触るだけでも気持ちがよく、藍の素朴さに心が癒されていくようです。

大切に手をかけ育て、染めた方々の思いが、伝わってくるかのようです。

何を着てみようかな。。と迷ったら、藍をひとつおすすめしたいです。

無地紬縫い一つ紋袷88,000円身丈4尺3寸裄1尺7寸(1尺8すん3分可)

藍絞り名古屋帯66,000円