春分を迎え本格的な春の到来です。
日増しに暖かくなる陽射しに気持ちまでゆったりとします。
写真の帯は白地に手描きで柳と梅を描いたもの。
そこへ一羽の小鳥が一瞬枝にとまったところを捕えています。
柳の枝が触れ合う音まで聞こえてきそうな春らしい光景です。
山鳩色の縮緬に梅色のよろけ縞の袷を合わせてみました。
枝垂れ柳に梅と小鳥の帯
よろけ縞縮緬袷(ジュサブロー作) 43200円
身丈:4尺1寸(155.8㎝) 裄:1尺6寸(60.8㎝・68.4㎝まで直し可能)
田中
緻密に織られたとても貴重な織物。
鳥巣水子作・縦紋織りの紬袷です。
このお着物は、丹精な美しさの上に明るく、おおらかでとても澄んだ心地良さを感じさせてくれます。
鳥巣さんのお人柄が、布の持つ魅力となって、語りかけてくれているのかもしれません。
太い縞の中には、藍の濃淡で色分けされた正方形の四つ格子。
小さな正方形の中には、まるで空の水色が、海の深い藍色まで続いていくような、沢山の藍色がちりばめられています。
ルーペで覗くと、志村ふくみさんの言葉のように「完璧な技術を駆使し、少しのわずらわしさも無く、余分な装飾がない」細かな紋織りが、まっすぐに続いています。
鳥巣さんが幼児期をすごしたという、長崎県五島列島の自然への恩恵が、この布の中に輝いているように思えます。
鳥巣水子 1970年、40代半ばより子育てを終え、織りの道へ。
志村ふくみ、北村武資両氏に師事。
琉球王朝時代の花倉織り・花絽織りが、代表的作品。

桜と柳を縞のようにして染めた錦紗縮緬の小紋に、褄下から流れるように藤を、裾には桜草を刺繍しました。
柄置き、花の大きさとも絶妙に、散歩着風の仕上がり。
藤と桜草刺繍散歩着
身丈:4尺1寸(約155㎝) 裄:1尺7寸3分(約65㎝)

もう一点は、三ッ紋の縮緬明治江戸小紋に黄色の花が可憐な石蕗(つわぶき)の刺繍。
小紋の柄は桐の葉、青みがかった深い緑色は一見渋く見えますが染め色が非常に美しく、見れば見るほど、ひきこまれるようです。
昭和初期までの多彩な日本刺繍の意匠技術、エッセンスを受け継ぎ、また新たに、最高に素敵な洒落着ができあがりました。
石蕗刺繍明治江戸小紋
身丈:3尺9寸3分(約149㎝) 裄:1尺7寸(約64㎝)
松田
雪輪模様の絞りに、八重の梅、南天、水仙、菊などの刺繍の花づくし。
現在ではなかなか見られない、昔のものながらの、とても凝った染めと刺繍です。
たまご色の帯地に、やわらかな色合いの刺繍でとても合わせやすく、葉にはところどころ匹田風に黒と白で刺繍され、ひと捻りのアクセントとなっています。
橙色の華やかな御所解の中振袖にあわせましたが、他にも色無地や江戸小紋を品よく華やかに引き立てます。
冬に咲く花々の模様ではありますが、おめでたい柄ですので、式典などお母様の装いにもとてもおすすめの刺繍帯です。
吉祥花刺繍開き名古屋帯 129600円
御所解模様中振袖 86400円
身丈:4尺(約152㎝) 裄:1尺6寸5分(約62.7㎝)
松田
ここ数日、寒さも和らいできました。そろそろ羽織姿でお出かけしたくなる季節。
お店にも春の羽織が入荷して参りましたので、ご紹介します。
橘の織柄に大胆な双葉葵を配した羽織。
葵文は古くから吉祥文様として好まれ、季節を問わずお召しになれます。
64800円
身丈:2尺4寸5分(約93.1㎝)
裄:1尺7寸(約64.6㎝)
紗綾形に菊と春蘭の地紋に牡丹、桜、笹が描かれています。
身丈、裄ともに充分ありますので大きな方にもお勧めです。
91800円
身丈:2尺8寸(約106.4㎝)
裄:1尺8寸(約68.4㎝)
地紋のぼかしがアンティークらしい羽織。
枝から伸びる黄とピンク色の薔薇が可憐な印象です。
97200円
身丈:2尺7寸3分(約103.7㎝)
裄:1尺7寸5分(約66.5㎝)
橘の地紋に大きな橘の柄を流れるように配しています。
地色の若草色が優しく春らしい装いにお召しになって頂きたい一枚です。
三つ紋。少し汚れがございますので、お店でご確認ください。
身丈:2尺7寸2分(約103.3㎝)
裄:1尺7寸(約64.6㎝)