2匹のさなぎが寄りあって1つの繭を作り出す「玉繭」から手紡ぎした玉糸を、一般の紬糸の約4倍の太さに撚り合せた糸でざっくりと織り上げる、浜松で生まれた大変魅力ある織物です。
しっかりと打ち込まれ、糸が太い分、手に持つと重みを感じますが、纏えばしなやかに肌になじみ、手に持った重さが嘘のようです。
単衣仕立てのものでも地厚なので、冬場もずっとお召しいただけます。

ざざんざ織は「颯々」とも書き、足利将軍義教が当地の有名な松の下で「浜松の音はざざんざ…」と詠んだことから創作者の平松実氏が命名し、また伊兵衛織はざざんざを元として、その昔浜松にあった庄屋の中で、殿様と話すことが許されていた4軒のうちの1軒が代々「伊兵衛」という名を当主が継いできたことから名づけられたと言います。

ざっくりとしていますが、ルーペを覗いてみると、均一に、緻密に織られているのがわかり、また経糸と横糸の色遣いの巧みさは、織り上がった色彩に不思議な深みを与えています。
写真ではお伝えしきれない魅力を、ぜひ店頭でご覧ください。

左から
格子伊兵衛織単衣（着物09-4-8）￥241,500
身丈　4尺2寸5分（約161.5cm）　裄　1尺7寸（約64.6cm）
春文様名古屋帯　￥25,000

茶ざざんざ織単衣　￥168,000
身丈　4尺5分（約154cm）　裄　1尺6寸8分（約63.8cm）
黄色地絽刺し黄八切継ぎ名古屋帯　￥48,000

珊瑚色伊兵衛織単衣（着物13-2-16）　￥150,000
身丈　4尺5分（約154cm）　裄　1尺7寸（約64.6cm）
浦野理一　海辺模様紬名古屋帯　￥189,000

柳色横段伊兵衛織袷（着物09-11-2）　￥294,000
身丈　4尺1寸5分（約157.7cm）　裄　1尺7寸5分（約66.5cm）
稚児人形名古屋帯　￥29,000

松田

結城はほんのり色づいた灰桜色。
帯地はアフリカの「ケンテクロス」より仕立てました。
西アフリカ織布の代表的存在です。
昔は祭日、儀礼日、年に一度の収穫祭にもこのクロスを着用し、社会的身分を顕示していたそうです。
魅力は平織と綴織を併用した１０cm足らずの細巾に織りだす鮮やかな幾何学文様。
お太鼓を見ると、細巾を４本つないでいるのが見てとれます。
帯のローズピンクが、桜餅のような色の上品な紬と重なり大人のちょっと可愛らしいセットとなりました。

本場結城紬袷　189,000円
身丈　4尺4寸　　（約167.2cm）
裄 1尺7寸3分（約65.7cm）

アフリカケンテクロス名古屋帯　189,000円

斉藤

茜染とともに、奈良、平安でさかんに染められたという紫根染。
明治に入り、化学染料が普及してからは紫草の希少化や手間のかかる工程などから、ほぼ途絶えかけたそうです。
それでもやはり、天然染料で染める紫は美しく、またそれも年々味わい深いものになっていく、そんな魅力ある染めを守ろうという人々の活動が、今日までの紫根染を支えてきました。
麻の葉絞りで白場の多い木綿の紫根染の小紋は、お召しいただくと力強さと華やかさが着る人を引き立ててくれます。
こちらの木綿は、ふんわりと織りあげてあるため、しっとりと柔らかく肌に馴染み、布に包まれる幸福感も高まるような着心地です。
大きめのモチーフの刺繍帯などを合わせて、楽しく着こなしたいですね。

木綿紫根染小紋（着物13-3-3）　210,000円
身丈　４尺４寸（約167.2cm）　裄　１尺７寸９分（約68cm）

灯屋２オリジナル　金魚刺繍帯　120,000円

松田

灯屋２　　　

山や川にいる小蟹。
蟹がハサミを振り上げた形、姿の面白さから柄に取り上げられることも多いモチーフ。
昔の絵柄から写し、卵色の紬地に刺繍を入れました。
合わせた綿薩摩は、今時期に着る袷には紬より快適に着られそう。
画像では無地に感じられますが、象牙色と渋めの茶（媚茶色）の細かい格子織りで全体に柳色を思わせます。
柔らかい薩摩は、体にもなじみます。

斉藤

綿薩摩袷　126,000円
身丈　4尺2寸5分（約161.5cm）
裄 　1尺8寸　　（約68.4cm）

小蟹の図刺繍名古屋帯　126,000円

「ターシャ・テューダー」
アメリカの絵本作家である彼女の本を、ご覧になった方も多いと思います。
広大な庭で季節の花々を育てたライフ・スタイルは、日本でも注目を集めました。
彼女の庭を思わせる素朴な花柄の帯を、セレクトしました。
スズランも4月の花。
結城縮杢紬の単衣と、いかがでしょうか。
本来の単衣頃には暑いので、三寒四温を感じる今頃の春に毎年おすすめしてます。
赤茶にグレーの異なる糸を絡めて織られ、不規則な色の現れが無地にはない表情ある深み。
結城紬を定番のように扱う当店でも、あまり見られない色目です。

結城杢縮単衣　157,500円
身丈　4尺3寸2分（約164.1cm）
裄 1尺8寸　　（約68.4cm）

スズラン柄ヨーロッパ更紗名古屋帯　44,100円
緑地に赤小花柄ヨーロッパ更紗名古屋帯（六通柄）　47,250円
バラ柄フランス更紗名古屋帯　29,400円

斎藤

日差しが暖かくなってくると、この時期でも、もう単衣を着てしまいたいと思うほどに暑さを感じる日もありますよね。
インドの野蚕糸から織りあげた薄いベージュのタッサーシルクの上品な光沢は、優しい色合いの和の帯から、個性ある東南アジアの帯までを柔軟に受け入れてくれます。
薄地なので、着心地も爽やか。これからの季節におすすめです。

タッサーシルク付下（着物09-12-1）　126,000円
身丈　4尺3寸（約163.4cm）　裄　1尺7寸（約64.6cm）

薄紫色桜に藤名古屋帯　29,400円
水色藤に野の花名古屋帯（帯13-1-8）　35,700円
手絞りスマトラプランギン名古屋帯（帯12-3-26）　54,600円

人間国宝、小宮康孝氏の可愛らしい江戸小紋です。花入れ格子柄に鮮やかな緑。
三役も素敵ですが、こんな変り江戸小紋もおすすめです。
江戸小紋の魅力は、なんといっても帯ひとつで様々な表情を見せてくれること。まったくの無地でないことが、着こなしの幅を大きく広げます。
インドサリーで作った外国裂の帯を合わせたり、昔ながらの染帯を合わせたり。

小宮氏の楽しい江戸小紋は他にも取り揃えております。季節を迎えた桜の帯も、次々と仕立て上がってまいりました。
春の盛りも目の前です。

小宮康孝作　江戸小紋（着物13-2-3）￥189,000
身丈　4尺2寸5分（約161.5cm）　裄　1尺7寸8分（約67.6cm）

インドサリー名古屋帯　￥40,000
中啓に桜名古屋帯（帯13-3-3）￥34,000

松田