雀始巣~すずめはじめてすくう~

やさしく明るい陽射しの中をまだ冷たさをのこした3月の清らかな風が、頬を撫でる朝、雀達の嬉しそうな声がきこえてきます!
繁殖期に入った雀は、忙しそうに巣作りをはじめたようです。
28日(土)に銀座店新入荷をご紹介します。


竹に雀染名古屋帯

竹に雀染名古屋帯
43200円

茄子紺地に納戸茶(青と緑の中間色。
暗い灰青緑)の竹を背に雀達が、羽根を広げ伸び伸びと群れ飛ぶ染めの名古屋帯。
江戸の色合わせを思わせる洒落帯です。
着物日和のこれからに活躍しそうですね!

竹に雀染名古屋帯竹に雀染名古屋帯


満開の藤尽くし織り名古屋帯

満開の藤尽くし織り名古屋帯
48600円

市松にまるで、ぼかしで染められたように金の経糸でエ霞文様が、美しく入った地紋様。
しなやかで力強い枝に華やかに咲き誇る藤の花。
多色の糸を見事に織りあげた技術は、刺繍かと見まがうほどの気品ある華やかな帯。
丸帯より袋帯と名古屋帯をお仕立てしました。

満開の藤尽くし織り名古屋帯満開の藤尽くし織り名古屋帯満開の藤尽くし織り名古屋帯


水辺の花々と鷺の図名古屋帯

水辺の花々と鷺の図名古屋帯
69400円

光に向かい翼を広げる鷺、見つめる先には、何が待っているのでしょう。
まわりにはさえぎる物もなく、風に吹かれ頭を揺らす芙蓉と葦。
塩瀬地にひと気のない水辺の静かな世界が、達者な筆で描かれた墨絵名古屋帯です。

水辺の花々と鷺の図名古屋帯水辺の花々と鷺の図名古屋帯水辺の花々と鷺の図名古屋帯

水辺の花々と鷺の図名古屋帯水辺の花々と鷺の図名古屋帯


祝い尽し織り開き名古屋帯祝い尽し織り開き名古屋帯

祝い尽し織り開き名古屋帯
43200円

青海波、笠松文、宝尽くしと華やかな祝いの文様が、深緑、ベージュを主体に朱や紫の華やかな色を織りまぜた美しい織帯です。
丸帯より開き名古屋にお仕立てしました。
卒業・入学の式典にも無理なくご着用いただける、お薦めの1本です。

二枚目役者の盃

綾織無地紬に桜に役者図盃染名古屋帯桜舞い散る下、盃には、二枚目役者の面影。
羽裏か襦袢だったのでしょうか、すっきりとした柄と色づかいが粋です。
「河竹新七案、柳屋梅彦綴、梅蝶国貞画」と短冊には記してあり、ちょっと調べてみたのですが、何という演目か特定することはできませんでした…
それにしても、端正で格好良い役者です。
今回は淡い桜色の紬を合わせてみましたが、縞などに合わせても素敵です。

桜に役者図盃染名古屋帯

桜に役者図盃染名古屋帯 21600円
綾織無地紬 97200円
身丈:4尺2寸(約159cm) 裄:1尺6寸5分(約62cm) 袖丈:1尺2寸5分(約47cm)

松田

新入荷の染きもの

桜がほころぶまで、あと僅かとなりました。
日常のあらゆるところに、春が見え隠れします。
今日はいくつ、見つけられるでしょうか。


春霞に雅楽器文様色留袖

春霞に雅楽器文様色留袖(染抜き三ツ紋)
81000円

身丈:4尺2寸5分(約161cm)
裄:1尺7寸5分(約66cm)
袖丈:1尺6寸5分(62cm)


紫色に霞立ち、桜とともに描かれた楽器がとても雅やか。
袖丈が1尺6寸5分と長めで、上身は三ツ紋の無地。
糸の細さによるしなやかな一越縮緬と、大きめなモチーフと優しい色づかいがアンティークらしい色留袖です。
春を告げる音楽の、軽やかな音色が聴こえてきます。


春の花の丸文綸子付下

春の花の丸文綸子付下
86400円

身丈:4尺2寸(約160cm)
裄:1尺7寸5分(約66cm)
袖丈:1尺4寸(約53cm)


垣根に春の花の丸が色とりどりに美しい付下。
紗綾型綸子は春の陽射しのような色に淡くにぼかされて、暖かさに心ほどけるような色合いです。
飛び柄が小紋のような雰囲気ですが、絵羽模様になっており、礼装にもお召しいただけます。
結納やお宮参りなどにも相応しい、お嫁入り衣装にもおすすめな品の良い付下です。

空やお日様の色、風のあたたかさに春の足音がきこえます。
季節はめぐる、桜3月、早春のぬくもりから、春爛漫に向かって胸がはずみます!
3月21日(土・祝日)より新入荷の帯と着物を、今週はブログにてご紹介させていただきます。


縮緬地アオガラと海棠桜名古屋帯

縮緬地アオガラと海棠桜名古屋帯
54000円

満開の海棠桜で遊ぶアオガラが本手摺りで型友禅され、刺繍も施されています。
海棠桜はソメイヨシノがちりはじめる頃から咲きはじめます。
やさしく、愛らしい印象の名古屋帯です。
本手摺りは職人さんの技術を用するのは言うまでもなく、乾かしながら染めていく為1日1色しかそめる事が出来ません。
60cmから70cmの板で繰り返し染められているにもかかわらず、継ぎ目がどこなのかほとんどわからないほどの卓越した技は、来る日も来る日も友禅染に明け暮れた証でしょう。

縮緬地アオガラと海棠桜名古屋帯縮緬地アオガラと海棠桜名古屋帯


大輪八重桜刺繍名古屋帯

大輪八重桜刺繍名古屋帯
59400円

紋綸子地に春霞のようなぼかしが入り、あでやかに咲き誇る八重桜。
金銀糸の華やかさと葉色の藍に当時のおしゃれ心を垣間見る事ができます。
春の日のお出かけに、まわりの方の気持ちまで明るくよろこばせてくれそうな装いが出来そうです。
桜の花言葉とその幾重に重なる花びらから、知識豊かな女性になぞらえられる八重桜。
桜の季節だけと決め込まず、ぜひ晴れやかなお席でもお召しください。

大輪八重桜刺繍名古屋帯大輪八重桜刺繍名古屋帯


枝垂れ花影桜名古屋帯

枝垂れ花影桜名古屋帯
54000円

春霞の中に咲く愛らしい桜。
水面に映る花の影、まるで花達が迎えたこの時間を幸福に笑い合い揺れているようです。
朱色に女性の美しさを感じます。

枝垂れ花影桜名古屋帯枝垂れ花影桜名古屋帯枝垂れ花影桜名古屋帯

枝垂れ花影桜名古屋帯枝垂れ花影桜名古屋帯


孔雀羽根と桜刺繍名古屋帯

孔雀羽根と桜刺繍名古屋帯
86400円

まるでビロードのように刺繍された孔雀の羽根。
金銀糸の波文様の帯地に桜の花びらが舞っています。
翡翠を思わせる多色な刺繍糸の美しさもさる事ながら、まるで高度な技術を愉しんでいるように達者に施された見事な刺繍。
孔雀羽根と桜刺繍名古屋帯染、織り、縫いすべてにおいて、現代とはまたちがう着る物への深い思いと自己表現を感じずにはいられません。
古来より高潔さのシンボルとされた孔雀の羽根らしく、大胆で優美な美しさです。
桜の色が、とてもやさしく輝いています。

和の寄せ切れ帯

江戸裂寄せ切れ帯「寄せ切れと刺繍展」は終わりましたが、まだまだ素敵な寄せ切れの帯がお店には並んでいます。

写真の帯は古い生地と江戸裂を合わせた華やかな帯ですが、ほかにもヨーロッパ更紗を帯に仕立てた可愛いものやインド更紗、黄八、唐桟などの縞をはいだものなどなど。

沢山の魅力を詰め込んだ寄せ切れの帯をご覧になりに、ぜひお店にいらして下さい。

江戸裂寄せ切れ帯 129,600円

田中

京都徒然 その6

京友禅見学京都着物研修旅行のしめくくりは、染匠市川株式会社さんです。
工房におじゃまして、伝統的手描き京友禅についてお聞きしてきました。

白生地から出来あがりまで、約15~20の工程を必要とする京友禅です。
そのひとつひとつに高度な技術を必要とします。
なかでも、着物の出来を左右する糊置作業では、伝統的な糊糸目にこだわっているそうです。
廉価で出回っているインクジェット加工の商品とは、まさに一線を画する仕上がりでした。
 
下絵描きの作業場で、私達が見つめるなか、職人さんが絹生地に青花で細かく花弁を描きはじめると、みるみるるうちに美しい菊の花が咲きました。
達者な筆さばきは見事です。
その構図は不等辺三角形である事が多く、華道にも通じている、などなど…お話は尽きることなく。
いっぽうでは、長く反物をめぐらし、丁寧に色挿しをする職人さんの仕事ぶりも拝見させていただきました。

社長さんからは、日本画集など、膨大な資料も見せて貰いました。
細かく描き込まれた下絵図案の束に、創意工夫の熱意とご苦労が伝わってきました。

灯やスタッフからは、付下げと訪問着の見分けやその違いの質問が出ました。
一般的には、反物の状態で柄を付けるのが付下、仮絵羽仕立てにしてから柄を付けるのが訪問着となっています。
なので付下は柄が縫い目ではつながっていません。
しかし今では、華やかな付下として作られた着物は、脇の柄がつながっているものも多いそうです。
付下と訪問着の境目は、なくなってきているようです。

日頃着物に携わっていますが、京都の職人さんにお話を聞くことができるのは貴重な体験でした。
皆さんの布を見つめる真摯なまなざしを心に刻みました。
私達は明日からの仕事への意欲を胸に、京都駅で美味しそうなお弁当を選んで新幹線に乗り、京都を後にしました。

海老沢

京都徒然 その5

460年の歴史を持つ京友禅の老舗、「千總」のギャラリーに立ち寄りました。
千總資料館に保管されている、江戸時代~昭和にかけての美術品、染織品、古文書などの膨大なコレクション、資料は約2万点にも上り、450年以上の歴史を物語るその所蔵品を、随時入れ替えて一般に公開しているそうです。

入口は併設されているカフェ「伊右衛門サロン京都」から入り、2階に上がります。
こじんまりとしたギャラリーの入口には、千總の技術を駆使して修復された、江戸時代の小袖が1点展示されていました。
背面の向かって右肩から甕が返され、そこから一筋の滝のように、左下に向かって水が流れている意匠は大胆で、近くで見るとその一筋の流れがいくつかに分けられ、細かな染めがそれぞれに細かく施されていました。
実物の傍らには、千總の技術を集結して修復された部分が写真付で記され、貴重な江戸小袖を心をこめて補修した様子を感じることができました。

3月初旬の展示は、雛祭りにちなんだもので、骨董品のような雛人形、三人官女から従者まで一式が並べられ、数々の小さなお道具のひとつひとつにまで蒔絵が。
着物の展示は、三歳の祝着から、七歳、十三参り、そして振袖…と、女の子の節目を祝う現代京友禅の華やかな衣装が飾られていて、年代の古いきものと対峙してあると、もっと面白そう…などと思いながら、京友禅とはどういうものかを、ゆっくりと見る事ができました。

京都研修を通して、必死に昔ながらの技術を守っていることと、その難しさ伝えてくださる方々の熱い熱い想いを感じました。
技術革新により時の流れは速さを増し、一度進んでしまえば、元に戻すことは困難です。

より早く、と、スピードが求められる時代の中で、手間も時間もかかる技術を守るには、それぞれの伝統工芸に充てられる国からの助成金に頼る現状も垣間見えました。
為す術も見つかりませんが、それを知ることでひとつ持つ事ができた「意識」を、いつも頭の片隅においておきたいと思います。

松田

京都徒然 その4

昨年の冬から輪奈ビロードのコートを愛用しています。
程よく厚みがあって、本当にあたたかくて寒い日に出掛ける時にはかかせません。
輪奈ビロードは、織る際に針金を一緒に織り込み、織り上がった後その針金を抜いてループを作った生地です。
パイル状にする為の極細の針金の製作が難しいことと、工程が複雑な為、現在では長浜でごく僅かしか生産されてないそうです。

今回研修で伺った紫織庵さんでは、切りビロードの技術を復活させて製作していらっしゃるというお話でした。
切りビロードは針金を引き抜く前にパイルを切る優先ビロードと、三層に織った織物の経糸をナイフで切断して毛羽立たせる無線ビロードがあるそうです。
戦後、無線ビロードの技術は一旦消滅してしまったそうですが、復元に成功して製作されているとのことでした。
細かな工程を経て、丹精に作られた作品は、眺めているだけでも優美で豊かな気持ちにさせてくれます。

復活させた切りビロードも、紫織庵さんがやめてしまったらまた途絶えてしまうかもしれないと話されました。
素晴らしい技術が途絶えずに、どうにか続いていってほしいと切に思いました。

徳永

京都徒然 その3

西陣地区にある「渡文」初代渡邉文七氏の店舗兼居宅を改築し、全国の手織物や能装束、西陣織を展示している「織成館」を見学しました。

展示の中でとても印象に残ったのが、植物の櫨(ハゼ)を使った独特の染色方法で染められた糸。
太陽の光があたると色が鮮やかに変化します。中でも【黄櫨染】(こうろぜん・一番下の糸)は太陽光により金茶から赤茶へ変化するため太陽の色を象徴したものとして、平安時代初期より天皇が儀式で着用する袍(ほう)の色として定められていました。
もっとも厳格な禁色だったそうです。
昭和3年、昭和天皇の即位の礼でもこの【黄櫨染】の御袍を着用されています。

天皇側近の少数の人々以外の目に触れる機会がなく、正確な染色方法も一般には知られていないことから、約1200年にわたり幻の染と呼ばれていました。また、難易度の高い染色で、安定して色をだすことは不可能とも言われています。
現在では日本の美意識の集大成ともいえるこの【黄櫨染】を染色作家たちが研究し再現をしています。

写真糸は【黄櫨染】と同じ技法を使いいくつかの色を再現したものです。
現代の私達が見てもその色の変化に「おーっ!」と声をあげずにはいられません。
太陽の光で色が変わる魔法のような布を見て、古代の人々は唯一無二の象徴として尊んだのでしょうか。

【黄櫨染】矢印【黄櫨染】

田中

京都徒然 その2

「織成館」普段、帯の仕事に携わっている私にとって、今回の社員研修旅行は大変勉強になりました。
研修の目的で訪問した中で、特に印象的だったのは「織成館」です。
西陣織を見学し、唐織の手織り技法、というものを知りました。刺繍のように浮織した文様で、豪華な能装束や帯に使われていると聞きました。
かつて、180人ほどの職人がいたとされましたが、現在は10人くらいまで減って、大変貴重な織手となっています。

19世紀頃、フランスのリオンでジャカード式が誕生し、西陣織りの織手の3人が現地に行ってその技術を学び、日本へ持ち帰って、日本独特の繊細な技術を加えました。
それまで3~4人がかりで織られた高機などが、ジャカード式によって1人で織れるようになりました。とは言え、1cmに横糸30本もを使い、その1本1本に色糸を手でからげていく作業には感嘆と敬服を覚えます。
ジャガード式とは、あらかじめ決めたデザインに添って色糸をからげるための横糸を揃えて教えてくれる操作をする、カード式の高機の補助具と理解しましたがいかがでしょうか。

研究を重ねて、現在では世界の業界を魅了する日本の代表的な織物となりましたが、原材料となる絹糸の生産が、日本ではほぼ生産できなくなっている現状や、織り手不足によって、本西陣織の未来は色々な問題をかかえています。
しかし、今回出会った織り手達の姿勢と情熱を、西陣織を愛する私たちが後押しして、この織物が末長く続いていく事を願って止みません。