着物紹介」カテゴリーアーカイブ

春の木綿

コブシと窓から望む銀座少しずつ日が長くなってきています。
コブシの白い花は凍てつく空気も柔らかくしてくれるようです。
そんな春を感じる時に木綿を手に取ってみたくなりました。

綿が浸透するまでは冬にも麻を日常着にしていたと聞きます。
人々が初めて木綿の衣を肌に通した時はその暖かさにさぞ感動した事でしょう。
木綿は絹や麻とも異なる柔らかい線を女性の着姿にもたらしたと、柳田国男氏の「木綿以前の事」に書いてあったのを思い出しました。
皆様もご存知の名著、また読み返したくなりました。

そんないにしえの木綿を彷彿とさせる、和更紗の帯と大正更紗の切継ぎの羽織をご紹介します。
あくまでも優しい肌触り、木綿の良さがこんなに生きているのは、布を大切にした先人たちの愛情がそのまま残っているからでしょう。

久米島紬に、
早春をおもわせる可愛らしいビーズの丸ぐけを合わせて、木綿をあたたかく纏いながらゆっくりと春を待ってみませんか?

春の木綿 春の木綿

和更紗名古屋帯  64000円 
大正更紗切継ぎ長羽織  90000円
裄:1尺7寸(約64.5㎝) 身丈:2尺6寸(約98.5㎝)
久米島紬 148000円
裄:1尺7寸5分(約66.3㎝) 身丈:4尺(約151.5㎝)
ビーズ丸ぐけ 8400円

海老沢

鶏刺繍帯

格子紬着物にひよこ刺繍名古屋帯鏡開きも過ぎました。
皆様、風邪などひいてはおりませんか?胃の調子はいかがですか?
今年も体調にお気をつけて、着物生活をお楽しみいただけますよう願っております。

「刺繍の帯展」おかげさまで大好評で開催中です。
輝く絹糸で精緻に施された日本の手仕事、ほんとうに素晴らしいですね。
お目当ての帯を手にされたお客様は、今頃は素敵に着こなされて周囲の方々を魅了しているはずです。

大島紬着物に鶏刺繍開き名古屋帯先日のブログでお洒落なフランス人男性も手にして下さいました鶏の帯をご紹介します。
この刺繍帯は、元は丸帯だったものを2本の名古屋帯に仕立て直したものです。
帯の裏も表も丁寧に刺繍が施されていました。
親と子を引き離すのはちょっと胸が痛むような気がしますが、このひよこさんは新しく刺繍の花も添え、立派に一本立ちしてくれました。
可愛らしいですね。
親鳥の方は開き名古屋仕立てにしています。
羽根が見事です。
それぞれをお求めになっても、又は今でしたらいっそのこと揃って親子でお求めになっても楽しめる事でしょう。

鶏刺繍開き名古屋帯

ひよこ刺繍名古屋帯 120000円
格子紬着物 37800円
身丈:4尺4寸(約167.3㎝) 裄:1尺7寸4分(約66cm) 袖巾:8寸9分(約71.5㎝) 

鶏刺繍開き名古屋帯 105000円
大島紬着物 78000円
身丈:4尺3寸(約163.4㎝) 裄:1尺7寸(約64.5㎝)

海老沢

雪持ち南天

生成り色結城紬袷と雪持ち南天と菊模様染名古屋帯赤い実をつけた南天と金茶色の小菊が、真白い雪をのせてたわんでいます。
積もった雪が今にも落ちて、枝が揺れる様子が見えてきそうな、真冬の風景。
積もった雪が枝からずり落ちることを「雪垂(ゆきしずり)」、雪の重みで枝が折れる事は「雪折れ」というそうです。
南天はご存知の方も多いと思いますが、「難を転じて福をつかむ」という語呂合わせで縁起をかつぎ、数々のものにモチーフとして使われた文様。
またその実は咳止めの薬効が知られており、延命長寿の願いを込め、南天の枝を削って箸やお守りも作られたそうです。

冬に赤い実をつける植物は、思えば数多くあります。寒い日にも目にあたたかさをくれる赤い実は、昔も今も、人を魅了してやみません。

生成り色結城紬袷と雪持ち南天と菊模様染名古屋帯

雪持ち南天と菊模様染名古屋帯 54,000円
生成り色結城紬袷 126,000円
身丈 4尺1寸5分(約157.7cm) 
裄 1尺7寸8分(約67.6㎝)

松田

来年の梅 その弐

摺り疋田小紋に紅白梅 名古屋帯どっしりと風格のある枝に、たっぷりと咲く紅白の梅。
なんともおめでたく、福を呼びそうな帯ですね。
こんな見事な梅をお召しになって新年をお祝いしてみてはいかがでしょうか。
合わせてみたのは、優しい藤色の摺り疋田の小紋です。
緑の帯揚げも添えて新春らしい装いになりました。
あたたかく華やいだ笑声が聴こえてきそうです。

紅白梅 名古屋帯 48000円
前幅は4寸3分(約16.3㎝)と広めです
摺り疋田小紋 60900円
身丈:4尺2寸8分(約163㎝) 裄:1尺7寸8分(約67.5㎝)

海老沢

インドネシアの金更紗

インドネシアの金更紗銀座が光に彩られ、今、1年の中で一番美しく輝いています。
きらきらと輝く街にいると、ついご紹介したくなるのも、きらきらとした帯。

王族や貴族の儀式用の衣装や、祭礼布として大切に扱われていたインドネシアの金更紗は、かなり希少になり、当店でもなかなか手に入りにくいもののひとつとなってしまいました。
美術館のガラスケースの中でだけ、目にすることができるという日も、そう遠くないかもしれません。
美術品のような布たち。
それを身に付ける…本当に贅沢ですね。

インドネシアの金更紗

紺地バティック金更紗 252,000円
秋田八丈切継ぎ袷 147,000円
身丈 4尺4分(約153㎝) 裄 1尺7寸(約64㎝)

茜色パレンバン金更紗 147,000円
霰小紋 105,000円
身丈 4尺2寸(約159㎝) 裄 1尺7寸5分(約66㎝)

松田

羽模様の帯

ぜんまい紬に鳥の羽づくし名古屋帯銀座も年末の装いになって来ました。
クリスマスの時期ばかりは、着物文化も洋風文化に押されがちとお思いですか?
いえいえ、そんなことはございません。
灯屋のお客様なら、当店がいかに世界中の美しいものたちと仲良く共存し刺激し合っているか、よくご理解頂いていると思います。
ヨーロッパアンティークの布で仕立て上げられた帯も沢山ございます。
今日は、ビロードの光沢に金の羽模様が中世の衣装のように美しい帯を、凝った織りのぜんまい紬に合わせてみました。
さあ、何処のパーティにお出掛けしましょうか!

鳥の羽づくし名古屋帯

ぜんまい紬 294000円 身丈:4尺2寸8分(約162.5cm) 裄:1尺7寸8分(約67.5cm)
鳥の羽づくし名古屋帯 33600円

海老沢

橘始黄(たちばなはじめてきなり)

万筋江戸小紋に紫根色縮緬地小袖くずし名古屋帯12月になりました。24節気では、橘の実が、黄ばみはじめる時節とあります。
今年は、例年と気候がちがっていたので、まだまだ先の事のようにも感じますが、今月が明ければ、お正月様がやって来ます。
お正月のお召し物、お直しがある場合も多いですので、今週中のご準備ですと余裕を持ってお渡し出来ます。
昔は、新しい下着と履き物を用意して、子供達は、指折り数えてお正月を待ったと聞いた事があります。
娯楽もほとんどなく、家族仲良く、みんなで楽しんで過ごしたのでしょうね。そう思うとワクワクします!
今も1年の始まり、大事な節目には変わりはありませんが、少しだけそんな気持ちを忘れているかもしれません・・。
されど、装う楽しみは、今も昔もかわりなく。
紫根色縮緬地小袖くずし名古屋帯江戸小袖からお仕立てした名古屋帯は、江戸縮緬地で色もめずらしい紫根色。江戸時代は、まだ、化学染料が日本に入ってきていないので、縮緬も刺繍糸もすべて天然染料。贅沢に全通でお仕立ていたしました。
お着物は、薄い萌黄色に染められた万筋小紋。
他の帯とも合わせやすく、気持ちを明るくさせてくれるやさしいお色です。
江戸小紋は、他にもございます。
春を告げる、梅、宝づくしの刺繍帯もご用意できました。
中央通り2丁目の小さな交差点にクリスマスイルミネーションも灯りました。
皆様のご来店お待ちしております。

   

万筋江戸小紋(しつけ付) 58800円
身丈:4尺3寸(約163.4cm) 裄:1尺7寸8分(約67.6cm)
紫根色縮緬地小袖くずし名古屋帯 294000円

白井

伊予染|着物

糸巻き文伊予染小紋に羊歯にメジロ図刺繍開名古屋帯伊予染は、江戸後期に流行した染模様。
縞に濃淡をつけ、透かしたときに現れる木目状にかたどったものです。
その上には、棒が付いた苧環(おだまき)に十字に巻かれた糸巻きなど、いくつもの種類がはいっています。
新春にむけ、刺繍帯をあわせてみました。
刺繍ものはつい色無地系などに着用し硬い印象になりがちですが、鳥の文様は素朴なので、遊び心のある着物にのせるといつもの装いも新鮮に。
後姿に野鳥のメジロ。
「目白押し」の詞は、数羽が押し合うように枝に並ぶようすから生まれたそうです。
こちらは、お相手を今待っているところでしょうか。
眼のまわりの白さが愛らしさをより強調し、からだの緑とのコントラストが、新しき年のスタートにはすがすがしさを憶えます。
お客様の中には、早くもお正月の三日間のコーディネートをもう決めている方もいらっしゃるようで
セットアップ写真を撮り、その日を楽しみにしているそうです。

糸巻き文伊予染小紋に羊歯にメジロ図刺繍開名古屋帯 糸巻き文伊予染小紋に羊歯にメジロ図刺繍開名古屋帯

糸巻き文伊予染小紋 147,000円
身丈 4尺2寸(約159.6㎝)
裄 1尺6寸8分(約 63.8㎝) *裄出し 1尺7寸6分(約66.8㎝)まで可能です。
羊歯にメジロ図刺繍開名古屋帯 168,000円

斉藤

茜染

草染め紬に茜染め紬絞り名古屋帯茜染めは、古代からの歴史ある染め。
茜(赤根)草という草の根を大量に集め、煮出した染液に浸しては乾かすことを繰り返してやっと染め上がる赤の色。
万葉集の枕詞としても、「あかねさす」という言葉が多用されています。
言葉にも布にも、東の水平線から昇る太陽、西に沈みゆく太陽、もっとも赤い輝きを放つその時をとどめるように求められ続けた色。
同じく草木染の真綿紬は、ふっくらと軽く、風合いと手触りがすばらしい紬。
草木染めは人の健康をも守ってくれます。
植物の優しさを、思わずにはいられません。

草染め紬 質感・風合 茜染め紬絞り名古屋帯 質感・風合

茜染め紬絞り名古屋帯 126,000円
草染め紬 294,000円
身丈 4尺2寸8分(約162㎝) 裄 1尺7寸8分(約66㎝)

松田

伊兵衛織

伊兵衛織に菊に南天文様縮緬名古屋帯前柄唐津焼を想わせる淡い釉色のように、素朴で独特の渋みがこの紬の織布の表面の凸凹につながるところがあります。
ワラのような伽羅色の色彩。
寄りで視ると、薄卵色.濃茶.薄紫と実は複数の色味が並んでいます。
アフリカのラフィアヤシ繊維の帯ともほっこりしたシボの縮緬地の帯とも、この布力に負けず馴染みます。
キモノの姿はさり気なくも凛として、現代を生き抜く女性の力強さを感じそうです。

伊兵衛織にブジョング・ンチャク付帯伊兵衛織 質感・風合 
伊兵衛織袷 189,000円(着物13-11-13
身丈 4尺2寸8分(約162.6㎝)裄 1尺8寸(約68.4㎝)
菊に南天文様縮緬名古屋帯 54,000円(帯13-11-50)
ブジョング・ンチャク付帯 126,000円(帯13-11-30)

斉藤