月別アーカイブ: 2017年11月

季節の半衿と小物

銀座のイルミネーション12月に入ると銀座は、昼の顔とべつの夜の顔を持ちます。
イルミネーションが輝き、どのブランドショップも華やかなディスプレイに代わります。

そろそろクリスマスのプレゼントを何にしようか気になる季節。

銀座のイルミネーション

灯屋2でもイルミネーションのようなビーズを使った半衿や、ガラス作家の帯留などをご用意しています。
着物好きのお友達や、お母様へのプレゼントにいかがでしょうか。

ビーズの半衿は写真のもの以外にも、色々な種類をご用意しています。
これからのシーズンのパーティにも華やかです。

ビーズ半衿 各7,000円+税
ガラスのエンジェル帯留 


ビーズ半衿 ガラスのエンジェル帯留

田中

雪の便り

憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷にカシミール織付帯北国では雪の便りも聞かれるようになりました。
二十四節気の小雪(小雪)も過ぎ、いよいよ冬の扉が開いたようです。
あたたかいお召し物のご用意をなさって下さい。

ご紹介するのは、なんといっても心強い結城縮の袷。
あらまあ、胸元に雪うさぎが刺繍されています。
帯はカシミール織の名古屋帯。

付け帯で仕立てられているので、すっきりと締められます。
ヒイラギのような模様がこの時期にぴったりです。

こんな装いなら、風邪やウィルスもよせつけないでしょう。
まだまだお楽しみはこれから!ですよ。


憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷 カシミール織付帯

憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷 (着物17-4-9) 120,000円+税
身丈:4尺1寸(約155.8cm) 裄:1尺7寸3分(約65.7cm) お仕立て直し

カシミール織付帯 (帯13-2-24) 90,000円+税

海老沢

一年の締めくくりの着物

滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯菊の名前は、「窮まる(きわまる)」が語源と言われ、「一年の最後に咲く花」という意味であるともいわれています。
一年の締めくくりのお着物としてぜひ、菊を取りいれたコーディネートを楽しんでいただきたいですね。

写真の着物は、何色もの色を使った滝のような縞に重ねるように白菊を描いた小紋。
透けるような菊が繊細で可憐な雰囲気を醸し出しています。

ぼかした柿渋の縞が小粋な雰囲気。
合わせた帯は、ベージュと黒が配色のように表現された刺繍帯です。
帯を締めた時の構図の美しさに驚かされます。
源氏車の刺繍半衿を合わせてみました。

滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯 滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯

滝縞に菊散らし小紋 (着物16-10-10) 120,000円+税
身丈:4尺2寸5分(約161.5㎝) 裄:1尺7寸2分(約65.4㎝) お仕立て直し
雪輪紋に菊と笹刺繍帯 80,000円+税
源氏車刺繍半衿 8,000円+税

田中

ちょっとクリスマス

緑グラデーション本場結城紬にジャワ更紗名古屋帯いつのまにかクリスマスツリーがあちこちに。
早いものですね。
この時期になると、装いもちょっと意識したくなります。
そこで、こんなコーディネートは如何でしょう。

緑のグラデーションが森林を思わせる本場結城紬。
合わせたのはとても細密で美しいジャワ更紗の帯。
真珠やオパールのきらめきが、星のようなアールデコの帯留。

柄や模様ばかりでなく、組み合わせで季節を表現するのもオツなものですね!

緑グラデーション本場結城紬 ジャワ更紗名古屋帯

菱型三連アールデコ帯留

緑グラデーション本場結城紬 85,000円+税
身丈:4尺1寸5分(約157.2㎝) 裄:1尺7寸3分(約65.5㎝)
ジャワ更紗名古屋帯 60,000円+税
菱型三連アールデコ帯留 

海老沢

ざざんざ織

やたら縞のざざんざ織単衣にアフリカ布の名古屋帯

ざざんざ織は2頭の蚕がつくる玉繭から、複雑にからみあった玉糸という絹糸を使うのが特徴です。
絹の独特の柔らかい光沢と艶があり、糸そのものに独特の風合いとしなやかな手触りがあります。

また、染織は草木染めを主に使い、温かみのある生地になります。
単衣で着るのが最も良いとされ、いま時期にお召しになるととても着やすい着物です。

写真のやたら縞のざざんざは、民芸調になりすぎず都会的にお召しになれる一枚。

灯屋2ならではのアフリカの布の帯を合わせて個性的なコーディネートにしてみました。

やたら縞のざざんざ織単衣 アフリカ布の名古屋帯

やたら縞のざざんざ織単衣 (着物17-9-5) 140,000円+税
身丈:4尺1寸(約155.8㎝)  裄:1尺7寸(約64.6㎝)
アフリカ布の名古屋帯 140,000円+税

田中

「インド布の旅レポート」 その6

サリー織りの屋敷インドの誇り高いマハラジャのサリーは、その気品を秘めた美しさで、見る者の心をいにしえへと誘います。
ガンガーへと向かう女性たちのその姿は日本女性の着物姿と重なりました。

旅のエンディングは、デリーで出逢った、サリーを織る青年の生家に向かいました。
彼は通年のうち、半分以上デリーに来て、自分たちの織ったサリーを販売しています。
バナラシーから、車で1時間ほど離れたその場所は、広々としたのどかな平野。
大地と緑の中、農作業をするする女性達のサリー姿が風になびく風景は、時を忘れ、胸を打つ美しさです。
中庭を囲む屋敷の中から、穏やかな機織りの音が聞こえてきます。
沢山のジャガードパターンの1枚1枚が順番を待って、クルリと降りてきます。
ボビンに巻き取られた彩りが、丁寧に1本ずつ織り込まれ、美しいサリーが誕生します。
この家では、図柄を生むヨコ糸を1色ずつ織り込む作業を、2人がかりで行っていました。
少ない人手で、良いものをできるだけ多く作り出す工夫でしょう。
糸を巻き取るのも皆、男性の仕事です。
「しなやかなサリーの絹糸を作るお蚕さんは、昔は小さな繭だった」と昔のサリーを扱った方が、話してくれました。
日本の着物と同じだなぁと、インドを益々身近に感じ、サリーを纏う女性達が愛おしくなりました。
インドからのサリーが、日本まで来て、着物や帯として大切に着用されていく。
まるで、女性達の布に宿る愛情が、海を越えてやってきたようです。

ジャガード機で2人1組になりベナレスサリーを織る ザリ糸と銀糸を1本に織り込む

ガンガーに向かうサリーの女性 ガンガーに向かうサリーの女性

「インド布の旅レポート」 その5

ガンガーに注ぐ朝日
ガンガーに注ぐ朝日です。
混沌の1日の中のつかの間、神の使者として使わされてきているような光です。
気がつけば、この時間だけはあの喧騒が遠くなります。

さて、人の波、牛の糞、押し寄せるリキシャーをかき分けて向かった、とある工房。といっても我々からみれば大きなお屋敷。
そこの主人の風貌、話し方、生活ぶりに出会った途端、わたしの中で、突然インドがわかってしまいました。
そしてゆるりと出してくれた1枚のサリーに恋してしまいました。

ムガールが終わり、イギリスが入るまでのマハラジャたちの世界、そこから連綿と受け継がれてきた伝統。

色糸を見せる5代目主人
日本と全く違う異文化のなかで、トップ階級のためだけに、100年も最上の物を作り続けてきたその歴史が放つオーラを持っているのです。

はっきり言うと、何か病的なまでの凄さを感じてしまいました。
今まで、インドの更紗や織物を絶賛して、美術館でみたり仕事にもしてきましたが、何かその裏付けが取れたような時間でした。

話しはそれますが、15年ほど前、ウズベキスタンに行った折り、日本でいう古民家なるお宅に伺いました。
そこの主人は伝統衣装の収集家で、ムガール朝から続くというイスラム建築に普通に暮らしていて、100枚もある衣裳を惜しげもなく着ろ着ろと、着て踊れと。

奥さんと2人で踊りまくりましたけど、そんな時、言葉は通じなくても、それがどんなに好きなのかで、少々の自慢も込めて素晴らしい一体感が湧くのですね。
その時も、そのご夫婦の背後にある色々な重みをドッと感じて、伝統衣裳の持つ素晴らしさを実感したものでした。

「インド布の旅レポート」 その4

木版の型染めサリー木版の型染めサリーを求めて州政府のお店へ、このお店とも長いお付き合いになりますが、この木版染めは、トラディショナルサリーなので流行におされ生産が年々減っています。

手工芸の染めは、同じに見えてそれぞれ違い、作られた年によって型の大きさや色使いも変わるので、デザインとコンディションを1枚づつ広げてしっかりチェックします。
日本から1年ぶりの来店に、「自分で見ていいよ」とストックを解放してくれました。(笑)
沢山の中から、選ばれた木版更紗を前にスタッフもほっとした笑顔ですね。

木版の型染めサリー 木版の型染めサリー

木版の型染めサリー

「インド布の旅レポート」 その3

あこがれのベナレスサリーをもとめて、今ではワラナシと呼ばれるこの聖地までやってきました。
気高く、エレガントなそのサリーを3枚ご紹介します。

黒いのは130年まえのアンティーク、日本で言うと明治初期の物。
工房の主人は5代目で、これはマハラジャの奥様のものだったそうです。
ハサミをいれるのには、相当悩みそうです。

ダークグリーンのものはペーズリーも美しく、帯になる運命のようです。

赤いのもまた本当にかわいらしく…

あと1日、どんな布との出会いが待っているのが、ぜひご期待ください。

ベナレスサリーベナレスサリーベナレスサリー

「インド布の旅レポート」 その2

山羊の毛を紡いだ糸から織られたパシュミナやカシミヤ。
厳しい寒さから身を守るストールやショール。
大胆で美しく、触れるとよりいっそう引き込まれます。
このパシュミナショールは、山羊の顎毛を紡いで織り上げるのに2ヶ月、その上に4年かけて刺繍したそうです。
目を酷使する為にひとりの人が、一生のうちにつくる数は、限られているようです。

パシュミナショールパシュミナショール

インドにあるカシミールショールは、多種多様。
糸のクオリティ、刺繍そして織のデザインは、限りなく生まれ、その中から素敵なショールをセレクトします。
ベテランのショール売りのおじさんたちが、よろこんで向かえてくれました。
「そーれ、どっこいしょ!」と日本へ送るために目方を計ります。

カシミールショール

ショールのお店で日本への発送準備