着物紹介」カテゴリーアーカイブ

手仕事を楽しむ

縞結城に宝尽くし筒描き名古屋帯先日、着物で京都へ行ってきましたが、ショールをかけるまでもない暖かさに驚きました。
そんな気持ちで今朝を迎えたら、突然の真冬の気温!!
師走の忙しいころに風邪などひけないので、結城であたたかく出勤しました。

ご紹介のコーディネートは、結城紬に筒描きの帯。
こっくりした色の結城は、細かな縞が入って粋な雰囲気です。
合わせた帯は、力強い手仕事が魅力の筒描きを帯に仕立てたものです。
木綿の風合いとしっかり染められた藍色が着物好きにも、布好きにもたまらない一品。
宝尽くしの図柄が描かれて、丁寧に色が入れられた手の込んだ布に、グッと引きつけられます。

おめでたい図柄の帯なので、お正月にも使えそう・・・


縞結城 宝尽くし筒描き名古屋帯

宝尽くし筒描き名古屋帯

縞結城 140000円+税
身丈:4尺1寸5分(約157.7㎝) 裄:1尺7寸5分(約66.5㎝)
宝尽くし筒描き名古屋帯 (帯11-9-19) 

徳永

昭和中期の結城紬

縦縞と蚊絣の本場結城紬にインド・カンタ名古屋帯珍しい結城紬のご紹介です。

茶と黒を混ぜたような地に、落ち着いたマゼンタとグリーンの縦縞が鮮やかです。
縞の合間に細かい蚊絣を入れることで、縞による粋さを抑え柔らかい表情が出ています。

凝ったつくりは、昭和中期頃、結城紬の高品質な生産ができていたから。
そんな手をかけたデザイン、楽しまなくてはもったいない!
思い切りよく、マゼンタのカンタワークの帯を合わせて。

着物に織り込まれた華やかな色がますます引き立ち、ちょっとしたパーティー仕様になりました。
何気ないお出かけにお召し頂いても、心がうきうきしそうです。

縦縞と蚊絣の本場結城紬 インド・カンタ名古屋帯

縦縞と蚊絣の本場結城紬 (着物17-9-11) 
身丈:4尺3寸(約163.4cm) 裄:1尺8寸(約68.4cm)
インド・カンタ名古屋帯 (帯16-11-19) 

櫻井

着物姿の劇的ヒロイン像

「愛の渇き」しばらくご無沙汰しておりました、映画シリーズです。
レンタルDVDを探していて、すごいものを見つけました。

その名も
「愛の渇き」
1967年公開の日活映画。
原作 三島由紀夫
主演 浅丘ルリ子
公開時のキャッチコピー
「愛がなければ女は燃えないものならば・・・・悦子は女ではないのだろうか!?
浅丘ルリ子が三島文学に挑んだ壮絶な女の映画!!」
この意味をお考えになりたいかたは、是非ご覧下さいませ。

ヒロインの悦子が着物姿だからこそ、魅力が際立っています。
モノクロ映像の美にもうっとり。
戦後間もないころの別荘地での暮らしぶりや衣食住も興味深いです。。

大阪の農園を舞台に亡き夫の父親に身をまかせながらも、若く素朴な園丁に惹かれる女の「幸福」という観念を描いた物語。
紬の着物をきりりとまといながら、嫉妬の苦しみに苛まれる姿を古典劇のように重厚感あるタッチで表現しています。
自分とはかけ離れていても、古い火傷の跡をふと思い出すかもしれません。
優れた作品は日常で忘れている感情を揺さぶり、人間の深淵をのぞかせてくれます。
原作は24歳の作品という、三島由紀夫の筆力にも驚かされます。

髪を結いあげ化粧をし、爪の先までなまめかしく全身が青い炎で燃えるようなイメージの悦子。
選んだ着物は、葡萄文様の紬。
劇的なラストシーンの葡萄畑にちなみました。
合わせる帯はやはり、静かながら情熱的な浦野の名古屋帯。
さあ、時には劇的な女性像に身をゆだねてみませんか?

葡萄柄たてぶし生紬に浦野理一作 藍地みじん格子縦節紬名古屋帯 浦野理一作 藍地みじん格子縦節紬名古屋帯

葡萄柄たてぶし生紬 
身丈:4尺4寸(約167.2㎝) 裄:1尺8寸5分(約70.3㎝)
浦野理一作 藍地みじん格子縦節紬名古屋帯 (帯17-9-1) 

海老沢

「南天尽しのコーディネート」

南天に小菊の図小紋に南天染名古屋帯お正月になると南天の葉っぱや実を飾る習慣が日本にはあります。
「難転・なんてん」~難を転じて福となす~に通じることから、縁起木として愛されてきました。

お店にも、新年の梅の柄や南天をお探しのお客さまも増えてきています。
写真の着物と帯は、珍しい白南天の図柄のもの。
着物は葡萄鼠に、白南天と可憐な柿色の小菊が描かれた小紋。
帯も染帯ですが所々に刺繍が加えられた構図の美しい帯です。

こんな大人のコーディネートでのお正月を迎えたいものです。


南天に小菊の図小紋 (お仕立て直し)  
着丈:4尺1寸(約155.8㎝)  裄:1尺7寸(約64.6㎝)
南天染名古屋帯
銀杏帯留 5,000円+税

南天に小菊の図小紋 南天染名古屋帯

田中 

雪の便り

憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷にカシミール織付帯北国では雪の便りも聞かれるようになりました。
二十四節気の小雪(小雪)も過ぎ、いよいよ冬の扉が開いたようです。
あたたかいお召し物のご用意をなさって下さい。

ご紹介するのは、なんといっても心強い結城縮の袷。
あらまあ、胸元に雪うさぎが刺繍されています。
帯はカシミール織の名古屋帯。

付け帯で仕立てられているので、すっきりと締められます。
ヒイラギのような模様がこの時期にぴったりです。

こんな装いなら、風邪やウィルスもよせつけないでしょう。
まだまだお楽しみはこれから!ですよ。


憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷 カシミール織付帯

憲房色結城縮に羽兎の刺繍袷 (着物17-4-9) 120,000円+税
身丈:4尺1寸(約155.8cm) 裄:1尺7寸3分(約65.7cm) お仕立て直し

カシミール織付帯 (帯13-2-24) 90,000円+税

海老沢

一年の締めくくりの着物

滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯菊の名前は、「窮まる(きわまる)」が語源と言われ、「一年の最後に咲く花」という意味であるともいわれています。
一年の締めくくりのお着物としてぜひ、菊を取りいれたコーディネートを楽しんでいただきたいですね。

写真の着物は、何色もの色を使った滝のような縞に重ねるように白菊を描いた小紋。
透けるような菊が繊細で可憐な雰囲気を醸し出しています。

ぼかした柿渋の縞が小粋な雰囲気。
合わせた帯は、ベージュと黒が配色のように表現された刺繍帯です。
帯を締めた時の構図の美しさに驚かされます。
源氏車の刺繍半衿を合わせてみました。

滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯 滝縞に菊散らし小紋に雪輪紋に菊と笹刺繍帯

滝縞に菊散らし小紋 (着物16-10-10) 120,000円+税
身丈:4尺2寸5分(約161.5㎝) 裄:1尺7寸2分(約65.4㎝) お仕立て直し
雪輪紋に菊と笹刺繍帯 80,000円+税
源氏車刺繍半衿 8,000円+税

田中

ちょっとクリスマス

緑グラデーション本場結城紬にジャワ更紗名古屋帯いつのまにかクリスマスツリーがあちこちに。
早いものですね。
この時期になると、装いもちょっと意識したくなります。
そこで、こんなコーディネートは如何でしょう。

緑のグラデーションが森林を思わせる本場結城紬。
合わせたのはとても細密で美しいジャワ更紗の帯。
真珠やオパールのきらめきが、星のようなアールデコの帯留。

柄や模様ばかりでなく、組み合わせで季節を表現するのもオツなものですね!

緑グラデーション本場結城紬 ジャワ更紗名古屋帯

菱型三連アールデコ帯留

緑グラデーション本場結城紬 85,000円+税
身丈:4尺1寸5分(約157.2㎝) 裄:1尺7寸3分(約65.5㎝)
ジャワ更紗名古屋帯 60,000円+税
菱型三連アールデコ帯留 

海老沢

ざざんざ織

やたら縞のざざんざ織単衣にアフリカ布の名古屋帯

ざざんざ織は2頭の蚕がつくる玉繭から、複雑にからみあった玉糸という絹糸を使うのが特徴です。
絹の独特の柔らかい光沢と艶があり、糸そのものに独特の風合いとしなやかな手触りがあります。

また、染織は草木染めを主に使い、温かみのある生地になります。
単衣で着るのが最も良いとされ、いま時期にお召しになるととても着やすい着物です。

写真のやたら縞のざざんざは、民芸調になりすぎず都会的にお召しになれる一枚。

灯屋2ならではのアフリカの布の帯を合わせて個性的なコーディネートにしてみました。

やたら縞のざざんざ織単衣 アフリカ布の名古屋帯

やたら縞のざざんざ織単衣 (着物17-9-5) 140,000円+税
身丈:4尺1寸(約155.8㎝)  裄:1尺7寸(約64.6㎝)
アフリカ布の名古屋帯 140,000円+税

田中

縞結城にインドネシア帯

太縞本場結城紬にインドネシア・リマール帯立冬を迎え、本格的な冬がすぐそこまで来ているんだなぁと感じます。
そろそろ、結城が恋しくなる季節。

今回紹介の着物は、モダンな太縞の結城紬です。
結城らしいふんわりした手触りが特長です。

高麗納戸色と黒に近い藍の縞は粋な雰囲気もありますが、敢えて外国裂を合わせてみました。

インドネシアのリマールの帯は繊細な横絣の美しさが特徴。
何色もの染分けした糸が美しい景色を醸し出しています。
様々な着物に合わせてみたくなる帯です。

太縞本場結城紬 インドネシア・リマール帯

太縞本場結城紬 80,000円+税 お仕立て直し
身丈:4尺1寸(約155.8㎝) 裄:1尺6寸8分(約63.8㎝)
インドネシア・リマール帯 (帯17-1-9) 100,000円+税

田中

インドの布

タッサーシルクの着物にモール織り名古屋帯タッサ―シルクの着物とモール織りの帯。
インドの布を纏うと、どんな気持ちになるのだろう…

タッサ―シルクはインド全域の森林地帯に産します。
しかし、その量はとても少なく、年々減少気味のようです。
家蚕は桑を食べますが、タッサーは沙羅双樹やアルジュンという樹を食べるそうです。

タッサ―シルクの自然の濃淡で横段模様がうまれ、力強い糸の風合いはインドの自然の中から生まれる美しい宝物です。
ゴールドの布につつまれて、どんな気持ちがするのか試したくなります。

合わせた帯は、スマトラ島から伝わったとされるモール織り。
祭式でもつかわれるという布には、どこか気品があって魅了されます。

タッサーシルクの着物モール織り名古屋帯


タッサーシルクの着物  95,000円+税
身丈:4尺1寸5分(約157.7㎝)  裄:1尺7寸2分(約65.3㎝)
モール織り名古屋帯  60,000円+税

徳永