夏と秋のはざかい期。
暑さにホトホトまいっちゃったと言ってる間にも、お彼岸は近く季節は移ろっていきます。
朝夕のそよ吹く風をちょっとだけ気にかけてあげて下さい。
さて、今日のお店は、まず色づいた野薔薇の枝がごあいさつ。
武蔵野に狸がお腹を出して三日月に見惚れていたり。
そして、アリスとその仲間たちがお出迎えです。
アリスとリスやふくろう、きのこたちの楽しいおしゃべりに参加なさいませんか?
お待ちしております!!
日差しがどことなく秋めいてきました。
本日ご紹介するのは、9月に着ていただくのに相応しい絽縮緬の単衣着物です。シボのある縮緬に絽目を通したもので、透け感が控えめで単衣の時期に着る着物。
こちらは細い糸の錦紗の絽縮緬で、軽やかにお召しいただけます。花菱の3つ紋ですが、おしゃれ着として着ていただくのはいかがでしょう。
大きな片輪車が威風堂々と休んでいる状態の川岸なのでしょうか。
馬が仕事を終えて鞍を外されるように、源氏車も車を外して水につけ、乾燥からの狂いをなくす作業が待っています。萩の花が情緒を添えています。
帯は華やかな菊に色紙紋様の名古屋帯。2種類の菊を豪華な刺繍で彩っています。地の柿色と葉の緑の組み合わせはどこかモダンな雰囲気。比較的薄手ですので秋の始まりから深まるまでお召しいただけそうです。半衿、丸ぐけ、帯揚げにも心を配るのも楽しいです。
色合いといい、デザインといい、秋が待ち遠しくなりますね!
ぜひ、店頭で、通販でお求め下さい。
着物 23-05-36 萩に片輪車の色留袖 65,000円(税込)
身丈:4尺2寸(約159.6cm)
裄:1尺7寸(約64.6cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸7分(約33.1cm)
前巾:6寸(約22.8cm)
後巾:8寸(約30.4cm)
帯 23-09-09 菊に色紙紋様名古屋帯 33,000円(税込) 長さ:9尺7寸(約368.6cm) 帯巾:8寸(約30.4cm)
熱中症を心配する燃えるような夏、今夏ほど秋が待たれる8月はありませんね。どうぞ皆さまお大切に。
お着物の意匠世界では、季節をちょっと先取り、がおしゃれ。四季を楽しんできた日本の繊細な心意気のあらわれでしょうか。
虫籠、秋鳴く虫たちの文様は夏のお召し物によく使われますね。この虫の大名行列のお着物、何度見ても傑作!です。
りんりんと美しくも儚げに鳴くのは、松虫?鈴虫? 現代では鈴虫のようですが、中世では松虫と呼ばれていたようです。
京都祇園京舞井上流で大変重く扱われる『虫の音』は能『松虫』からとられたもので、男同士のふいの別れとその人を偲ぶ異色の舞。「いろいろの色音の中に別(わ)きて我が偲ぶ松虫の声りんりんりんりんとして」と謡われます。
源氏物語「賢木」で、光源氏と六条御息所の野の宮での別れの場面、御息所の歌にも背景に松虫の音が詠まれています。
「おほかたの秋の別れも悲しきに鳴く音な添えそ野辺の松虫」
松虫は「待つ」に通じるためでしょうか、りんりんと鳴くのは鈴虫でなく、松虫でなくてはならないようです。
灯屋2の店頭に美しくも優しい「虫籠と秋の草花」を描いた帯のご用意があります。
虫籠になでしこ、桔梗、萩、菊、秋の草花を彩る中に「源氏香」が描かれています。つい好奇心でその巻名を調べると、お太鼓に「玉葛」「末摘花」、前柄に「蛍」「賢木」???
光源氏によって放たれた蛍の光により、玉葛に求婚している兵部卿が玉葛の姿を垣間見る、という幻想的な名場面がありますので「玉葛」「蛍」は関連あり、虫籠ともマッチしておりますね。色好みの源氏が玉葛に想いがないわけもなく、三者の微妙な関係がこの長い物語の中でも名場面と言われるのでしょうか。
「賢木」は無理無理結びつければ、野の宮の松虫の場面と考えて・・・「末摘花」は? 巻の内容もまったく関連なく、植物としての末摘花はご存知の通り「紅花」、色も形も秋にふさわしいとは言えません。もちろん源氏香の形として良いものを置いただけで、何の意図もない、というのが正解かもしれません。なぜか虫籠、秋の花々のそばに置かれた「源氏香」に意味を添えてみたくなる真夏の妄想です。
灯屋2銀座店では、8月は皆様のご愛顧に感謝いたしまして、お買い上げ金額に対しまして10%のクーポン券をお渡ししています。ぜひ、この機会にお出かけください!!
毎日暑い日が続きますが、明日の立秋を迎えると季節は秋へ移り変わっていきます。
スコールのような突然の雨で暑さを凌ぐ日々の中では、秋を感じるのは難しいでしょうか。
お盆を過ぎる頃には、秋を少しづつ意識してコーディネートもいいかもしれません。
ご紹介の着物は、絽地の無地着物です。
一つ紋付がついて、きちんとした帯を締めて準礼装としてもお召しいただけます。
虫籠に秋草の染帯で、夏のお稽古にもお召しいただけて重宝です。
絽地一つ紋付色無地着物 22,000円(税込)
身丈:4尺(約152㎝)
裄 :1尺7寸(約64.6㎝)
菊に虫籠継ぎ名古屋帯 55,000円(税込) (帯23-07-14)
長さ:9尺7寸(約368.6cm)
帯巾:8寸1分(約30.8cm)
次にご紹介のコーディネートは、駒絽の無地着物にたっぷりの刺繍の帯を主役にした装いです。
子孫繁栄の吉祥柄でもある葡萄の帯をして、ご家族と一緒に帰省するのもいいかもしれません。
茶色地駒絽絽地無地着物 22,000円(税込)
身丈:4尺5分(約153.9㎝)
裄 :1尺6寸2分(約61.5㎝)
ぶどうに蜜蜂文様名古屋帯 灯屋2の創作帯 130,000円(税込) (帯22-05-32)
長さ:1丈2寸(約387.6cm)
帯巾:8寸3分(約31.5cm)
麻の着物のご紹介です。
薄い麻に、型友禅が施されています。
桑染と思われる自然染料が、優しく白地にはない清楚な雰囲気です。
おしゃれな色使いで、ひと味違う麻着物です。
白茶地萩の麻小紋 198,000円(税込) (着物23-06-40)
身丈:4尺2寸5分(約161.5cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺4寸(約53.2cm)
袖巾:8寸8分(約33.4cm)
前巾:6寸5分(約24.7cm)
後巾:7寸8分(約29.6cm)
焦茶地絽無地名古屋帯 25,000円(税込)
長さ:9尺8寸(約372㎝)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)
菊帯留(黄銅)芳昭作 58,300円(税込)
灯屋2銀座店では、8月は皆様のご愛顧に感謝いたしまして、お買い上げ金額に対しまして10%のクーポン券をお渡ししています。ぜひ、この機会にお出かけください!!
大暑(字面さえ暑い暑い)お見舞い申し上げます。
真夏に上布姿のおしゃれな女性とすれ違うと、涼風を送られた気がいたしますね。夏のお召し物の代表、といえばやはり“上布”。細い麻糸で織られた軽く極薄のセミの羽、北の国から「越後上布」「能登上布」、南の国から「宮古上布」「八重山上布」など風合いも肌合いも違いはあっても、お着物好きにとって一度は手を通したいあこがれの一品です。
いま灯屋2では、珍しい色絣をはじめいろいろ宮古上布を取り揃えて、皆様のお出でをお待ちしております。
宮古上布の仕上げの工程で「砧うち」がされるのはよくご存知の通りです。実際見学なさった方もおられると思いますが、なかなか重労働ですね。
アイロンのなかった明治以前では、砧うちは洗濯の最後にシワ伸ばしとして、どこの家でも、女の夜の仕事としてされていたようです。
朝鮮では明治以後もこの仕事は続いていたようで、『春の海』に代表される箏曲家・宮城道雄の初期作品に『唐砧』がありますが、若い頃朝鮮に暮らした宮城は、日常、砧の音を聞いて、曲想を得たときいています。
家事の一つなのですが、俳句の秋の季語としてもつかわれるほど日本の文化にも深く影響しています。
うちまぜて遠音かちたる砧かな 飯田蛇笏
中国の詩人白楽天の著名な『聞夜砧』、世阿弥の代表作・能『砧』、どちらも晩秋の寂しさの中で、風に乗せて、遠く離れた愛する夫の元に届け、とばかりに砧を打つ妻の静かで激しい思いを描いています。
「今の砧の声添えて 君がそなたに吹けや風」
「砧の音夜嵐 悲しみの声虫の音 混じりて落つる露涙 ほろほろはら
はらと いずれ砧の音やらん」
砧打つ音はたぶんもっと重く響く音、「ほろほろはらはら」とは風に託した思いの音ではないか、と帰らぬ夫を待ち続ける妻の心情にふと思いやりたくなります。
薄物に風をはらんで、来るべき秋を待ちたい、銀座の7月です。
SALE 灯屋2 “夏のSALE”はまもなくです!
『源氏物語』光源氏の“衣(きぬ)くばり”
昔も今も衣装選びは女の勝負どころ?
7月9日(日)より、お客様に日ごろの感謝をこめて灯屋2夏のセールがはじまります。
日頃欲しかったあの着物あの帯をお手にとっていただくチャンスです。ぜひ銀座へお運びくださいませ。お待ち申し上げております(17日㈪祝日まで)。
*店内商品 着物・帯=20~30%off
小物(帯揚げ・丸ぐけ・半衿など)・ショーケース内帯留など=20%off
《一部セール対象外商品がございます》
※季節外の商品につきましても20%offにいたします
(H P商品番号をご確認の上、スタッフにお尋ねくださいませ)
少なくなったとはいえ、お中元・お歳暮は日本社会の習慣やプレゼントはいただけば嬉く、
選び贈るのも楽しみ、ではないかと思います。
『源氏物語』にも光源氏がお正月の衣装を関わりのある女性たちに自ら選んで贈る、という場面があります。
どの女君にどんな衣装を贈るか? そのセンスが問われるともいえますが、女君にとっては、どんな衣装が似合う女性と思われているのか?なかなか悩ましい問題でしょうね!光君の絶頂期、広大な邸宅六条院に住まう女君たちに、贅を凝らし巧緻を極めた衣装が「あのひとにこの色、この衣」、正妻格の紫の上とともに源氏が選び贈った衣装を身につけ、元旦に源氏の訪れを待ちます。
そのひとり、明石の君には「梅の折枝、蝶、鳥、飛びちがい、唐めいたる白き小袿(こうちぎ)に、濃き(紫根)が艶やかなる重ねて」
(吉岡幸雄の『源氏物語の色辞典』に氏の考証と再現された美しい衣装が掲載されています。)
自ら贈ったこの衣装を見事に着こなして、髪がかかる風情も優美な明石の君に見とれて、目を奪われ、心も奪われて、源氏はその夜、明石の君と過ごす、帰りを待ちわびているであろう紫の上のことを心にかけながらも、明石の君に惚れ直した?ともいえましょうか。
めったに人前に顔を晒すことのないこの時代は、衣装の持つ役割が現代より重大な意味を持っていた、ともいえますが、うっかり内面まで見せてしまう衣装選びは女にとっていつの時代も“勝負どころ”、怖くもあり、楽しみでもあり・・・
おサイフにもやさしいセール期間に、日頃のお好みから少し逸脱してオシャレの冒険をなさってみてはいかがでしょうか?新しい魅力発見!になること請け合いです!
※葉書掲載の商品はセール直前に売約済となった品物が一部ございます。どうぞご了承ください。