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松原工房長板中形販売会のお知らせ

荒川の流れのたもと、江戸川区で、3代に渡り創業してきた中形染めの松原工房が閉業しました。


故人となった2代目のおひとり、松原与七さんとは、我が連れ合いと共に、35年前、原宿の東郷神社で、店主、客人の関係からお付き合いが始まりました。
ウズベキスタンへの旅を共にしたり、布談義に明け暮れたり、セントバーナードのいるお宅へお邪魔したりの楽しい仲でした。

そして今回、閉業整理のお手伝いをして、松原工房の最後の作品を託されました。今、手元には、無形文化財としての定吉さんの着尺6枚をはじめ、2代目たちの着尺や帯、見本反物など約50店余りが、雪晒しなどを経て出番を待っています。中には、定吉さんの奥様がお召しになっていた木綿の訪問着もあり、解いて雪晒しに回しています。
そのほとんどが木綿であるというのが嬉しくて、たくさんの反物を整理していると、素朴であたたかく、長板中形の原点に立ち返る思いがします。
風薫る5月の連休から販売会を下記のようにはじめます。

【 5月3日土曜日より  開店11時 】
電話も受けたまわります

◇メールやご注文フォームでのご注文は、商品入荷日の店頭・電話でのご注文受付後、順次対応

名残りの花、4月の桜に酔いたい!

名残りの月、名残りの雪、名残りの空・・・名残りの花はやはり桜。

季節の区切りが昨今はだいぶ怪しくなっていますが、美しい言葉を“季語”の世界に閉じ込めるのでなく、身近に置いて楽しんでみたいですね。

風ひと吹きで舞い散り、舞い上がる桜吹雪、水面に落ちれば、花筏(はないかだ)、末は芥(あくた)になっても心惹かれるのは、やはり桜の力。

桜は3月というだけでなく、4月終わりの名残りの花・・あえて桜色をさけた衣装に心を映して、2025年の花を惜しむ宴を楽しむのはいかがでしょうか。

偲ぶこと語れば吹雪く残花かな (稲畑汀子)

青紫の桜の染めの小紋。縦縞に麻の葉紋様が敷きつめられたシンプルで華やかなお着物。寸法もたっぷりです。

99,000円 身丈:4尺4寸 裄:1尺8寸2分 20-04-01

薄紫のぼかし地に紫濃淡の枝垂れ桜を表した錦紗の長羽織。なんとも優雅でしなやかな羽織です。

77,000円 身丈:2尺7寸 裄:1尺7寸8分  25-02-18

(左)は金銀糸に葵を刺繍した中に控えめな桜を散りばめた格調高い帯。縦に蔓帯を配し花菱の紋を織り込んでいます。

80,000円  9尺8寸 24-05-27

(右)源氏車に桜の花びらを散らした可愛い織り帯。

10,000円 9尺

 

春の装い

桜がちらほらと散りはじめました。

少しずつ季節がうつろいでいきます。

春の陽気につられて華やかに装ってお出かけしてみませんか?

ご紹介の着物は若草色の地色に遠山や春霞が暈しで施された上に大小の花々がダイナミックに描かれたお着物に、藤の花を帯で添えてコーディネートしてみました。

春らしい色合いで優しい雰囲気を演出してくれます。

この季節を美しい着物で楽しんでみてはいかがでしょうか。

四季の植物文様訪問着 66,000円(税込) (着物25-02-13)

身丈:4尺(約152cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸9分(約33.8cm)
前巾:5寸8分(約22cm)
後巾:7寸7分(約29.3cm)

鼓に藤の花文様名古屋帯 60,500円(税込) (帯21-04-26)

長さ:9尺3寸(約353㎝)

帯巾:8寸2分(約31㎝)

 

 

こちらの着物は、全体に筆で描き込まれた着物地に大輪の牡丹に可憐な野菊が描かれた付下です。

アンティークらしい色でふわりと描かれた大輪の牡丹が雰囲気を出しています。

着物の雰囲気を壊さないように合わせた帯は、抑えめな色目ながら丸帯崩しの刺繍が豪華な帯です。

現代にはない色合いの組み合わせで、ひと味違った装いを楽めるのもアンティーク着物の楽しみのひとつです。

ぜひ、店頭で美しい着物や帯をご覧ください。

 

瑠璃紺地牡丹に野菊の付下  154,000円(税込) (着物23-12-35)

身丈:4尺1寸(約155.8cm)
裄:1尺7寸5分(約66.5cm)
袖丈:1尺3寸(約49.4cm)
袖巾:8寸8分(約33.4cm)
前巾:6寸3分(約23.9cm)
後巾:8寸(約30.4cm)

 

菱に花鳥風月文様名古屋帯  77,000円(税込) (帯25-01-25)

長さ:9尺8寸(約372.4cm)
帯巾:8寸2分(約31.2cm)

 

 

欣喜雀躍! スズメ尽くし

鳥好きの中でもスズメは人気の図柄です。お着物、帯、襦袢にもたくさん登場します。

  • 陽だまりでぷっくりお腹を膨らませたスズメの集団はなんとも可愛いものです。
  • ご紹介する着物や帯に描かれたスズメ柄は様々、顔や姿、表情をお楽しみください。黄色の縮緬地に緑の濃淡、レンガ色で竹を描いた中を飛ぶスズメ。元気です!

44,000円 24−11−08  長さ:10尺

赤いグミにふっくりスズメが宙返り、茶色の縮緬地にコックリした色合いの名古屋帯。

鳥は赤い実が大好き

66,000円 25−04−26  長さ:9尺6寸

まさに群雀! グレーのシックな織り帯、幅広く使い勝手の良い帯です。

33,000円 25-04-31  長さ:9尺9寸

豪華な江戸裂、紫地に金糸の網干にスズメが舞っています。素敵なお出掛けの時にぜひ

154,000円 長さ:9尺7寸

ふくら雀の可愛い羽織。明るい茶色地に大きめのカラフルなふくらスズメがいっぱい。

88,000円 24-10-33  身丈:2尺6寸 裄:1尺6寸5分

最後は素敵なアンティーク訪問着。裾の染めに刺繍の部分のみのご紹介ですが、落ち着いたベージュ地に地紋も素晴らしく、笹を染目で、スズメは刺繍であらわしています

154,000円 24-12-42  身丈:3尺9寸5分 裄:1尺6寸5分 袖丈:1尺3寸

さりげなく軽やかに・・サリーの替袖

全国から桜の便り、春本番の4月です。新緑の5月を前に、すべりよく、軽いサリーの替袖はいかがでしょうか。単衣のお着物にも重宝します。

幅広いお着物に合う落ち着いたベージュ地に、インドらしい模様がチラリ!振りからのぞきます。

袖巾は8寸8分、8寸5分、8寸3分をご用意しております。

袖丈は1尺2寸8分。16,500円(税込)

ブロックプリントでこころウキウキ

インドから到着した可愛いブロックプリントで楽しく遊んでみませんか?

替え袖3種
さわやかな木綿の替え袖をお作りします。袖口からチラリとのぞく可愛らしさ!
これから夏に向かって重宝します。お洗濯もご自宅で簡単にできます。

袖巾:8寸3分〜8寸8分 袖丈:1尺2寸8分
仕立て上り:13,200円

縞の紬単衣:66,000円 身丈:4尺3寸 裄:1尺7寸5分 24-08-18

帯あげ3種
帯あげを変えれば、帯の表情が変わります。
わずかに魅せるオシャレごころ…



帯あげ各種:5,000円

インドネシアランプン名古屋帯:66,000円

半衿で遊ぶ
襟元のオシャレは無限の楽しさ!
何枚も欲しくなりそうー

半衿各種:1,000円

 

 

花冷えの頃に重宝する羽織

桜の季節が近づきました。こんな頃、ちょっと肌寒さを覚える日がありますね。そんな花冷えの日のお出かけに華やかな彩りの羽織はいかがでしょう。

鮮やかな黄色地に梅を黒で描いた個性的な羽織。桜かと見まごう抽象的な花柄の大胆さが素敵です

身丈2尺5寸5分 裄1尺7寸2分   33,000円

鏑木清方の「築地明石町」は女性の黒長羽織姿を描いた素晴らしい作品ですね。あのすっきりさとは対照的なこんな可愛い黒羽織はいかがでしょう。後ろ姿がたまらなく愛しい感じです

身丈2尺5寸5分 裄1尺7寸5分   33,000円

紫の可憐な花丸の一つ紋。こっくりした紫の色紙の地紋も面白い小紋羽織。一つ紋はありますが、気軽に着ていただけます。

身丈2尺6寸 裄1尺7寸2分  25,000円

 

宮脇綾子さんのおしゃれ

雪交じりの冷たい雨がまだあがらない平日というのに、東京ステーションギャラリーは入場制限がかかるほどの盛況でした。没後30年、“宮脇綾子”(1905〜95)は、それほど人々の心をとらえているのか?

会場に掲げられた153点の作品の中には40数年前に、宮脇家で写真に収めたものも多くありましたが、当時の作品の輝きは変わらず、布の持つ本来の力強さを失っていませんでした。

会場には彼女の写真は一枚も掲げられておらず、経歴も簡単なものでした。

ただ作品のみを味わえばよい、というのも一つの考え方でしょうが、この一見誰にでもできそうな「あっぷりけ」を芸術の高みに挙げた宮脇綾子という人の“ひとととなり”、どうしてこんな作品が生まれたか?を知りたいと思わないでしょうか。

そしてなにより藍染の中形を切り継いだパッチワークの着物を着た宮脇さんを、灯屋のオシャレなお客様方に見ていただきたいと思いました(「私の創作アップリケ 藍に魅せられて」大和書房 1981 口絵からの引用)

他にも久留米絣の絣の間に、白い木綿糸で結び玉を入れていった着物−−ご主人が、これをつくる宮脇さんを見るのが忍びない、というほど大変な仕事であり、隠れて作業したという着物、ゆたんから作った羽織、など素敵な作品が一点も展示されなかったのは残念です。

1970年代の終わり頃、文化出版局から刊行されていた贅沢な雑誌「銀花」に、白絣を着た品の良い小柄なおばあさんがチョコンと座っている写真とともに作品が紹介されていました。なんて素敵!なんてオシャレ! そこから派生した企画でした。
お会いした宮脇さんは七十代半ば、ユーモアと好奇心溢れ、バラ色の頬輝く素敵な女性でした。宮脇さんは「創作アップリケ」をはじめる動機についてこう述べています。

「私はよい女房になりたいし、よいママにもなりたいが、家の中で雑用に追われながら、良妻賢母で朽ちていくのがたまらない気がして、何か自分の仕事をしたい、何か魂の打ち込めることをしてみたいと絶えず思っていた。ちょうど第二次世界大戦が終わった時(40歳頃)、今まで防空壕の中を入ったり、出たりした時間が、そこにぽっかり浮いてきた。ああそうだ、この時間で何かやろうと思ったのだ。家の中で出来ることでと思っている内に、ボロの中に捨てがたいものがたくさんあるのを私は発見した。・・・
元来不器用な私は、技術本位のものは駄目なので、色の取り合わせだけで、何か面白いものが出来そうに思ってやってみた。布の妙味とでもいうのか、こんな布がと思うものが、すばらしく生きていくのが、たまらなく楽しいのである。」

『宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』東京ステーションギャラリー 3月16日まで

 

お客様の装い〜外国布の帯コーディネート

本日もお客様の装いをご紹介いたします。

こちらはアンティークの錦紗の着物。シダの葉に蕨模様で春の息吹を感じます。全体に柄のある小紋ですが、銀通しの縞も上品に入って、近年ではこのような柄行の大人向けアンティーク着物は貴重になりました。

合わされたのはラオスの織りの八寸。十字模様が効いたデザイン、ラオスのものとしては珍しい優しい色合いです。着物と八寸で春を迎えるコーディネートですね。

こちらの着心地の良さそうな横段の着物に、合わせているのはウズベキスタンのオールド・スザニ。スザニとはペルシャ語の「スーザン」(縫い針)に由来するそうで、17C頃から中央アジアで伝承されてきた手仕事。

地域ごとに独特のモチーフやスタイルがあるそうです。元々は嫁入り道具として母親が刺繍を施すこの布が帯へと変わりました。

外国布との出会い、お二人のコーディネート、とても素敵です。

皆様も着物でお出かけ下さい。