楽しみな志村ふくみさんの帯合わせ

今まで30枚ほどのお着物を扱わせていただきましたが、志村さんの作品は、なんといっても、その包容力とダイナミズムが魅力です。

いつものことですが、それに対峙してしかも飲み込まれない、1プラス1が5になるくらいの計算を踏まえて、帯を捜します。
志村さんのお目に止まっても、決して恥ずかしくないように心がけているつもりです。
そしてその行き着く先は、ほとんどが外国布か江戸裂の帯です。

さて今回の2枚は、「冬青」(そよご)と「花絣」という作品ですが、どちらもインドネシアの100年は経ている織物を選びました。
一枚はシルク、一枚は綿ですが、金紙のモールが織り込まれていて、シルクの方はヨコ、緑の綿の方はタテ紋織となっています。
金の剥がれているのが優しく穏やかで、なんとも威風堂々として見えます。
これらの文様は、自然界のイメージを伝えていますので、二枚の着物にある絣やドットを、星や風ととらえると、そこには宇宙感が存在してきます。

 

 

「冬青」(そよご)は、紅花の優しいピンクにドットと絣が飛んでいます。
紅花のかわいいピンクに合わせて、少しアクセントのあるスマトラピンクにしてみました。


志村ふくみ作 冬青(そよご)
仮絵羽
志村19-9-04
お仕立て付き

絹の紋織名古屋帯
90000円+税

 

 

「花絣」は、三色ある色の中から緑を選んで千歳緑にしました。
永遠に変わらない松葉色を指しています。


志村ふくみ作 花絣
仮絵羽
志村19-9-02
お仕立て代込み

インドネシアモール織木綿の名古屋帯
50000円+税
帯19-7-20